本年の7月8日~9日の2日間、北海道札幌市において、「統合医療機能性食品国際学会 第31回年会(ICNIM2023)が開催されました。
本年もAHCCをはじめ、アスパラガス抽出物などの研究成果が多数報告されましたが、中でもコロナウィルス感染に関する報告が多かったのが印象的です。
今回は、その中からいくつかご紹介させて頂きます。
まずはじめに、マウスを用いた研究になりますが、SARS-CoV-2感染1週間前から経口投与させたマウスにAHCCを経口投与し、何も処理していないマウスと比較すると、肺の炎症の減弱とウィルス量の減少が確認されました。また、AHCCを投与したマウスの死亡率も有意に減少させました。
これらは自然免疫および獲得免疫の一部であるT細胞応答の促進を介してCOVID-19感染に対する宿主抵抗性を高めた結果と報告されています。
また、日本医療大学病院の石田らのCOVID-19療養終了後に中枢性後遺症関連愁訴を有する患者に対する研究では、AHCC摂取群はプラセボ摂取群と比較して、症状が改善した割合が高く、特に倦怠感やだるさが軽減されたことを報告しています。
さらに、インドネシアのラブアン・バジ病院でのコロナ後遺症患者90名を対象とした研究では、AHCC摂取群は対象群と比較して肺機能が良好で、3ヶ月間摂取後の咳の改善は対象群が37.5%であったのに対してAHCC摂取群は94.1%でした。
神経症状については、対象群の方は3ヶ月目でも13.7%の方に見られましたが、AHCC摂取群ではまったく見られませんでした。
これらのことからもコロナウィルスに対する健康維持の立場からもAHCCの摂取は有用であると考えられます。
AHCCは以前より、免疫力を高める機能性食品といて医療現場でも患者さんに使用されている実績があり、中でもがん患者さんに有用であることはよく知られています。
この度のICNIM2023でも、その他にAHCCのがん患者さんに対する多くの研究報告がありました。
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ICNIM2023 ~ AHCCのコロナウィルスに関する話題を中心に ~
麹菌発酵大豆培養物「イムバランス」~ 慢性子宮内膜炎に対する効果を確認 ~
イムバランス(麹菌発酵大豆培養物)は、味噌用麹菌を用いて独自の技術により脱脂大豆を発酵させて得られた物質で、これまでの研究では小児アトピー性皮膚炎に対する効果をはじめ、花粉症などのアレルギー疾患に対する有用性や「NASH」抑制効果、慢性腎不全に対する有用性、免疫不均衡に対する難治性不妊症に対する有用性など、様々な効果が報告されています。
この度、さらに第67回日本生殖医学会総会で慢性子宮内膜炎に対する効果について発表がありましたのでお伝えさせて頂きます。
先生方もご存知のとおり、子宮内膜炎は子宮内膜において持続的な炎症を伴う疾患で、細菌やウィルスの感染が主な原因と言われ、反復着床不全や習慣流産などを引き起こす場合もあり、正常な妊娠の妨げとなっています。
一方で、子宮内膜炎の原因や発症機序は十分に解明されているとは言えず、現状では抗生物質を用いた治療にとどまっています。
しかし、抗生物質の投与で効果が得られない場合も珍しくありません。
そこで抗生物質投与で効果が得られない場合に、代替治療の確立が望まれていました。
東京都の杉山産婦人科新宿(院長;中川浩次氏)らは、慢性子宮内膜炎の着床不全患者に「イムバランス」を投与し、慢性子宮内膜炎の改善効果と臨床妊娠率を調べた結果、それぞれの効果が確認され、その結果を第67回日本生殖医学会総会で発表しています。
これらの効果は、「イムバランス」投与により腸内細菌叢のバランスが改善された結果と推測されていますが、抗生物質1クール投与後、および2クール投与後において改善しなかったCD138の個数が、いずれも「イムバランス」投与によって改善したことを確認しました。
さらにこの効果は、「イムバランス」投与2週間という早期で確認できたことから、「イムバランス」は、慢性子宮内膜炎による不妊治療に有用であると思われます。
まだまだ知られていない腸内細菌叢のバランスの改善効果は、様々な疾患に有効に働くものと思われますが、腸は第二の脳(セカンドブレイン)と呼ばれる意味も徐々に詳細が明らかになり、今後さらに疾患と腸内細菌叢との関係がわかってくる予感がします。
