麹菌発酵大豆イソフラボンであるダイゼインリッチアグリコン型大豆イソフラボンは、医療機関向けサプリメントとして「Dr.AglyMax」の商品名で販売されています。
これまでにも「Dr.AglyMax」は、一般的な大豆イソフラボンの作用でよく知られている更年期障害によるホットフラッシュや不眠の改善、骨密度の改善作用などの他にも、LDL-コレステロール低下作用、中性脂肪低下作用、インスリン感受性改善作用や、さらには受精卵着床サポート作用などによる不妊治療に有用であることを示唆する報告があり、医師からも良い評価をいただている商品のひとつです。
この度、いくつかの試験によって、「Dr.AglyMax」の炎症性腸疾患に対する効果を示唆する試験結果が新たに報告されましたので、その一部をご紹介させて頂きます。
ひとつは、マウスに「Dr.AglyMax」と生理食塩水を1週間投与した後に、デキストラン硫酸ナトリウムを投与し大腸炎を誘発させ、「Dr.AglyMax」投与群と生理食塩水投与群で大腸組織を比較したところ、「Dr.AglyMax」投与群は対象群に比べて柔毛と外皮の損傷はなく、炎症も確認されなかったことを報告しています。
また、TLR(Tool様受容体)2,および4を介して、炎症性サイトカインIL-6、IL-8の産生抑制作用、IL-10の分泌増加による炎症性サイトカイン産生抑制作用、抗原提示細胞(APC)による炎症性サイトカインの過剰産生抑制作用など、炎症性腸疾患の改善が期待できる結果が確認されました。
先生方もご存知のとおり、炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎やクローン病など国が定めた難病法の中で「指定難病」とされており、罹患者は年々増加傾向にありますが、治療方法は未だに確立されていない疾患です。
従来の治療に加えて、補完代替医療の一環として併用することにより腸内の炎症を抑制し、潰瘍性大腸炎やクローン病などの症状が少しでも改善できれば患者さんにとってはありがたいことと感じます。
麹菌発酵大豆イソフラボン Dr.アグリマックス 炎症性腸疾患にも有用か?
さつまいもの健康成分について
今回は、秋の味覚の一つ、さつまいもの健康成分についてご紹介します。今の時季は甘さが引き立ち、焼きいもやスイーツなどでよく目にします。最近では特にその栄養価が注目されています。
★さつまいもと言えば、食物繊維!と、ヤラピン??
さつまいもの栄養素と言ってまず思い浮かぶのは食物繊維ではないでしょうか。
そのイメージ通り、さつまいもには食物繊維が豊富に含まれていて、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維、どちらも豊富に含んでいます。
水溶性食物繊維はその名のとおり水に溶けやすく、体内では腸での栄養の吸収速度をゆるやかにして食後血糖値の上昇を抑えてくれる働きがあります。
また、コレステロールやナトリウムを体の外に出すことで、血中コレステロール値の低下や高血圧予防にも役立ちます。
不溶性食物繊維は、水分を吸収することで便の量を増やす働きがあります。
便が増えることで大腸に刺激を与え、便通にも効果があります。
そしてさつまいもに含まれる特徴的な成分の一つが、ヤラピンです。
生のさつまいもを切った時に出てくる白い液体がヤラピンです。胃の粘膜を保護し、腸内のビフィズス菌を増殖させて便を軟らかくするため、食物繊維との相乗効果で便通改善に役立ちます。
★ビタミンなどの抗酸化成分もたっぷり!
ビタミンCもたっぷり含まれています。ビタミンCは免疫力アップや粘膜の強化、皮膚の健康に大切なコラーゲンの生成、歯や毛細血管、軟骨を正常に保つのに役立ちます。寒くなるこれからの季節は、感染症対策として免疫力や粘膜の強化、そして皮膚の乾燥対策にも役立つ成分です。
さつまいもに含まれるビタミンCはデンプンに守られていて加熱されても壊れにくいのが特徴です。
また、ビタミンEやビタミンB群、βカロテン、ポリフェノールの一種アントシアニンも含まれていて、これらの抗酸化作用によって抗老化や生活習慣病対策につながります。
★たっぷりのカリウム&カルシウムも健康に役立つ!
