イムバランス(発酵大豆培養物)は、これまでにアトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー性疾患の有用性について複数の研究結果が報告されています。
その他にも慢性子宮内膜炎による着床不全患者への投与で慢性子宮内膜炎の改善および臨床妊娠率の向上の報告など多くの機能性を有しているサプリメントです。
イムバランス(発酵大豆培養物)のその他の機能性として、ハーバード大学との共同研究において、認知機能改善の可能性のあることが示唆されました。
この研究は、認知機能障害モデルマウスを用いた研究で、神経炎症を阻害し、エネルギー代謝を向上させ、腸内細菌叢を改善させることにより、認知機能を改善させることができる可能性を見出しています。
認知機能の低下は、加齢ならびに神経変性疾患、糖尿病、慢性腎臓疾患などの特定の疾患と関連しており、厚生労働省研究班の調査によると、65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人は推計15%で、2025年には730万人に達し、なんと65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると推定され、大きな社会問題として注目されています。
一方で認知機能改善に向けて医薬品の研究開発が継続されていますが、未だに有効な治療薬は見当たりません。
そのような中で、認知症発症の予防という立場から、この度ご紹介したイムバランスのようなサプリメントの使用は重要な位置づけになってくるものと思われます。
Posts in category 代替医療通信
イムバランス(発酵大豆培養物)と認知症
日本人の食文化を見直そう!~緑茶の認知症予防~
日本人は、健康長寿を考えるうえで素晴らしい食文化をもっています。
例えば、お魚のDHA・EPAや、豆類のイソフラボン、海藻類のフコイダン、キノコ類のβグルカンなど、言い始めるときりがありません。
また、一般に緑茶などに含まれる「ポリフェノール」は、認知症予防に有用であることは既によく知られていますが、今回はその一部について最近の論文からお伝えいたします。
昨年9月に論文が掲載された、英国のクイーンズ大学ベルファスト校が英国の約12万人を対象とした、ベリー類、緑茶、紅茶、赤ワイン、ダークチョコレートなどに含まれるフラボノイド摂取量と認知症リスクの関係について実施した調査でも、フラボノイドが豊富な食品を日常的に摂取することで認知症リスクを大幅に低減することが示唆されています。
国内においても認知症の無い65歳以上の日本人の約9000人を対象とした、金沢大学医薬保健学総合研究科脳神経内科学の柴田修太郎氏らのグループが実施した調査において、緑茶の摂取量が多いほど脳白質病変容積が小さい傾向にあり、緑茶の摂取量が認知症の予防につながる可能性について本年1月に掲載された論文で報告しています。
この研究から著者らは「緑茶にはエピガロカテキンガレードが含まれており、抗酸化作用や血圧低下作用などにより、脳白質病変が縮小した可能性がある」と考察しています。
また、脳白質病変は血管性認知症やアルツハイマー型認知症と密接な関係があることから、緑茶の摂取が認知症予防に役立つ可能性があるとまとめています。
緑茶飲用の文化ある日本人ではありますが、最近では緑茶以外のお茶を飲用する方が増えていることや、肉類など欧米文化の食事が主流となりつつある印象ではありますが、改めて日本人の食文化を、健康医長寿の立場から見直していくことも大切かも知れません。
どうしても日常生活の中で偏りが生じる場合は、適切なサプリメントなどで補う方法も良いかも知れません。
コーヒーを飲むなら「モーニングコーヒー」
今回は、いつもの代替医療健康食品通信と違った観点から、身近な嗜好品「コーヒー」についてお伝えいたします。
緑茶を飲用する文化の日本人ですが、コーヒーの香りのリラックス効果も相まって、今では一人当たり1日約1杯の消費があると言われています。
特に食後のコーヒーはホッと一息するものです。
コーヒーの健康効果と言えば、コーヒーに含まれるカフェインによる覚醒効果や利尿作用は誰もが知っていますが、その他にもコーヒーに含まれるポリフェノールの一種である「クロロゲン酸」の作用による認知症の予防・改善効果をはじめ、食後血糖値の上昇抑制作用、肝機能改善作用、さらにはアメリカでの40万人以上の健康調査の結果からコーヒーの飲用によって死亡リスクが低下するとの論文が2012年に掲載されたことなどから死亡率改善作用などでも注目されています。
コーヒーの飲用と死亡率の改善については、国内においても岐阜大学大学院の山川路代氏らが高山市で実施した高山スタディにおいてもコーヒーの飲用と全死因死亡および心血管疾患による死亡と逆相関していることを報告しています。
このようにコーヒーには多くの健康効果がありますが、いつ飲用するのが効果的かというコーヒー飲用のタイミングについては明らかにされてきませんでした。
そこでアメリカのテュレーン大学の研究グループでコーヒーを摂取する時間帯と死亡との関連を調べる研究が行われ、朝型摂取群では非摂取群と比較して最も死亡リスクが低下したことを報告されています。
その他にも、コーヒー摂取量と摂取タイミングと糖尿病患者の慢性腎疾患リスクとの関連性を調べた研究では、早朝から午前中の摂取が有意にリスクを低下したという報告や、カフェイン摂取とうつ病リスク低下と関連では、朝の時間帯(5時~8時)にカフェインを摂取した人は、そうでなかった人と比較してうつ病有病率が低いことなども報告されています。
このようなことからも、どうやらコーヒーを飲むなら「モーニングコーヒー」が良いと言えそうです。
今回は、サプリメント素材には関係のない話題をお伝えしましたが、たまにはホッと一息、忙しい毎日に「モーニングコーヒー」や、食後のコーヒーブレイクも良いかも知れません。
AHCCの肝線維化進行抑制の可能性について!
