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イムバランス(発酵大豆培養物)と認知症

6月14
2025
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イムバランス(発酵大豆培養物)は、これまでにアトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー性疾患の有用性について複数の研究結果が報告されています。
その他にも慢性子宮内膜炎による着床不全患者への投与で慢性子宮内膜炎の改善および臨床妊娠率の向上の報告など多くの機能性を有しているサプリメントです。
イムバランス(発酵大豆培養物)のその他の機能性として、ハーバード大学との共同研究において、認知機能改善の可能性のあることが示唆されました。
この研究は、認知機能障害モデルマウスを用いた研究で、神経炎症を阻害し、エネルギー代謝を向上させ、腸内細菌叢を改善させることにより、認知機能を改善させることができる可能性を見出しています。
認知機能の低下は、加齢ならびに神経変性疾患、糖尿病、慢性腎臓疾患などの特定の疾患と関連しており、厚生労働省研究班の調査によると、65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人は推計15%で、2025年には730万人に達し、なんと65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると推定され、大きな社会問題として注目されています。
一方で認知機能改善に向けて医薬品の研究開発が継続されていますが、未だに有効な治療薬は見当たりません。
そのような中で、認知症発症の予防という立場から、この度ご紹介したイムバランスのようなサプリメントの使用は重要な位置づけになってくるものと思われます。

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百日咳の感染者数 過去最多!

6月07
2025
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百日咳が流行し、毎日のようにニュースでも取り上げられています。
それもそのはず、2025年4月7日~4月13日の1週間に報告された感染者数は、比較できる2018年以降で、3週連続で過去最多を更新しています。
この時期でなんと、すでに2024年の年間報告者数を上回っているとのことですので、これは尋常ではありません。
百日咳は、激しい咳を伴い、微熱など風邪と似た症状からはじまり、次第に咳が強くなってきます。乳幼児や免疫力が低下している高齢者が感染すると重症化することもあり、乳児が感染すれば、死亡する恐れもある疾患ですので注意が必要です。
百日咳の感染や感染拡大を防ぐために最も大切なのはワクチン接種ですが、最近の感染者の推移をみると、これまで感染の中心だった乳幼児は感染者全体の10%程度にとどまり、約60%は10~19歳の若年層のようです。
それではなぜ若年層の感染者が増加しているのでしょうか?
その原因はいくつか考えられますが、いままで感染の中心だった乳幼児ではワクチンが定期接種されているため免疫を獲得できている一方で、10~19歳の若年層では免疫が減衰しており、学校やクラブ活動において集団で接触する機会が増えていることに加え、百日咳ワクチンの追加接種が任意であるため積極的に行われていないことも考えられます。
さらに、現在流行している百日咳は、治療薬であるマクロライド系抗菌薬が効かなくなっていることも見逃せません。
「小児呼吸器感染症診療ガイドライン」では、マクロライド耐性百日咳菌に対して、本来は百日咳に使用する抗菌薬ではない、ST合剤と呼ばれる抗菌薬を使用することを推奨しています。
いずれにしても百日咳対策として大切なことは予防ですので、特に生後2か月を迎えたら速やかに5種混合ワクチンを接種することが大切と思われます。
また、今後若年層や高齢者に感染者数が増加し続けるようなら、感染予防の立場から追加ワクチン接種を積極的に行う必要性を広く認知させ、自己負担額を軽減するなどを含めて国をあげての追加ワクチン接種の推奨が必要になるかも知れません。

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日本人の食文化を見直そう!~緑茶の認知症予防~

5月17
2025
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日本人は、健康長寿を考えるうえで素晴らしい食文化をもっています。
例えば、お魚のDHA・EPAや、豆類のイソフラボン、海藻類のフコイダン、キノコ類のβグルカンなど、言い始めるときりがありません。
また、一般に緑茶などに含まれる「ポリフェノール」は、認知症予防に有用であることは既によく知られていますが、今回はその一部について最近の論文からお伝えいたします。
昨年9月に論文が掲載された、英国のクイーンズ大学ベルファスト校が英国の約12万人を対象とした、ベリー類、緑茶、紅茶、赤ワイン、ダークチョコレートなどに含まれるフラボノイド摂取量と認知症リスクの関係について実施した調査でも、フラボノイドが豊富な食品を日常的に摂取することで認知症リスクを大幅に低減することが示唆されています。
国内においても認知症の無い65歳以上の日本人の約9000人を対象とした、金沢大学医薬保健学総合研究科脳神経内科学の柴田修太郎氏らのグループが実施した調査において、緑茶の摂取量が多いほど脳白質病変容積が小さい傾向にあり、緑茶の摂取量が認知症の予防につながる可能性について本年1月に掲載された論文で報告しています。
この研究から著者らは「緑茶にはエピガロカテキンガレードが含まれており、抗酸化作用や血圧低下作用などにより、脳白質病変が縮小した可能性がある」と考察しています。
また、脳白質病変は血管性認知症やアルツハイマー型認知症と密接な関係があることから、緑茶の摂取が認知症予防に役立つ可能性があるとまとめています。
緑茶飲用の文化ある日本人ではありますが、最近では緑茶以外のお茶を飲用する方が増えていることや、肉類など欧米文化の食事が主流となりつつある印象ではありますが、改めて日本人の食文化を、健康医長寿の立場から見直していくことも大切かも知れません。
どうしても日常生活の中で偏りが生じる場合は、適切なサプリメントなどで補う方法も良いかも知れません。