カリウムは必須ミネラルの一つです。体内でナトリウム(塩分)とのバランスを取ることで、細胞内の浸透圧を正常に保ったり、血圧を調整するのに役立つと言われています。また、体内の余分なナトリウムや水分が排出されることで、むくみの解消につながります。
カルシウムは、健康な骨や歯などをつくるのに必要な栄養素です。子どもの成長期はもちろんですが、妊娠中の赤ちゃんの発育にも関わりますので、子どもや妊娠中の人は特にカルシウム不足には気をつけたいですね。もちろん、骨粗しょう症予防のために大人もしっかり摂っておきたい成分です。
★食べ方の種類が豊富!
シンプルにアルミホイルで巻いてグリルやトースターで焼くと、焼きいもとして食べられます。
それ以外にも、煮物にしたり、みそ汁に入れたり、小さく角切りにしたさつまいもとご飯を一緒に炊けばさつまいもごはん、電子レンジなどでホクホクにして他の野菜と混ぜるサラダ、大学芋やスイートポテトなどのスイーツなど色々な食べ方ができます。
好きな食べ方で旬のさつまいもを楽しんでみてはいかがでしょうか。
えっ! ホントに医薬品でもなぜ効くのかわかっていないものもある?
サプリメントは「エビデンス」がないから推奨しないという医師も見受けられますが、いつもお伝えしているとおり、現在の医薬品のルーツは、主に自然に生息する植物や動物の食経験の中から発見されたものがたくさんあります。最近では、食品中に含まれる物質の「ファイトケミカル」が注目されており、私たちの健康に様々な有用作用があることも知られています。
これらは食品中に含まれる成分で、よほど大量に摂取しないかぎりは安全に食することができて、健康に良い作用を有しています。漢方薬も長年の経験の積み重ねで薬になっています。
医薬品は「エビデンスがあるから良い」、サプリメントは「エビデンスに乏しいからダメ」ということは一概には言えないと思っています。
医薬品は合成された物質で、いわゆる副作用など、身体への負担もつきものです。
副作用もわかっているものであればまだしも、予期せぬ副作用を生じることもあります。
さらには、誰もが知っている薬が、「なぜ効くのか」ということが未だにわかっていないものもあります。実例をあげると、「アセトアミノフェン」もそのひとつです。
アセトアミノフェンと言えば、コロナワクチンの副反応の発熱を抑制するためによく使用されたこともあり、名前ぐらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
このアセトアミノフェンは、医薬品として発売されてから100年以上も経過しているのですが、一般的な非ステロイド抗炎症剤(ロキソニンなど)と違って、解熱・鎮痛効果を有するのに、抗炎症作用はほとんど期待できません。
そして、なぜ抗炎症作用がほとんど期待できないのかということについては実は謎に包まれている状態なんです。
最近になってやっと中枢神経系に存在するCOX-3を選択的に阻害することにより解熱・鎮痛効果を発揮すると考えられるようになりましたが、これもまたCOX-3阻害作用と解熱・鎮痛効果の相関性が弱いことから、また振り出しにもどりました。
でも、やっとごく最近、アセトアミノフェンの代謝産物の「AM404」という物質が関与しているという説が有力になり、研究が進められていますので、今後の研究成果に期待したいところです。
このように医薬品であってもわかっていないこともあるということを思うとき、食経験のある食品成分の摂取(サプリメントを正しく摂取すること)は、私たちの健康維持に大切なことかも知れません。
