医学部での教育は、西洋医学が中心となっており、医師国家試験合格後に先輩医師から教えられる内容もほとんど西洋医学の考え方となっているのが現状です。
そんな現状の中で、病気の治療に「心の持ち方が大切です」と言ったところで、大半の医師は「何、それ?」と見下して、「はい、終わり」という印象を受けます。
しかし一方で、現在医学をもってしてもまだわかっていないことも多くあることも事実です。
最もわかりやすい例としては「免疫学」の分野もその一つで、ある程度の詳細がやっとわかってきたところですが、まだ解明されていないこともたくさんあります。
確かに研究成果とともに、わかってきたことがたくさんありますが、それは「現時点でわかっていること」であって、将来的には「現在医学で常識」と思われていた事であっても実は「間違っていた」ということもでてくる可能性は否定できません。
よく病気のプロセスは、「川の流れ」にも例えられます。川には上流・中流・下流が
ありますが、いわゆる「病気」とは「下流で発生した結果」であるという事です。
中流では、私たちの体に本来備わっている「自然治癒力」というものが間違いなく存在します。無意識のうちにも、誰でもがウイルスや細菌が侵入してきた時には免疫力が高まり、それに打ち克とうという働きが生じます。
西洋医学では、「下流部分の原因を取り除くこと」が治療という考え方ですので、熱が出た場合は、「熱を下げる」、痛みがあれば「痛みを取り除く」というイメージです。
しかし、病気とはそんなに単純なものではないことはいうまでもないことで、例えば、がん細胞の増殖を抑えようとする場合、免疫力を高めることは大切ですが、免疫力を単に高めればよいというものではなく、自律神経系や内分泌系とのネットワークが複雑に絡んでいることを知っておくことが大切です。
病気というのは、何らかの原因で、免疫系・自律神経系・内分泌系のバランスが崩れた状態であり、複雑にからみあっているバランスをもとの状態に戻していくことが治療する上で大切です。
その一つの手段として、補完代替医療が有用な位置づけになるのではないでしょうか。
サプリメントやアロマセラピー、鍼灸、ヨガ、漢方薬・・・等々。
そして、中流より上の上流の部分のバランスを整えることが、根本的に病気を治療するということにもつながってきます。上流とは、「自分の心の持ち方=意識」の部分です。
現在医学では、残念ながらこの部分を無視していることが多いように見受けられますが、「末期がん」と宣告されて、もう治療ができないと言われたときに、何かできることはないかと思って補完代替医療にたどり着く方も少なくありません。
そのような方が「生きる希望」を見出したときに、医師の常識では考えられないほど回復する方がいることも事実です。
私たちの健康を維持する上で、「心の持ち方=意識」を大切にしていくことも重要で、その中で補完代替医療は重要な役割を担うのはないかと思われます。
もっとも、「補完代替医療にはエビデンスがないからダメ」と否定される医師も多くいることも事実ですので、可能な範囲で現在医学に照らし合わせた研究の蓄積も大切であることは言うまでもありません。
うまく西洋医学と補完代替医療を組み合わせていくことで、現在医学では手におえないような疾患でも、健康を取り戻すことができるとしたら、患者やそのご家族等にとってもハッピーではないかと思います。
当社では、研究が継続して実施され、医療機関の医師が補完代替医療として使用している実績のあるサプリメントを多数取り揃えていますので、補完代替医療分野のサプリメントにご興味のある医師は気軽にお問合せください。
偏らず中道で現在医学の中での補完代替医療の位置づけ!