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今から旬!アジの健康成分

5月11
2025
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そろそろ気温も上がってきて初夏から夏へ向かう季節ですが、春から夏にかけて旬を迎える食材はたくさんあります。今回は、そんな食材の中で昔から日本人には馴染み深い、アジの健康成分についてご紹介します。

★日本人にとっては古くからの美味しい魚
アジは、日本人なら一度は見たことも食べたこともある人が多い馴染み深い魚です。魚の中でも特に古くから食べられていたようで、縄文時代の貝塚から見つかったり、奈良時代や平安時代の記録にも登場しています。
その頃は高級魚として上流階級の人たちが食べていたようですが、江戸時代になると庶民の食卓にも登場するようになり、江戸時代の料理本にもアジが登場しています。
アジは産卵前となる初夏から夏にかけての時期を旬と言われることが多く、栄養価も味も良くなる時期です。アジといってもたくさん種類がありますが、最もスーパーなどでも目にする機会が多いのは、マアジです。マアジは本来回遊性の魚ですが、内湾に住み着いたアジは、瀬付きアジや根付きアジと言われ、脂がのって美味しく、体色が黄色味を帯びることから「金アジ」や「黄アジ」などとも呼ばれています。
アジは刺身やタタキ、干物や塩焼き、アジフライなど庶民の食卓を様々な調理法で賑わせてきました。

★アジは健康にも良いことがいっぱい!
アジは脂質が少なめで、たんぱく質が豊富な魚です。
たんぱく質は筋肉や皮膚などを構成するもととなる栄養素です。
ホルモンや抗体など体の機能を調節する成分もたんぱく質からできています。
さらに、必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。
そしてアジはグルタミン酸やタウリンが豊富であるため、特有のうまみがあるといわれています。
中でもタウリンの含有量は、サバやサンマよりも多いといわれています。
タウリンには、肝機能アップ、コレステロール値の低下、高血圧予防など、生活習慣病予防にはうれしい作用がたくさんあります。また、カルシウムやビタミンB1、ビタミンB2、 ナイアシンなどのビタミン・ミネラル類も多く含まれています。
日ごろから摂っておきたい成分が多く含まれており、古くから親しまれているのも頷ける食材ですね。

★アジといえば、DHA・EPA
アジに限らず、サバやサンマ、イワシなど青魚と呼ばれるものに含めれているものといえば、DHA・EPAが有名です。DHAとEPAは血液をサラサラにして生活習慣病予防になる成分としてよく知られていますが、それだけではありません。
血液中の中性脂肪を低下させる作用や、不整脈の抑制、抗糖尿病作用、抗うつ作用、抗ストレス作用、認知機能改善と脳萎縮抑制作用による認知症改善の作用など、多数の作用が報告されています。
さらに、インフルエンザウイルスを抑制するなどの抗ウイルス作用が明らかになっており、様々な感染症が注目されている現代では日常的に摂っておきたい健康成分の一つです。
さらにDHAは目にも大切な栄養素です。DHAは、目の網膜に含まれる脂肪酸の約40%を占めることがわかっています。
DHAを摂取すると、近視の改善や集中力の向上、動体視力の改善などに効果が期待できます。
DHAとEPAは、どちらの成分も体内では合成できない成分ですので、積極的に摂取して、 体内のDHAとEPA量を維持することが大切です。

アジは日本では手軽に手に入り、調理もしやすい魚です。さらに健康に良い成分が多く含まれています。
DHAとEPAは生で食べたほうが効率よく摂取できますが、そのほかの調理法でも健康に良い成分をたくさん摂取できます。ぜひ習慣的にアジを食卓に並べてみてはいかがでしょうか。

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古くて新しい薬「メトホルミン」の新たな可能性!