「BioPQQ」の新たな機能性~ 若年層にも認知機能の柔軟性・実行機能改善効果を確認 ~
ピロロキノリンキノン(PQQ)は、酸化還元酵素の補酵素の一つとして、1979年に発見された水溶性キノン化合物で、「BioPQQ®」(三菱ガス化学株式会社製造)は、日本でも2014年に機能性食品素材として認められ、2018年には欧州委員会よりNovel Foodとして指定を受けています。
「BioPQQ®」は、長年にわたり三菱ガス化学株式会社と国内外の大学や研究機関と共同研究が進められており、これまでにミトコンドリア新生作用、認知機能改善効果、脂肪蓄積抑制をはじめとした多様にわたる効果が見いだされています。
PQQの中高年層への認知機能改善効果はよく知られており、当社でも「思いやりのPQQ」という商品名で、「本品にはピロロキノリンキノン二ナトリウム塩を含んでいます。ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩は、健康な中高齢者に対して、認識能力の一部である注意力及びワーキングメモリー(得られた視覚情報を短時間で認識し、同時に正しく処理し行動に移す能力)の維持に役立つことが報告されています。」という表示内容で機能性表示食品として消費者庁に受理されています。
さて、このPQQに若年層においても認知機能の柔軟性と実行速度などの認知機能改善効果があることが確認され、その研究成果は「Food & Function」に掲載されました。
また、機械学習を使用した解析でも認知機能改善効果が確認されたことから、今後eスポーツ分野や学習者向けサプリメントへの展開が期待されます。
さらに、「BioPQQ®」は国際的なアンチドーピング認証である「インフォームド原材料」の認証も取得していますので、アスリート向け食品としても利用できることも含めて、第三者による品質評価がなされた安心・信頼のブランドとしての国際認証を取得していることから、今後多くの方々の健康の維持・増進に役立つものと期待されます。
医療機関でのサプリメント・スキンケア等の販売は可能です!
医療機関でサプリメントやスキンケア等を販売することは違法だと思われている医師も少なくないようです。その主な理由は「混合診療にあたるから」というものです。
そこで、2014年厚生労働省医政局総務課より事務連絡が発せられ、翌年には再度、厚生労働省保険局医療課長より、「日本医師会・日本歯科医師会・日本薬剤師会」などの日本医療界を代表する関係40団体と地方厚生局医療の医療課長宛に「医療機関におけるコンタクトレンズ等の医療機器やサプリメント等の食品の販売について」という通達文書が発せられていますので、その内容をお伝えさせて頂きます。
そこには「医療機関において、コンタクトレンズ等の医療機器やサプリメント等の食品の販売を行うことは、当該販売が、患者のために、療養の向上を目的として行われるものである限り、以前から可能ですので、適切に取り扱われますよう、お願いいたします。」と書かれています。
即ち、政府の掲げる「健康長寿社会実現」の一環として、医療行為の「付随業務」として患者のために、療養の向上を目的としている場合であれば可能ということになります。
逆に言えば、「患者のために、療養の向上を目的としていない場合」のサプリメントやスキンケアの販売はできません。
現在、医師が療養の向上を目的として医療機関で取り扱われている主な商品は、
①脳機能予防・改善関連サプリメント
②不妊治療補助や、子宮内膜症・子宮内膜炎など女性疾患関連サプリメント
③加齢性黄斑変性症などの眼科疾患関連サプリメント
④がん患者さんに対する免疫向上関連サプリメント
⑤血栓予防・血流改善を目的としたサプリメント
などがあります。 (①~⑤すべてに、医療機関関連施設専用商品があります。)
なお、当社では先生方に在庫管理の手間を省くため、当社から患者様宅に直送させて頂き、代金の回収も当社が行い、先生方にはご紹介手数料という形でお振込みさせて頂くシステムも導入しています。
この場合は「患者のために、療養の向上を目的としているかいないかに関わらず患者さんに推奨することが可能」となり、しかも在庫を抱える必要もないことから、先生方にも喜ばれているシステムとなりますので、念のためあわせてご案内申し上げます。
「PQQ」は今話題の「NMN」より遥かに有用かも知れない?