アサリの健康成分について
暖かくなってくると、色々な食材が旬を迎えます。春に旬を迎えるものとしては、野菜や果物などが注目されがちですが、アサリやハマグリなどの貝類も、これからの時季が旬になります。
例年、3月頃から初夏にかけては全国的に潮干狩りが行われる時季ですが、それもアサリやハマグリなどが旬を迎える時季に合わせて行われています。
今回は、そんなアサリの健康パワーをご紹介します。
★アサリは昔から日本人に愛されてきた
日本の歴史上、あさりほどたくさん食されてきた貝類はないのではないでしょうか。
縄文時代や弥生時代に作られた貝塚は日本各地に存在し、その中にはアサリもたくさん含まれています。
古来より日本人にとって、非常に親しみのある食材であり、重要なタンパク源であったことがうかがわれます。
最近の研究では、貝塚の貝殻の量が、暮らしていた人々が食べるにしては多すぎることから、海のない内陸地域への土産、あるいは物々交換品として、塩と一緒に運ばれていたのではないかと言われています。
アサリは、お味噌汁はもちろん、酒蒸しやバター炒め、ラーメンやパスタ、クラムチャウダーなどのスープ類など様々な調理法があり、日本人にとっては最も馴染みのある貝と言えるのではないでしょうか。
★アサリは低脂肪・高たんぱくで栄養成分も豊富
アサリには、動脈硬化予防、眼精疲労緩和、肝機能強化、高血圧予防、貧血予防、食欲増進があると言われています。カルシウム、マグネシウム、鉄分などビタミン、ミネラル類を多く含み、旨味のもとである「コハク酸」という有機酸に富んでいます。あさりは帆立貝に次いでコハク酸が多く、調理上で「出汁」が不要です。
また魚のカレイ、ヒラメ並みに低い脂肪分と高いたんぱく価が魅力です。
●ビタミンB12が貝類で最高の含有量
体内で合成できないビタミンB12は、アサリにも含まれる葉酸とともに赤血球の生成をサポートしてくれます。
ビタミンB12はレバーや卵にも多く含まれますが、あさりはレバーや卵に多く含まれているコレステロールが少なく安心して食べることができます。疲労回復や悪性貧血に有効なビタミンB12は水に溶けやすいので、みそ汁のなどの場合は、汁まで飲みましょう。
●タウリンは動脈硬化や高血圧の方にもおススメ
タウリンは、アミノ酸の一種で、動脈硬化に有効とされ、血液中の余分なコレステロールを排出して血液の流れをサラサラにし、動脈硬化を予防する働きや高血圧の予防に効果的があると言われています。また、肝機能を高めたり心臓を強くする働きがあるだけでなく、糖尿病を防いだり疲れ目を改善する効果が期待できます。
タウリンを含んだドリンクのCMなどでおなじみの、疲労回復効果もあります。
●ミネラルもたっぷり含まれています
アサリには、鉄分、亜鉛、カリウム、カルシウムなどのミネラル分も豊富に含まれています。
鉄分は、増血作用があり、貧血解消に役立ちます。不足している状態が継続すると、悪性貧血、神経疾患などを起こすこともあります。
亜鉛は、肌や髪、爪の健康を保つ働きがあります。近年では亜鉛不足による味覚異常のある方も増えてきていますが、亜鉛には味覚を正常に保つ効果も期待できます。
カリウムは、身体の中にある余分な水分を排出する働きがあり、むくみの解消が期待できます。
また、余分な塩分(ナトリウム)を排泄する作用もあるため、高血圧の方にオススメです。