5月10
2025
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「メトホルミン」と言えば、糖尿病治療薬として古くから使用されている誰もが知っている薬のひとつですが、長期投与の安全性が確認されており、低血糖症を引き起こさずに確実な血糖低下作用があり、されには安価な医薬品であるため、糖尿病治療ガイドラインでも第一選択薬として推奨されています。 日本人の糖尿病を有する人でも癌は死因の1位となっており、特に肝細胞癌のリスクが高くなることが報告されている中で、群馬大学生体調節研究所の白川教授らの研究グループにより「メトホルミン」に抗腫瘍効果の可能性があることが発見され、以前より「メトホルミン」にはがんの増殖を抑制する効果は経験的に知られていましたが、この研究成果は糖尿病患者にとっても朗報と言えそうです。

「メトホルミン」には、その他に抗ウイルス作用や血管疾患リスク低減効果、認知症リスク低減効果、寿命延長効果など、実に様々な作用を有することが報告されています。
そしてこの度、中国の研究グループにより、うつ病モデル動物を用いた試験で、神経伝達物質の調整、抗炎症効果、腸内細菌叢の改善などの作用から抗うつ作用が確認され、さらには抗うつ薬の抗うつ効果を増強することを示唆する結果が報告されました。
まさに「メトホルミン」は、古くて新しい薬と言えるのはないでしょうか。 今後の研究成果に期待したいところです。

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コーヒーを飲むなら「モーニングコーヒー」

4月19
2025
Written by admin
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今回は、いつもの代替医療健康食品通信と違った観点から、身近な嗜好品「コーヒー」についてお伝えいたします。
緑茶を飲用する文化の日本人ですが、コーヒーの香りのリラックス効果も相まって、今では一人当たり1日約1杯の消費があると言われています。
特に食後のコーヒーはホッと一息するものです。
コーヒーの健康効果と言えば、コーヒーに含まれるカフェインによる覚醒効果や利尿作用は誰もが知っていますが、その他にもコーヒーに含まれるポリフェノールの一種である「クロロゲン酸」の作用による認知症の予防・改善効果をはじめ、食後血糖値の上昇抑制作用、肝機能改善作用、さらにはアメリカでの40万人以上の健康調査の結果からコーヒーの飲用によって死亡リスクが低下するとの論文が2012年に掲載されたことなどから死亡率改善作用などでも注目されています。
コーヒーの飲用と死亡率の改善については、国内においても岐阜大学大学院の山川路代氏らが高山市で実施した高山スタディにおいてもコーヒーの飲用と全死因死亡および心血管疾患による死亡と逆相関していることを報告しています。
このようにコーヒーには多くの健康効果がありますが、いつ飲用するのが効果的かというコーヒー飲用のタイミングについては明らかにされてきませんでした。
そこでアメリカのテュレーン大学の研究グループでコーヒーを摂取する時間帯と死亡との関連を調べる研究が行われ、朝型摂取群では非摂取群と比較して最も死亡リスクが低下したことを報告されています。
その他にも、コーヒー摂取量と摂取タイミングと糖尿病患者の慢性腎疾患リスクとの関連性を調べた研究では、早朝から午前中の摂取が有意にリスクを低下したという報告や、カフェイン摂取とうつ病リスク低下と関連では、朝の時間帯(5時~8時)にカフェインを摂取した人は、そうでなかった人と比較してうつ病有病率が低いことなども報告されています。
このようなことからも、どうやらコーヒーを飲むなら「モーニングコーヒー」が良いと言えそうです。
今回は、サプリメント素材には関係のない話題をお伝えしましたが、たまにはホッと一息、忙しい毎日に「モーニングコーヒー」や、食後のコーヒーブレイクも良いかも知れません。