やっぱり大切だった「睡眠の質」~ こんなところにも睡眠とのかかわりが… ~
「睡眠の質」を維持・向上させることは、私たちの健康を維持していく上で大切であることは、言うまでもなく先生方もよくご存知のことと思います。
その睡眠と健康との関わりの中で、今まであまり知られていなかった「動脈硬化リスク」との関係について、米国ヴァンダービルト大学の研究グループが、2023年2月のJournal of the American Heart Association誌で発表しました。
本研究では、2010年~2013年に記録された2023例のデータを用いて評価したもので、評価項目には冠動脈カルシウム、頸動脈プラークの有無、頸動脈内-中膜の厚さなどを用いています。
その結果、全体として様々な睡眠をとった参加者(例えば、ある夜は睡眠時間が短く、ある夜は睡眠時間が長い)は、毎晩ほぼ同じ睡眠時間だった参加者よりも、アテローム性動脈硬化を発生する可能性が高いことなどがわかりました。
また、就寝時間が不規則な参加者は、より規則的な就寝タイミングの参加者に比べて冠動脈カルシウム負荷が高く、睡眠の不規則性、とりわけ睡眠時間の長さのばらつきは、アテローム性動脈硬化のいくつかのマーカーと関連していたとのことです。
今まで、睡眠と心疾患や2型糖尿病との関連性について知られていましたが、睡眠と動脈硬化との関係についてはあまり知られていませんでした。
この度、このような研究報告があったことは、私たちの健康を維持していく上で、やはり睡眠の質を維持・向上していくことが大切であることを改めて感じさせられます。
薬はグレープフルーツジュースと一緒に飲まないでくださいね!
薬局でお薬をもらうときに「グレープフルーツジュースと一緒に飲まないでくださいね」と説明している場面を経験したことはないでしょうか。
高血圧症でお薬をもらっている方はよく耳にしているかも知れません。
これはグレープフルーツに含まれる「フラノクマリン」が薬物代謝酵素CYP3A4を阻害することにより、高血圧症のお薬のひとつカルシウム拮抗剤の効果を高めてしまうことが知られているからです。
それでは、注意するのは「グレープフルーツジュース」だけで、他の柑橘類、例えばオレンジジュースなどは大丈夫なのかなと気になりませんか?
同じ柑橘類でも「フラノクマリン」が含まれているものと、ほとんど含まれていないものがあります。
「フラノクマリン」を含む柑橘類は、例えばグレープフルーツの他にブンタン、ハッサク、夏みかん、ダイダイなどがあります。
一方、「フラノクマリン」が含まれていないのもとして、例えばバレンシアオレンジ、レモン、温州ミカンなどがあります。
ですので、正しく言えば「グレープフルーツジュースと一緒に飲まないでくださいね」ではなくて、「フラノクマリンを含む柑橘類と一緒に飲まないでくださいね」となるのですが、こんなことを言っても患者さんはピンときませんので、代表的な飲み物として「グレープフルーツジュース」と説明しています。
ちなみに、グレープフルーツは果汁より皮の部分に「フラノクマリン」が多く含まれてるので、グレープフルーツをまるごと絞ったジュースでなければ過剰に気にしすぎることもないかと思われます。
また、同じカルシウム拮抗剤であっても、CYP3A4の影響が少ないお薬もありますが、薬剤師は、万一お薬の効果が強く出すぎて、めまいやふらつきなどの副作用が生じるといけませんので、「グレープフルーツジュースと一緒に飲まないでくださいね」と説明しています。仮に間違えて飲んでしまったとしても、体調に変化がなければ過剰に心配することはございませんのでご安心ください。