カルシウムは、骨や歯を丈夫にするだけでなく、骨粗しょう症の予防効果が期待できます。
アサリは貧血予防や疲労回復、むくみ解消、美容、肝機能アップなど、様々な健康効果をもたらしてくれます。
ぜひ旬のアサリを食べて、初夏の味覚を楽しみながら健康管理に役立ててみてはいかがでしょうか。
まだまだ未知の「免疫」の世界~サイトカインを中心に~
皆様は「免疫」とか「免疫力」という言葉を、耳にしたことがあると思います。身近なところでは、コロナウイルス感染拡大防止にむけても身体の免疫力を高めることが大切ということはよく知られていますね。
しかし、実は専門の研究者であっても「免疫」のメカニズムについてわかっていないことがまだまだあるというのが現状です。
本日は、免疫学の中でも「サイトカイン」について、その一部をご紹介いたします。
さて、「サイトカインっていったい何だ?」ということですが、免疫を少しでも勉強されている方なら言葉としては聞いたことはあるかも知れません。
サイトカインは、白血球などから分泌されるたんぱく質の一種で、「インターフェロン」といえばわかる方も多いかも知れませんが、インターフェロンやインターロイキン、TNF(腫瘍壊死因子)などの物質で、サイトカインと一言で言っても、実に多くの種類が存在し、インターロイキンだけでも30種類以上知られています。
これらのたんぱく質が、体内で情報の伝達に関与し、免疫や炎症に絶妙なバランスで作用しています。
例えば、アトピー性皮膚炎の治療を例にとると、現在ではインターロイキン-4(IL-4)とインターロイキン-13(IL-13)をピンポイントで抑制する皮下注射での治療や、IL-4,IL-13、IL-31などのサイトカインの伝達にかかわるヤヌスキナーゼ阻害作用を有する塗り薬など様々な医薬品が開発され、これらは皮膚のバリア機能の低下を防いだり、かゆみを抑えたりする作用を有しています。
アトピー性皮膚炎の患者は、国内では約51万人にも及ぶと言われており、成人になってから発症する例も多く見られていることから、これらの研究の進歩は朗報と言えます。
ところで、風邪をひいたときに眠くなるという経験は誰もがあると思いますが、実はこれも「サイトカイン」が関与しているのです。
風邪の原因となる細菌やウイルスの感染に対抗するため、炎症性のサイトカイン(例えばTNF-αやIL-1など)を産生し熱や痛みが生じます。即ち、風邪をひいて熱が出るという事は、身体が細菌やウイルスと闘っている証拠ともいえますが、そのサイトカインの作用で眠くなることもわかってきたのはまだ数年前のことです。
このように現在医学でもわかっていないことがまだまだ多いのが現状で、今後の研究の進展に大いに期待したいところです。
春が旬!ニラの健康成分について
そろそろ真冬の寒さから少しずつ春に向けて季節の歩みを感じられる季節になってきました。
季節が変わると、旬の食材も変わりますが、今回はこれからの季節が旬となるニラをご紹介します。
ニラは、摘んでもすぐに芽が出てくるという生命力の強い野菜で、健康に良い野菜として親しまれてきました。
最近では、餃子や鍋物、炒め物など時期を問わずに料理に使われるニラですが、本来は3月から5月頃にかけての時期が旬です。中でも、春のニラは柔らかくて美味しいと言われていますので、そんなニラの健康パワーをご紹介します。
★ニラの独特の香りは健康にGood!