いま、健康長寿を意識している方の間で話題になっている成分のひとつが「NMN」。
すでにご存知の先生方は、患者様にもご使用されているかも知れません。
それではなぜ「NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)」が次世代の健康成分として、それほど
話題になっているのでしょうか?
それは、長寿遺伝子としてのサーチュイン遺伝子の研究が進み、ブドウ果皮に含まれる成分
「レスベラトロール」がサーチュイン1遺伝子を活性化するということをNHKの番組でも取り上げ
られたことに端を発し、その研究に携わっていた米国ワシントン大学医学部の今井教授が
NMNが体内でNADという補酵素に変換され、サーチュイン1遺伝子を活性化し、老化抑制や
様々な健康維持に役立っていることを見出し、今ではなんと臨床試験も始まっていることなど
から、マスコミでも頻繁に取り上げられるようになったことによります。
一方、今井教授によれば、最近「NMN」配合サプリメントがたくさん市販されていますが、生体
に存在しない不純物が混入しているものを含めて、その品質は玉石混交であると警鐘を鳴らし
ています。 品質の確認には十分な注意が必要と思われます。
NMNがサーチュイン1遺伝子を活性化する理由として、ミトコンドリアを活性化することによると
考えられていますが、ミトコンドリア活性化といえば、最近「PQQ」という成分が注目を集めてい
ますのでご紹介させて頂きます。
PQQのミトコンドリア活性作用は、「レスベラトロール」よりも500~1000倍も強く、「NMN」との比
較においても同様に1000倍程度強いことがわかっています。(in vitro)
しかも、三菱ガス化学が製造するPQQ(BioPQQ)は世界中でも審査が厳しいことで知られて
いるヨーロッパの「ノーベルフーズ」として指定されるなど、人に対する安全性が保障されてお
り、安心して使用できる食品素材です。
BioPQQ配合サプリメント「思いやりのPQQ」は、PQQを関与成分とした機能性表示食品として
国内ではじめて消費者庁に認可された商品です。
PQQを先生方にご理解頂くために!
ピロロキノリンキノンは、酸化還元酵素の補酵素のひとつとして1979年に発見され、長年にわたる国内外の研究により、様々な機能性が報告されています。
なかでも注目されているのが「ミトコンドリア新生・活性化用」です。ミトコンドリアと健康との関わりについては、最近の研究で今まで知られていなかった多くのことが解明されはじめている分野です。
それらの研究成果をはじめ、正しくPQQについてご理解頂くために、ホームページアドレスをお知らせさせて頂きますので、ぜひご覧いただけまますようよろしくお願い申し上げます。
このページにある「BioPQQ」は、食品素材として国内で唯一認められているものです。最近では、例えば中国製の素材も市場に出回り始めているようですが、国内では食品素材として認められた原料ではございませんので、ご参考までにお伝えさせて頂きます。
ホームページアドレス https://biopqq.jp/
当社が販売する「思いやりのPQQ」は、この「BioPQQ」と、体内でヒートショックプロテインを増やすことで知られている「アスパラガス抽出物」を配合した製品です。
アスパラガス抽出物~認知機能に関するヒト臨床試験がスタート~
「アスパラガス抽出物」について、日本医療大学認知症研究所は株式会社アミノアップと提携し、認知症に対する臨床試験をスタートさせました。
アスパラガス抽出物は、体内でヒートショックプロテイン(HSP)を誘導する働きがあることが知られており、睡眠リズムをサポートする機能性食品の関与成分としても知られています。
また、基礎研究において脳機能のうち、作業効率や計算能力を向上させることがヒト試験において報告されています。
慢性腎臓病進行抑制効果が期待できるサプリメント
慢性腎臓病は、20歳以上の日本人の8人に1人の割合で罹患している新たな国民病と言われていますが、初期にはほとんど自覚症状がなく気づきにくい病気で、進行すると血液透析や腹膜透析などの透析治療が必要になってくる怖い病気です。
最近、9万人以上のデータを解析したところ、糖尿病治療薬として使用されている「SGLT-2阻害剤」が、慢性腎臓病の進行を37%も低下させ、その効果は糖尿病の有無で違いはなかったことを医学雑誌「ランセット」に掲載され、「SGLT-2阻害剤」が腎臓病の進行予防にも有効な可能性が指摘され注目を集めています。
一方、サプリメント領域では、ニチニチ製薬と大阪公立大学、京都府立大学との共同研究成果として、「FK-23菌」及び「LFK」の慢性腎臓病進行抑制効果について特許を取得しています。
本特許の実施例では、慢性腎臓病モデルラットを、通常食、FK-23食、LFK食の3群にわけ、発症2週間前から自由摂食させて、発症8週間後に腎臓を摘出して形態学的および生化学的解析を行いました。
その結果、FK-23投与群、LFK投与群のいずれも通常食群に比べて腎臓組織の線維化が顕著に少ないことがわかりました。さらに、線維芽細胞の出現も抑えられていました。
また、BUNやクレアチニンも有意に上昇が改善されていました。
これらの結果を踏まえて、慢性腎臓病罹患者に明るいニュースとなるものと思われます。
LFKは、ニチニチ製薬と東京大学との共同研究により、がん転移抑制効果が確認されており、
特許取得されたことを参考までに追記させて頂きます。
麹菌発酵大豆抽出物「イムバランス」「子宮内膜炎の改善のための組成物およびその製造方法」特許出願を中心に!