余談になりますが、CYP3A4で代謝されるお薬は、カルシウム拮抗剤の他にも、脂質異常症でよく処方されている「スタチン系医薬品」や、睡眠導入剤の「ハルシオン」なども知られています。
例えば、就寝前に睡眠導入剤「ハルシオン」をグレープフルーツジュースなどで飲むと、薬の作用が強く出すぎることもありますので、特に高齢者は注意が必要です。
逆に、花粉症でよく使用されるフェキソフェナジンやビラスチンなどのお薬は、グレープフルーツジュースなどで服用すると作用を減弱する可能性もあります。
このように作用の増強・軽減の可能性がありますので、グレープフルーツジュースなどで服用してしまったときは、過剰に気にされずに数時間の経過観察をすれば良いですが、お薬を服用するときは、水またはぬるま湯で服用するのが安心・安全につながることだと言えます。
ICNIM2023 ~ AHCCのコロナウィルスに関する話題を中心に ~
本年の7月8日~9日の2日間、北海道札幌市において、「統合医療機能性食品国際学会 第31回年会(ICNIM2023)が開催されました。
本年もAHCCをはじめ、アスパラガス抽出物などの研究成果が多数報告されましたが、中でもコロナウィルス感染に関する報告が多かったのが印象的です。
今回は、その中からいくつかご紹介させて頂きます。
まずはじめに、マウスを用いた研究になりますが、SARS-CoV-2感染1週間前から経口投与させたマウスにAHCCを経口投与し、何も処理していないマウスと比較すると、肺の炎症の減弱とウィルス量の減少が確認されました。また、AHCCを投与したマウスの死亡率も有意に減少させました。
これらは自然免疫および獲得免疫の一部であるT細胞応答の促進を介してCOVID-19感染に対する宿主抵抗性を高めた結果と報告されています。
また、日本医療大学病院の石田らのCOVID-19療養終了後に中枢性後遺症関連愁訴を有する患者に対する研究では、AHCC摂取群はプラセボ摂取群と比較して、症状が改善した割合が高く、特に倦怠感やだるさが軽減されたことを報告しています。
さらに、インドネシアのラブアン・バジ病院でのコロナ後遺症患者90名を対象とした研究では、AHCC摂取群は対象群と比較して肺機能が良好で、3ヶ月間摂取後の咳の改善は対象群が37.5%であったのに対してAHCC摂取群は94.1%でした。
神経症状については、対象群の方は3ヶ月目でも13.7%の方に見られましたが、AHCC摂取群ではまったく見られませんでした。
これらのことからもコロナウィルスに対する健康維持の立場からもAHCCの摂取は有用であると考えられます。
AHCCは以前より、免疫力を高める機能性食品といて医療現場でも患者さんに使用されている実績があり、中でもがん患者さんに有用であることはよく知られています。
この度のICNIM2023でも、その他にAHCCのがん患者さんに対する多くの研究報告がありました。
魚を食べると頭が良くなるってホント?
皆さんは、「おさかな天国」という歌を聞いたことがありますでしょうか?
「さかな、さかな、さかな~、さかな~を食べーると~、あたま、あたま、あたま~、あたまーが良くなる~」という歌ですが、聞けば「あ~、知っている」という方が多いと思います。
歌にもなっているぐらいですから、さぞかし魚を食べると頭が良くなるのかと思われる方もいるかも知れませんが、残念ながら魚を食べるだけで頭が良くなることはございません。