ニラと言って思い浮かべるのは、あの独特の香りではないでしょうか。ニラの香りは、にんにくにも含まれている「アリシン」という栄養成分によるものです。
アリシンは、殺菌作用や血液をサラサラにする効果があり、動脈硬化の予防などに有効だとされています。
また、アリシンはビタミンB1と結合すると、アリチアミンという物質になり、ビタミンB1の吸収率をアップさせ、その効果を持続させるので、疲労回復力を高める働きがあります。そのため、ビタミンB1の豊富な豚肉やレバーなどと一緒に調理すると、とても効果的です。ニラ料理の定番ともいえる「レバニラ炒め」は、効率良くビタミンB1を摂取できる料理といえます。
さらに、アリシンには胃液の分泌や発汗など代謝を良くするという働きもあります。このため、ニラを多く食べることにより、消化を助けたり冷え性や神経痛などの改善にも効果があります。
★ニラはビタミン類も豊富
ニラは、βカロテン(ビタミンA)、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類がバランス良く含まれているのも特徴です。
βカロテン(ビタミンA)は皮膚や粘膜を正常に保ち、外部からのウィルスの侵入を防ぎ、免疫力を高めます。
ビタミンB群は、糖質(炭水化物)や脂質からエネルギーを作ったり、たんぱく質を材料にして、皮膚や筋肉、骨、ホルモンなどを作る栄養です。
もしビタミンB群が不足すると、疲労感やだるさ、子供の成長障害、肌荒れ、神経障害などが起こってきます。
ビタミンCは、白血球の働きを活発にして免疫力を高め、抗ガン作用もあるといわれています。また、コラーゲンの合成を助け、丈夫な体の組織を作ったり、ストレスに対抗するホルモンを作ることも知られています。
そしてビタミンEは、抗酸化作用があり、血行を良くして、血管に血栓ができるのを防ぐ栄養成分です。
さらに、カルシウムもほうれんそうと同じくらい含まれており、鉄・カリウムなどのミネラル成分も豊富ですので、成長期の子供や妊婦の方、中高年の方にぜひお勧めしたい食材です。
★ニラの栄養をしっかり摂れる食べ方とは
ニラの特徴的なにおいの成分であるアリシンは、白い根元部分に多く含まれています。
アリシンは細胞が壊されて、酸素に触れることで効果を発揮する成分です。
そのため、アリシンのパワーを最大限に発揮するには、根元を細かくみじん切りにすると、アリシンを効率よく摂ることができます。
また、色の濃い葉の上部には、抗酸化作用を持つビタミンA・C・Eが含まれていますので、ビタミン類を多く摂りたい場合は、緑の葉の部分がお勧めです。
ただ、アリシンやビタミン類は、あまり加熱に強くありません。栄養を摂る、ということから考えると、電子レンジを使うなどして、加熱時間はなるべく短くするのをお勧めします。
最近では健康食材としてニラが注目され、ニラを使った料理のレシピは、定番のニラレバ炒めやニラ玉だけでなく、様々なジャンルの料理が紹介されています。
色々な方法で、今からが旬のニラを楽しんでみてはいかがでしょうか。
やっぱり「大豆」は偉いんだ!
2013年2月号で「大豆は偉い」というタイトルで、ダイゼインリッチな麹菌発酵大豆イソフラボンの機能性についてお伝えいたしました。
その時には、次のような機能性をお伝えしています。
(1) アディポネクチンの増加作用や脂肪細胞を小さくすることによるダイエット効果
(2) 更年期障害におけるホットフラッシュ改善作用
(3) 抗アレルギー作用
(4) 受精卵着床改善作用などによる不妊症治療への応用
(5) 乳癌や前立腺癌の予防・改善作用
(6) 突発性難聴や耳鳴りの改善作用
(7) 血中中性脂肪や血中コレステロールの低下作用
(8) 脳梗塞や心筋梗塞の予防作用
その後、2017年11月号で『やっぱり「大豆」は偉かった!』というタイトルで、アルツハイマー型認知症の原因物質のひとつと言われているアミロイドβの凝集抑制作用や長寿遺伝子「サーチュイン遺伝子」の活性化作用、さらには「若返りホルモン」として知られている「DHEA」の上昇作用などをお伝えしています。