Posted in 代替医療通信

睡眠の新たな指標、「睡眠休養感」

4月12
2025
Written by admin
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食事や運動と並んで睡眠は健康を支える要素の一つで、睡眠をしっかり確保できれば免疫力も高まり病気も治りやすいことが知られています。
睡眠と健康との関わりでは、例えば不眠と認知症の関連性などもよく知られています。
不眠に悩まされている方は睡眠薬を服用することもありますが、いわゆる睡眠薬と呼ばれているものの種類は、実に20種類以上もあり、その使い分けは作用時間の長さ、すなわち超短時間作用型、短時間作用型、中間作用型、長時間作用型に分類して考えられていました。
しかし最近では、メラトニン受容体作動性薬、オレキシン受容体拮抗薬といった新しいタイプの睡眠薬が登場してきたことにより、作用時間の違いで使い分けるのではなく作用機序によって使い分けするようになっています。
その理由の一つとして、ほとんどの不眠症患者さんは入眠困難と中途覚醒を併せ持っている方が多く、いま注目されているポリファーマシーという立場からも多剤併用を避ける考え方が広がってきたこともあります。
特にベンゾジアゼピン系という古くから使用されているお薬の継続服用(超短時間作用型、短時間作用型、中間作用型、長時間作用型の組み合わせを含む)は、中高年齢層の患者では認知機能障害、転倒・骨折のリスクが高くなることが安全性の立場から問題視されていますが、現実には睡眠障害を訴える患者さんに、例えば「長短時間作用型と中間作用型を同時に処方する」医師が未だに多く見受けられることも課題と言われています。
睡眠障害がうまくコントロールできていない患者さんは、睡眠外来などを行っている専門の医師に相談することも良いかも知れません。
そのような背景の中で、昨年度に「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。
生活習慣病やがんなどの疾患の発症に、「栄養」、「運動」、「喫煙」、「飲酒」が深く関与していますが、その他、「睡眠」も重要な位置づけになることが明確にされ、適切な睡眠により十分な休養を得られている国民を増やすことが目標として掲げられています。
具体的には、1~2歳児は11~14時間、3~5歳児は10~13時間、小学生は9~10時間、中・高生は8~10時間と細かく設定される一方で、成人には6時間以上と大雑把な設定となっています。
これは成人になると睡眠必要時間に大きく個人差が生じることにより、同じ睡眠時間でも影響の度合いも大きく異なることがあるからです。
そこで新たに睡眠ガイドの中で注目されているのが、睡眠時間の長短だけでなく、「睡眠休養感」を指標とする考え方です。
「睡眠休養感」に対するバイオマーカーは今のところありませんので、「睡眠により疲れが取れているかどうか」という感覚的なものになりますが、睡眠時間の確保とともに、最近よく言われている「睡眠の質」の向上が大切ということです。
睡眠は、時間が長ければよいというものではなく、睡眠の質をよくして、目覚めた時に すっきりした感覚が得られることが好ましいということです。
最近では、GABAや乳酸菌飲料、アスパラガス抽出物、PQQなど睡眠の質を向上させると言われているサプリメントも市販されていますが、これらのサプリメントをうまく利用して健康管理に役立てていくことも「睡眠休養感」を得るために良いことかも知れません。

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AHCCの肝線維化進行抑制の可能性について! 

3月15
2025
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AHCCは30年以上前から医療現場で特にがん患者さんに対する補完代替医療分野の健康食品として使用されている実績があり、現在も世界100以上の国や地域で医療機関や大学などの研究機関との共同研究が継続されています。
今までの研究成果から免疫力を高める作用の詳細も徐々に明らかになる中で、抗がん剤副作用軽減効果などのエビデンスが蓄積されています。
この度は、大阪公立大学大学院医学研究科機能細胞形態学の宇留島隼人准教授らとの共同研究において、AHCCが肝星細胞の活性化を抑制することで肝線維化の進行を抑える可能性が示唆されましたのでお伝えさせて頂きます。
この研究内容は、国際学術誌「American Journal of Physiology Gastrointestinal and Liver Physiology」のオンラインに掲載されています。(https://doi.org/10.1152/ajpgi.00134.2024)
肝臓に長期間炎症が続くと肝線維化が引き起こされ、最終的には致死的な肝硬変に進行していきますが、現時点で肝硬変に対する有効な薬剤はありません。
また、世界の3~4人に一人が肝線維化の前段階である脂肪肝であることが報告されていますので、肝線維化の進行を抑えることは意義深いことと言えます。
今までにもAHCCの肝保護作用は知られていましたが、肝線維化進行に対する作用はよくわかっていませんでしたので、宇留島隼人准教授らは、モデルマウスを用いてAHCCの作用を検討したところ、AHCCが肝星細胞の活性化を抑え、肝線維化の進行を抑制していることが確認されました。
宇留島隼人准教授は、「肝臓は沈黙の臓器で病態がかなり進行して初めて症状が出る場合が多いです。積極的に健康診断を受診し、肝線維化を早期発見して生活習慣の改善に取り組むことが重要です。今後はより信頼度の高い科学的エビデンスの構築のために、肝線維化患者に対するAHCCの効果を確認する臨床試験実施を目指してまいります。」とコメントしています。