この度、医療機関向け専用サプリメントのひとつ、麹菌発酵大豆培養物「イムバランス」について、東京都新宿区の杉山産婦人科新宿で患者さんへの使用経験において子宮内膜炎の改善が確認されたことにより、「子宮内膜炎の改善のための組成物およびその製造方法」について特許出願されました。
子宮内膜炎は、子宮内膜において持続的な炎症を伴う疾患で、反復着床不全や習慣流産などの原因にもなり、正常な妊娠の妨げとなっています。
子宮内膜炎を発症する主な原因は、細菌やウイルスの感染と言われていますが、その発生機序はまだ十分に解明されていないのが現状です。
この度イムバランスの子宮内膜炎改善を目的とした臨床研究を実施した杉山産婦人科新宿の中川浩次院長は、「イムバランス投与によって慢性子宮内膜炎の改善が確認され、その結果、妊娠率も大幅に向上した。イムバランスが抗生物質以外の慢性子宮内膜炎の治療法の選択肢の一つになり得ることが示唆された」とコメントされています。
イムバランスを製造しているニチモウバイオティクス株式会社では、医療機関向けサプリメント麹菌発酵ダイゼインリッチ大豆イソフラボンサプリメント「Dr.AglyMax(ドクターアグリマックス)」も製造していますが、「Dr.AglyMax(ドクターアグリマックス)」も不妊治療への臨床応用が行われており、「Dr.AglyMax(ドクターアグリマックス)」の不妊治療の活用事例としてYouTubeで紹介されています。
https://youtu.be/N3DuBLHwoe4
北海道大学大学院医学研究院でAHCCのHPV陽性患者への臨床試験実施が決定!
昨年9月号で、米国テキサス大学医学部ヘルスサイエンスセンターのジュディス・スミス教授らの研究により、医療機関向けAHCCの継続的摂取により、免疫系が補完されヒトパピローマウイルス(HPV)感染を消失できる可能性を第Ⅱ相臨床試験で確認し、論文掲載されたことをお伝えしました。
この発表をうけて、北海道大学大学院医学研究院の渡利英道教授らは、AHCCがHPVを排除する医学的効果をさらに検証するため、HPV陽性被験者を200人規模まで大幅に増やして、臨床研究を推し進めることを決め、3~4年後を目安に、研究結果について論文報告を行う予定とのことです。
(テキサス大学の臨床試験については、9月号を参考になさってください。)
子宮頸がんは、HPVの持続感染が主な原因とされ、国内では毎年約3,000人の方が子宮頸がんで命を失っています。
一方、HPV持続感染が数年間続く患者は、現状では有効な治療方法はないとされているため、HPV感染後にAHCCを摂取することによりHPVを排除できる可能性が高まるとすれば、その臨床的意義も大きいものと言え、北海道大学大学院医学研究院の渡利英道教授らも、北海道新聞の取材に対して「HPVに対するAHCCの効果を検証できれば、持続感染者の治療として大きな意味を持つ」と述べられています。
AHCCのHPV持続感染者に対する今後の研究成果に大いに期待されるところです。