この度、その後にニチモウバイオティクス株式会社が行った、ダイゼインリッチな麹菌発酵大豆イソフラボン(Dr.アグリマックス)の研究成果の一部をお伝えさせていただきます。
1.子宮内膜症に対する有用作用
子宮内膜症は、生殖可能年齢の1~10%の女性に罹患する疾患で、主な症状は骨盤痛や不妊があります。京都府立医科大学産婦人科学教室との共同研究により、ダイゼインリッチな麹菌発酵大豆イソフラボンは、子宮内膜症間質細胞の増殖および炎症を抑制すること、子宮内膜症モデルマウスの病変形成を抑制することを見出しました。さらには、ヒトを対象としたパイロット試験が行われ、子宮内膜症患者の月経痛緩和や子宮内膜症性嚢胞径を縮小させたという結果が報告されています。
2.生殖機能に及ぼす影響について
マウスにダイゼインリッチな麹菌発酵大豆イソフラボンを混ぜた餌を与えたところ、加齢マウスの発情頻度を増加させ、胚着床数及び重量が若齢マウスと同等だったことが麻布大学との共同研究で明らかになりました。晩婚化などで出産の高齢化が進み、不妊治療に大きな関心が集まる中で有用な結果と言えるのではないでしょうか。
3.COPD(慢性閉塞性肺疾患)予防効果
大阪市立大学大学院医学研究科呼吸器内科学の研究で、ダイゼインリッチな麹菌発酵大豆イソフラボンがCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の予防効果を有することが明らかになりました。
4.筋萎縮軽減効果
マウスを用いた東京工業大学との共同研究で、ダイゼインリッチな麹菌発酵大豆イソフラボンは、神経切除に伴う筋萎縮を軽減することを報告しています。超高齢化社会を迎えるわが国で、ロコモティブシンドロームのひとつである加齢性筋減弱症(サルコペニア)が社会問題になりつつあるなか、サルコペニアを軽減する可能性に期待が寄せられています。
以上のように新たな研究成果が次々に報告されていることから、『やっぱり「大豆」は 偉いんだ!』と思うのは私だけでしょうか。
※ここでお話している「大豆」は、ダイゼインリッチな麹菌発酵大豆イソフラボンの ことです。
麹菌発酵アグリコン型大豆イソフラボン 不妊治療への期待
アグリコン型イソフラボン「Agly Max」を販売するニチモウバイオティクス株式会社は、武庫川女子大学との共同研究でアグリコン型イソフラボン「Agly Max」が受精卵を子宮内膜に着床させる能力を誘導する可能性があることを明らかにし、2008年3月に世界ではじめて大豆イソフラボンの不妊治療への有用性を発表しています。
その後、東京医科大学産婦人科学教室との共同研究により、ヒトを対象としたパイロットスタディにより、アグリコン型イソフラボン「Agly Max」が受精卵の着床に重要な着床関連因子LIF発現を増加させる可能性が確認され、さらにはLIFの情報を受け取る受容体の遺伝子の発現を増加させることを確認しています。
これらの結果は、アグリコン型イソフラボン「Agly Max」は、子宮内膜に受精卵の着床をサポートすることで、不妊治療に有益であることが示唆されます。
さらに、麻布大学とのマウスを用いた共同研究では、加齢マウスの発情頻度を増加させ、着床数等は若齢マウスと比較して同等であることがわかり、2020年12月に行われた第65回日本生殖医学会学術総会で発表されました。
この度の結果は、晩婚化などによる出産の高齢化が進むなかの不妊治療において、明るい研究成果と言えるのではないでようか。
今回は、アグリコン型イソフラボン「Agly Max」の不妊治療への有用性をお伝えいたしましたが、以下のとおりその他にも多くの研究結果が報告されています。
今後のさらなる研究の積み重ねを期待します。
【アグリコン型イソフラボン「Agly Max」のその他の研究結果の一例】
・COPDに対する予防及び軽減効果