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日本人の食文化を見直そう! ~緑茶の認知症予防~

3月08
2025
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日本人は、健康長寿を考えるうえで素晴らしい食文化を持っています。
例えば、お魚のDHA・EPAや、豆類のイソフラボン、海藻類のフコイダン、キノコ類のβグルカンなど、言い始めるとキリがありません。
また、一般に緑茶などに含まれる「ポリフェノール」は、認知症予防に有用であることは既によく知られていますが、今回はその一部について最近の論文からお伝えいたします。
昨年9月に論文が掲載された、英国のクイーンズ大学ベルファスト校が英国の約12万人を対象とした、ベリー類、緑茶、紅茶、赤ワイン、ダークチョコレートなどに含まれるフラボノイド摂取量と認知症リスクの関係について実施した調査でも、フラボノイドが豊富な食品を日常的に摂取することで認知症リスクを大幅に低減することが示唆されています。
国内においても認知症の無い65歳以上の日本人の約9000人を対象とした、金沢大学医薬保健学総合研究科脳神経内科学の柴田修太郎氏らのグループが実施した調査において、緑茶の摂取量が多いほど脳白質病変容積が小さい傾向にあり、緑茶の摂取量が認知症の予防につながる可能性について本年1月に掲載された論文で報告しています。
この研究から著者らは「緑茶にはエピガロカテキンガレートが含まれており、抗酸化作用や血圧低下作用などにより、脳白質病変が縮小した可能性がある」と考察しています。
また、脳白質病変は血管性認知症やアルツハイマー型認知症と密接な関係があることから、緑茶の摂取が認知症予防に役立つ可能性があるとまとめています。
緑茶飲用の文化ある日本人ではありますが、最近では緑茶以外のお茶を飲用する方が増えていることや、肉類など欧米文化の食事が主流となりつつある印象ではありますが、改めて日本人の食文化を、健康長寿の立場から見直していくことも大切かも知れません。
どうしても日常生活の中で偏りが生じる場合は、適切なサプリメントなどで補うという方法も良いかも知れません。

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ビタミンDの新たな可能性~サルコペニアに対する有用性~

2月08
2025
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ビタミンDは、骨代謝にかかわるビタミンとしてよく知られていますが、日光を浴びることによって体内で合成することができることや、高齢者の方には医薬品として処方されることが多いビタミンであることから、あまり注目されていませんでした。
そんなビタミンDの有用性について今までにも「ビタミンDサプリメントの摂取と癌死亡率低下の可能性」や、「パーキンソン病やアルツハイマー型認知症の予防改善の可能性」、「免疫力を高める作用」などの紹介をしてまいりました。
今回は、血清ビタミンD濃度が低い高齢者は骨格質量指数(SMI)が低く、握力が低下しサルコペニアのリスクが高まる可能性についてご紹介させて頂きます。
この研究結果は、大阪大学大学院医学系研究科老年・総合内科学の赤坂憲氏らのグループにより、2024年8月に「Geriatrics & Gerontology International」に掲載されています。
サルコペニアは、筋肉の量や筋力が低下した状態で、移動困難や転倒・骨折、寝たきりのリスクが高まる他、男女ともに死亡リスクは2倍以上高まることが知られ、治療薬がないことから、筋肉に適度な負荷をかける運動やたんぱく質の摂取を中心とする食事療法がその予防・改善策として重要と考えられています。
赤坂氏らは、東京都と兵庫県の地域住民を対象とした高齢者長期縦断研究のデータを用いてサンプル数が十分な70歳代と90歳代の横断的解析を行いました。
その結果、この研究では横断的解析であり因果関係は不明なことや日光暴露時間、栄養素摂取量が不明な点が課題であることを述べたうえで、血清ビタミンDレベルは歩行速度には影響しないものの、骨格質量指数(SMI)や握力との関係を明らかにしています。
さらなる研究が必要ではありますが、近年では骨粗しょう症治療薬として処方されているビタミンDにサルコペニアに対する保護的作用もある可能性が報告されていることを考慮すると、血清ビタミンDレベルを維持することは骨格筋量の維持に寄与し、サルコペニア予防につながる可能性を示唆した研究結果であると考えられます。
たかがビタミン、されどビタミン。
またひとつビタミンDの新たな有用性が加えられましたが、その他ビタミンC、ビタミンB群などにも様々な新たな有用性が知られていますので、特にご高齢の方は、積極的に総合ビタミンの摂取を心がけることは、健康長寿につながる一つの手段かも知れません。

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