それではなぜ、このような歌があるのかといえば、魚には頭に良い成分の「DHA」や「EPA」などが多く含まれているからです。
特に青魚と呼ばれる「イワシ、アジ、サンマ、サバなど)に多く含まれています。
これらは、多価不飽和脂肪酸の中でもω3(オメガスリー)脂肪酸に分類されている成分で、DHAは脳の発達にも欠かせない成分であることがわかっており、DHAと学力についての研究成果も多数報告されています。
また最近注目されている注意欠陥多動性障害(ADHD)の子供のω3脂肪酸の血中濃度は低いこともわかっていますので、ADHDのお子様にもDHAなどの摂取が有用かも知れません。 さらに、加齢に伴う脳機能障害やアルツハイマー病、うつ病などはDHAの摂取で予防や改善が期待できることもわかってきました。
実は、コレステロールや中性脂肪を下げる脂質異常症のお薬として、DHA・EPAを含むお薬も処方されているんです。
ご高齢者で脂質異常症の方は、この薬を服用することで認知症を予防する意味でも有用かも知れません。
このように実力派のDHA・EPAですから、子どもへの食育という観点から、魚に含まれるその他の成分、例えばカルシウムやビタミンD、たんぱく質なども摂取できますので、特にお子さまには「魚を食べると頭が良くなる」ということで、魚好きになってもらうことは、良いことかも知れませんね。
麹菌発酵大豆培養物「イムバランス」~ 慢性子宮内膜炎に対する効果を確認 ~
イムバランス(麹菌発酵大豆培養物)は、味噌用麹菌を用いて独自の技術により脱脂大豆を発酵させて得られた物質で、これまでの研究では小児アトピー性皮膚炎に対する効果をはじめ、花粉症などのアレルギー疾患に対する有用性や「NASH」抑制効果、慢性腎不全に対する有用性、免疫不均衡に対する難治性不妊症に対する有用性など、様々な効果が報告されています。
この度、さらに第67回日本生殖医学会総会で慢性子宮内膜炎に対する効果について発表がありましたのでお伝えさせて頂きます。
先生方もご存知のとおり、子宮内膜炎は子宮内膜において持続的な炎症を伴う疾患で、細菌やウィルスの感染が主な原因と言われ、反復着床不全や習慣流産などを引き起こす場合もあり、正常な妊娠の妨げとなっています。
一方で、子宮内膜炎の原因や発症機序は十分に解明されているとは言えず、現状では抗生物質を用いた治療にとどまっています。
しかし、抗生物質の投与で効果が得られない場合も珍しくありません。
そこで抗生物質投与で効果が得られない場合に、代替治療の確立が望まれていました。
東京都の杉山産婦人科新宿(院長;中川浩次氏)らは、慢性子宮内膜炎の着床不全患者に「イムバランス」を投与し、慢性子宮内膜炎の改善効果と臨床妊娠率を調べた結果、それぞれの効果が確認され、その結果を第67回日本生殖医学会総会で発表しています。
これらの効果は、「イムバランス」投与により腸内細菌叢のバランスが改善された結果と推測されていますが、抗生物質1クール投与後、および2クール投与後において改善しなかったCD138の個数が、いずれも「イムバランス」投与によって改善したことを確認しました。
さらにこの効果は、「イムバランス」投与2週間という早期で確認できたことから、「イムバランス」は、慢性子宮内膜炎による不妊治療に有用であると思われます。
まだまだ知られていない腸内細菌叢のバランスの改善効果は、様々な疾患に有効に働くものと思われますが、腸は第二の脳(セカンドブレイン)と呼ばれる意味も徐々に詳細が明らかになり、今後さらに疾患と腸内細菌叢との関係がわかってくる予感がします。
「唾液力」を高めよう!