・筋委縮軽減効果
・インスリン感受性改善効果
・乳がん、前立腺がん細胞増殖抑制効果
・メタボリックシンドロームへの有効性
・ホットフラッシュ緩和効果
・子宮内膜症抑制効果
など
音楽で心を癒してみませんか
昨年からのコロナ禍の影響でこれまでとは違った生活習慣となり、ストレスをより多く感じている方も多いのではないでしょうか。ストレスを解消するための外出や人とのコミュニケーションもこれまでと同じようにはできなくなりました。
そこで、自宅で人数や環境にあまり左右されることなく楽しめる音楽によるストレスケアはいかがでしょうか。今回は、音楽の癒しの力をご紹介します。
★音楽が心と体に及ぼす、さまざまな影響
好きな音楽を聴いて元気をもらったり、感情が揺さぶられたりした経験は、多くの人がお持ちなのではないでしょうか。
音楽が心身に及ぼす影響は複合的で、大きく3つの側面に分けられます。
(1)生理的・身体的なレベルの直接的な影響
耳から入った音楽は、脳へと伝わり、全身に影響を及ぼします。自律神経系に作用して、心拍や血圧が変化し、興奮や鎮静、リラクゼーションなどの効果がもたらされます。同時に、心の状態にも影響を与え、感情、知覚、認知を活性化させることが分かっています。
(2)間接的な影響
音楽そのものではなく、思い起こされる記憶や感情も影響を与えます。例えば、子供時代や青春時代に流行した歌を聴くことで、当時の記憶がよみがえり、楽しかった思い出に浸るうちに、心が明るくなることがあります。
(3)人々をつなぐ社会的側面
他人とともに音楽を楽しむことで、人のつながりが生まれることもあります。例えば、誰かと一緒に歌ったり、音楽を共有をしたりすることで、親密感や仲間意識が芽生えることもあります。
★音楽でストレスを緩和するためのヒント
音楽は人それぞれ同じ曲であっても受け止め方が異なり、ストレスケアにつながる場合もあれば、逆にストレスに感じてしまう場合もあります。例えば、テンポやリズムのゆったりした音楽に鎮静効果があるとされていても、激しいリズムでテンポの速いパンクロックなどを好む人にとっては退屈なだけかもしれません。
音楽が人に及ぼす影響については、生理的・身体的レベルで導きだせる基本的な特徴や傾向は分かっているものの、「誰にでも同じように効果的な音楽」というものが存在するわけではありません。個人の趣味嗜好や文化差、社会的背景なども影響するため、因果関係の判断や影響の特定は難しく、さまざまな観点から慎重に研究が進められています。
具体的な状況に合わせて選ぶと良いとされる音楽をいくつかご紹介しましょう。
●イライラした気分を発散したい時
激しめの曲や体を動かしたくなるテンポの速い曲
●気持ちが落ち込んでいる時
ゆったりと穏やかな音楽(気持ちが落ち着いてきたら少しずつテンポを速く)
※ただし、あまり暗い音楽を聴き続けると、さらにつらい気持ちが喚起される恐れがあるので注意が必要です
●人付き合いに疲れた時や集中したい時
できるだけリズムや響きがシンプルな音楽
●人恋しい・寂しさを感じる場合
感情的な表現が盛り込まれた壮大な曲
さらに、懐かしさを感じる曲は、喜び、幸せ、満足、リラックスなどポジティブな感情を呼び起こしやすいです。以前好きだった音楽を聴いて、ストレスフルな現実をいっとき忘れるのも良いかもしれません。
音楽を効果的に用いることで身体的、精神的な痛みや辛さを和らげる「音楽療法」は、病院や介護施設などでも活用されています。アメリカでは音楽療法士が在籍し、手術や大変な治療などの大きなストレスを感じる患者さんに付き添って、音楽を用いてリラックスさせたり、痛みを和らげる取り組みもされています。
コロナ禍では特にストレスケアが必要とされています。身近な音楽、懐かしい音楽を楽しんで、ストレスケアに役立ててみてはいかがでしょうか。
アスピリンの新たな可能性
アスピリンと言えば、解熱・鎮痛薬の代名詞ともいえる医薬品で、知らない人がいないくらいに有名な薬ですね。
