サルコペニアは、加齢による筋肉量の減少および筋力の低下により発症し、歩いたり立ち上がったりする日常生活に影響を及ぼし、介護が必要になったり、転倒するリスクが高まるなどの他、各種疾患の重症化や生存期間にも影響することから注目されている疾患です。
この度、フランスCentre de Recherche en Nutrition HumaineのElizabeth Benz氏らは、オランダのRotterdam Studyを利用して、サルコペニアとサルコペニア肥満(SO)に該当する高齢者を同定し、サルコペニアではない高齢者と総死亡リスクを比較するコホート研究を行い、サルコペニアやSOの人は死亡リスクが高かったことを、2024年3月25日のJAMA Network Open誌電子版にて報告しています。
著者らは、サルコペニアとSOは高齢者に少なからず存在し、総死亡リスクの増加と関連が見られたと結論づけ、サルコペニアの初期に認められる筋力の低下を指標にすれば、生活改善を中心とする介入で、死亡リスクを減らせる可能性が示唆されたと述べています。
ところで、サルコペニアを発症するひとつの原因として、骨格筋に豊富に存在するミトコンドリア数の減少や機能異常がよく知られています。
その他にも、ミトコンドリアの減少と疾患との関係は良く知られていることから、健康を維持していく上で、細胞内のミトコンドリアを増やすことや、活性化させることが有用であると考えられます。
最近、細胞内のミトコンドリア新生作用として注目されているNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)が注目されていますが、NMNよりも三菱ガス化学が製造する「BioPQQ」の方がはるかに効果が高いことがin vitroで確認され(約1000倍)、ミトコンドリア新生作用と活性化作用が期待されるサプリメント成分として「BioPQQ」がにわかに注目を集めています。
「BioPQQ」を用いた研究では、その他にも「睡眠の質改善作用」、「健康な中高齢者に対する注意力やワーキングメモリーの維持作用」、「ストレス改善作用」など多数の研究報告がされています。