今回の薬のはなしは、「唾液」の話をさせていただきます。
唾液、すなわち「つば」の事ですが、小学校の理科の授業では、「アミラーゼという酵素がデンプンを分解する働きがあるため、よく噛んで食事をすることが大切です」と教えられた記憶があります。
また、小さいころには、ちょっとしたケガのときには「つばでもつけておいたら治る」と言われたことがありますが、実は唾液には細胞を活性化させる「グロースファクター(成長因子)」が含まれており、粘膜や皮膚の表層細胞を活性化させて傷を治しやすくする作用がありますので、ちょっとしたケガのときに「つばでもつけておいたら治る」は、単なる気休めだけのことではなく、的外れなことではないという側面もあります。
最近、「唾液力」という言葉も出てきたくらいに「唾液」について見直されてきています。
そこで、知っていそうで知らない唾液についての話題を今回のテーマに選びました。
最近の研究によって、唾液の質と量が感染症や生活習慣病を予防と深くかかわっていることがわかっており、神奈川歯科大学の槻木教授によれば、唾液中のわずか1%の中に健康に役立つ成分が100種類以上も含まれており、中でも免疫グロブリンA(IgA)という成分が感染症から身体を守ってくれているのだと言います。
即ち、唾液はインフルエンザや細菌の感染から身体を守ってくれているのです。
さらに、最近の研究では、同じ唾液でも唾液の質も注目されており、インフルエンザに感染しやすい人と感染しにくい人を比べると、感染しにくい人の唾液には「結合型シアル酸」という成分が多いことがわかってきました。
さらには、唾液は、認知症やうつ病の予防にも役立つことや、HSP-70(ヒートショックプロテイン-70)という、抗ストレス作用を有するタンパク質によって上気道感染抑制にも役立っている可能性が報告されています。
ところが、高齢になるにつれて唾液の分泌量がどんどん減少し、うまく食事を呑み込めなくなることで誤嚥性肺炎の原因になることも指摘されています。
そこで日常生活の中で唾液の量の低下を防ぐための工夫をしていくことが大切です。
唾液の量の低下を防ぐ工夫として、よく噛んでゆっくり食事することや、ビタミンCやポリフェノール、CoQ10などの抗酸化食品の摂取が良いと言われています。
さらに、唾液の量を増やすだけでなく唾液に含まれるIgAの量も増やすことも大切です。
「腸-脳相関」という言葉が広く知られるようになっていますが、それに加えて「腸-唾液腺相関」という言葉も知られるようになってきましたが、腸内環境を整えることによって唾液中のIgAを増やせることがわかり、例えば食物繊維の豊富な食べ物を摂取することもおすすめです。
食物繊維の摂取により腸管を刺激して、唾液腺にIgAの分泌シグナルが送られて、唾液中にIgAを増やしていくと言われています。
また、食物繊維と発酵食品を同時に摂取することで、腸内で乳酸菌が食物繊維をエサとして増えていくことで、腸内環境を整えて唾液力を高めると言われています。
日常生活の中で、食事の工夫をはじめとして、様々な「唾液力」を高める工夫を重ねながら健康を維持してまいりましょう。
「BioPQQ」の新たな機能性~ 若年層にも認知機能の柔軟性・実行機能改善効果を確認 ~
ピロロキノリンキノン(PQQ)は、酸化還元酵素の補酵素の一つとして、1979年に発見された水溶性キノン化合物で、「BioPQQ®」(三菱ガス化学株式会社製造)は、日本でも2014年に機能性食品素材として認められ、2018年には欧州委員会よりNovel Foodとして指定を受けています。
「BioPQQ®」は、長年にわたり三菱ガス化学株式会社と国内外の大学や研究機関と共同研究が進められており、これまでにミトコンドリア新生作用、認知機能改善効果、脂肪蓄積抑制をはじめとした多様にわたる効果が見いだされています。
PQQの中高年層への認知機能改善効果はよく知られており、当社でも「思いやりのPQQ」という商品名で、「本品にはピロロキノリンキノン二ナトリウム塩を含んでいます。ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩は、健康な中高齢者に対して、認識能力の一部である注意力及びワーキングメモリー(得られた視覚情報を短時間で認識し、同時に正しく処理し行動に移す能力)の維持に役立つことが報告されています。」という表示内容で機能性表示食品として消費者庁に受理されています。
さて、このPQQに若年層においても認知機能の柔軟性と実行速度などの認知機能改善効果があることが確認され、その研究成果は「Food & Function」に掲載されました。
また、機械学習を使用した解析でも認知機能改善効果が確認されたことから、今後eスポーツ分野や学習者向けサプリメントへの展開が期待されます。
さらに、「BioPQQ®」は国際的なアンチドーピング認証である「インフォームド原材料」の認証も取得していますので、アスリート向け食品としても利用できることも含めて、第三者による品質評価がなされた安心・信頼のブランドとしての国際認証を取得していることから、今後多くの方々の健康の維持・増進に役立つものと期待されます。