アスピリンの源流は紀元前に遡ります。紀元前400年ごろの記録では、ヒポクラテスがヤナギの樹皮を熱や痛みを軽減するために用いたという記録が残っています。
もちろん、この時はどうして熱や痛みを抑えるのかというメカニズムはわかっていませんでした。
また、中国では歯痛にヤナギの小枝を歯間にこすりつけて痛みを緩和させていましたが、これが「つまようじ」の始まりと言われているお話も有名です。
実は、アスピリンの解熱・鎮痛作用のメカニズムがわかってきたのはまだ最近のことで、1971年にイギリスの薬理学者が、アスピリンの解熱・鎮痛作用は「プロスタグランディンの生合成を抑えるため」ということを解明したことによります。
この研究成果は、ノーベル医学賞の受賞にもつながりました。これほど長い期間において、世界で広く使用されながら、メカニズムの解明に至っていなかったものだったということは驚きですね。
そのアスピリンは、1970年代の後半から、血小板の凝集を抑制する作用があることから、低用量のアスピリンが血栓予防に使用されるようになってきました。
しかし、最近では血栓予防効果よりも、消化管出血などの副作用がクローズアップされるようになり、今では血栓予防の目的で使用されることも少なくなってきました。
ところが、アスピリンは、またまた新たな可能性で脚光を浴び始めています。これほど長い間にわたって注目される薬も珍しいと思いますが、いま新たな可能性によって「がん領域」の分野で注目されています。
1988年には、オーストラリアの学者が、アスピリンを服用している人の大腸がんの罹患率は服用していない人に比べると40%も低いことを発表したことをきっかけに、世界中の研究者たちがこぞって研究を開始しています。
最近では、大腸がんの他にも、すい臓がんリスクを低減させるなど、アスピリンと様々ながんリスク低減の関係について研究が継続しています。
最近では、がんと炎症の関係が密接であることが知られてきましたので、もしかするとアスピリンの抗炎症作用が、がんリスクの低減に良い結果をもたらしているのかもしれません。
そのうえアスピリンは、アルツハイマー病や糖尿病領域でも研究が行われているという記事もありましたので、アスピリンは、もはや単なる「解熱・鎮痛剤」とは言えない薬となってきました。
腸管免疫から考える新型コロナウイルスへのアプローチ
新型コロナウイルスによる感染拡大が続いており、重症者数も増加傾向にあり、地域によっては受け入れ病床数がひっ迫した状態になっております。
このような状況の中で、これから冬本番を迎えるにあたり、さらなる感染予防対策が重要になってきますので、ホットな話題を交えながらお伝えさせて頂きます。
感染予防対策としてよく知られていること以外に、皮膚についた新型コロナウイルスは、なんと9時間も生存することもわかってきたことから手洗いや、無意識に顔をさわってしまうことによる感染を防ぐ意味からもマスクの着用はさらに大切と考えられます。
さらには、最近の報告によれば、上気道からのPCR検査で陰性になっても便中にウイルスが残っている場合が多いこともわかっていますので、大便後に水を流す場合は「便器のふたをしてから流す」ことが推奨されています。
さて、新型コロナウイルスは若年層の方は重症化しにくいと思っている方が多く、感染予防対策に油断を生じてしまっている例が多く見受けられますが、家庭内で高齢者に感染させる例も多く見られることもあり注意が必要です。
特に高齢者や持病をお持ちの方は感染予防対策を徹底しなければならないことは言うまでもありませんが、若年層の方であっても決して重症化しにくいと言い切れるものではありません。
最近の報告では、現在感染が拡大している新型コロナウイルスは、ヨーロッパ由来のウイルスで、若年層の方でも感染すれば症状が長期化し、世界的にもなんと5人に1人は何らかの症状が長期にわたっていると言われています。
