コーヒーは、紅茶や緑茶などと並び、日本人にもなじみのある飲料ですが、今までコーヒーは不整脈に対して避けるべきであると認識されていた歴史があります。しかし、最近になって必ずしもそうは言い切れないという研究報告も発表されています。
そんな中で、米国のカリフォルニア大学、カナダのトロント大学、オーストラリアのアデレード大学などが共同で実施した、コーヒーと
心房細動の再発の関連をみたランダム化比較試験の結果が2025年11月に公表されました。
心房細動とは、心臓の一部である心房が十分な収縮をせず、けいれんするように細かく震える(異常な興奮が持続する)ことで脈が不規則になる不整脈の一つです。このため動悸、息切れあるいは倦怠感などの自覚症状をきたします。
試験では、電気的徐細動術を予定しているコーヒーをよく飲む患者を対象として、1日1杯以上のコーヒーを飲むグループと、コーヒーを6ヵ月間禁止するグループに分けて、心房細動と心房粗動の発生をみました。心房細動と心房粗動は、いずれも不整脈の一つです。
その結果、心房細動と心房粗動の発生は、1日平均1杯のコーヒーを飲むグループでは47%、コーヒーの飲用を禁止したグループでは64%という結果で、コーヒーを飲むことが不整脈の発生を増やすどころか、むしろ予防する可能性がある結果となりました。
これらの結果から、コーヒーを嗜好品としている患者に、不整脈発生予防のためコーヒーを必ずしも禁止する必要がないとも言えます。
一方で、飲用する量には引き続き注意を払うことも大切かも知れません。
コーヒー好きな方に、まったく飲まないように指導することはかえってストレスをためる結果にもなりますし、コーヒーには認知症予防に良いと言われているフェルラ酸などの他、健康に良い抗酸化成分も複数含まれていることから、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」で、不整脈の患者にコーヒーを推奨するということではなく、またコーヒーを嗜好品としている患者には1日1~2杯程度の量なら問題ないと言えるのかも知れません。
以前にも薬の話でお伝えしたこともありますが、コーヒーは「偉い」シリーズの仲間入りをしていて、上記のフェルラ酸の他、クロロゲン酸などのポリフェノールによる健康効果や、香りによるリラックス効果も期待できます。
コーヒー好きな方の適切な摂取量について、今後のさらなる研究に期待したいところです。