また、新型コロナウイルス感染者の約50%の方には消化器症状があり、10%ぐらいの方の症状は下痢や腹痛などの消化器症状だけで、なんと消化器症状だけの方は重症化しやすいともいわれています。
それでは、なぜ消化器症状だけの方は重症化しやすいのでしょうか。
新型コロナウイルスは、粘液の少ない小腸や肺胞に多く存在するACE2受容体にくっついて感染するからです。
従って、新型コロナウイルスの予防対策として、新型コロナウイルスがACE2受容体にくっつきにくくするか、ACE2受容体の発現を少なくすることなどが重要です。
ACE2受容体の発現を抑えるためには、腸管でIgAの分泌を促進することが有効で、そのためには、乳酸菌など摂取によりいわゆる善玉菌を多く取り入れ、腸内細菌叢のバランスを整えることが大切です。
代謝を上げるとっておきレシピ
昨年からのコロナ禍の影響で外出機会が減り、運動不足を感じている方も多いのではないでしょうか。
特に寒い季節は外に出る機会が減りがちで、運動不足に拍車がかかりやすい時季です。運動不足が続くと筋肉量が減り基礎代謝が低下して、脂肪や老廃物が溜まりやすくなるため、健康のためにも良くありません。
そこで、手軽な運動で代謝アップにつながりやすくなる、代謝を上げるレシピを一つご紹介しましょう。
★体にとって代謝が重要な訳とは
「基礎代謝」とは、呼吸したり心臓を動かしたりと、生命を維持するために必要なエネルギーのことで、このエネルギーは、寝ているときや座ってじっとしているときにも消費されています。
効率よくエネルギーを消費するには、基礎代謝を上げると良いと言えるのです。
高い基礎代謝を維持している人は体温が高く血の巡りがよいため、老廃物が溜まりにくいので、若いころと変わらないスタイルをキープしやすく、体調不良に悩まされることも少ないと言われています。
運動不足や加齢によって基礎代謝は低下するので、日ごろから意識して筋肉量を増やすことが大切で、適度な運動や筋肉の元となる良質なたんぱく質などを摂っておくことが重要です。
★鶏むね肉と玉ねぎのレンジ蒸しをご紹介します
今回は、鶏むね肉と玉ねぎを使った電子レンジだけで、簡単に作れるお手軽レシピを一つご紹介します。
鶏むね肉には、脂肪が少なく、たんぱく質をしっかりと摂れるという特長があります。そのため、基礎代謝量を落とさず脂肪が燃えやすい体を目指すうえで、最適な食材だと言えます。
玉ねぎには血行を促進して体を温める働きがあります。体温が高まると、一層の代謝アップが期待できます。
材料の加熱に使用するのは電子レンジのみで、調理に油を使わず、低カロリーでヘルシーな一品です。鶏むね肉の肉質は柔らかく、あっさりとした淡白な味なので、青じその風味を楽しみながら、ポン酢ソースでさっぱりといただけます。
★鶏むね肉と玉ねぎのレンジ蒸し 1人分 353kcal
材料(2人分)
鶏むね肉 ………………… 1枚
玉ねぎ …………………… 小1玉
青じそ ……………………… 3枚
◆下味
酒 …………………………… 大さじ1/2
しょうゆ …………………… 小さじ1
◆ポン酢ソース
ポン酢 ……………………… 大さじ3
大根 ………………………… 40g
トマト ……………………… 1/2個
(1)鶏肉は一口大の食べやすい大きさに削ぎ切りにし、酒、しょうゆで下味をつけます
(2)玉ねぎは縦半分に切り、繊維に沿って5mmの厚さに半月切りにします
(3)大根はおろして水気を軽く切り、トマトは1cm角に切ります。ポン酢と合わせ、ポン酢ソースを作ります
(4)耐熱皿に2の半量を並べ、その上に1をのせ、さらに2の残りを重ね、ラップをして電子レンジで加熱します
加熱時間は500Wで5分、600Wで4分10秒です
(5)加熱をしたら、そのまま2分おいて余熱で火を通します。器に盛り、3をかけて千切りにした青じそを添えます
寒い時季ではありますが、外に出なくても軽い運動はできます。運動を行うとともに、今回ご紹介したようなたんぱく質豊富な食材を食べることで、効率よく基礎代謝をアップしていきましょう。