AHCCは30年以上前から医療現場で特にがん患者さんに対する補完代替医療分野の健康食品として使用されている実績があり、現在も世界100以上の国や地域で医療機関や大学などの研究機関との共同研究が継続されています。
今までの研究成果から免疫力を高める作用の詳細も徐々に明らかになる中で、抗がん剤副作用軽減効果などのエビデンスが蓄積されています。
この度は、大阪公立大学大学院医学研究科機能細胞形態学の宇留島隼人准教授らとの共同研究において、AHCCが肝星細胞の活性化を抑制することで肝線維化の進行を抑える可能性が示唆されましたのでお伝えさせて頂きます。
この研究内容は、国際学術誌「American Journal of Physiology Gastrointestinal and Liver Physiology」のオンラインに掲載されています。(https://doi.org/10.1152/ajpgi.00134.2024)
肝臓に長期間炎症が続くと肝線維化が引き起こされ、最終的には致死的な肝硬変に進行していきますが、現時点で肝硬変に対する有効な薬剤はありません。
また、世界の3~4人に一人が肝線維化の前段階である脂肪肝であることが報告されていますので、肝線維化の進行を抑えることは意義深いことと言えます。
今までにもAHCCの肝保護作用は知られていましたが、肝線維化進行に対する作用はよくわかっていませんでしたので、宇留島隼人准教授らは、モデルマウスを用いてAHCCの作用を検討したところ、AHCCが肝星細胞の活性化を抑え、肝線維化の進行を抑制していることが確認されました。
宇留島隼人准教授は、「肝臓は沈黙の臓器で病態がかなり進行して初めて症状が出る場合が多いです。積極的に健康診断を受診し、肝線維化を早期発見して生活習慣の改善に取り組むことが重要です。今後はより信頼度の高い科学的エビデンスの構築のために、肝線維化患者に対するAHCCの効果を確認する臨床試験実施を目指してまいります。」とコメントしています。
国内初!「腸内細菌移植療法臨床試験」
今回は国内初となる消化器がん患者さんを対象とした腸内細菌叢移植療法の安全性と有効性を目的とした、切除不能進行・再発食道がん・胃がん患者さんを対象に開始された臨床試験の話題を、国立研究開発法人国立がん研究センターホームページから抜粋して
ご紹介させて頂きます。
(https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2024/0809/index.html)
この臨床試験は、国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院と順天堂大学、大学発ベンチャー企業メタジェンセラピューティクス株式会社が実施するもので、2024年8月より「胃がん・食道がん患者に対する免疫チェックポイント阻害薬と腸内細菌叢移植併用療法」について、安全性と有効性を検討するものです。
この試験の背景は、近年では腸内細菌叢の研究は大きく進展し、様々な疾患との関係やヒトの免疫機能への影響が明らかになりつつある中、海外では腸内細菌叢に着目した治療の開発が進んでおり、がん領域の腸内細菌叢移植研究では、免疫チェックポイント阻害薬による治療効果が得られない悪性黒色腫の患者さんに対して、腸内細菌叢移植によりがん免疫が増強され、治療奏功割合が改善される可能性を示唆した報告がされています。そんな中で、国内では、様々ながん種の中で、2020年に食道がんは約2.5万人が新たに診断され約1.1万人が亡くなりました。また、胃がんは約11万人が新たに診断され約4.2万人が亡くなっています。
食道がんや胃がんの治療においては免疫チェックポイント阻害薬により治療の選択肢が広がっている一方で、治療効果が得られない患者さんに対する新たな治療法が待ち望まれていますんので、この度の臨床試験がその一助となれば、毎年多くの方が亡くなられている食道がん、胃がんの患者さんに朗報になるものと思われます。
このように、やっと国内でも腸内細菌叢に関する研究が注目されるようになってきました。今後は、がん免疫だけでなく、「脳-腸相関」の立場から、腸内細菌叢と病気の関係はますます重要になってくるものと感じますので、今後の研究成果の報告に期待したいものです。
AHCC 臨床研究が着実に進む!~特定臨床研究を中心に~
医療機関向けAHCCは、補完代替医療の一環として、かねてより臨床の現場でも治療の補助として使用されており、高い評価を頂いている健康食品のひとつです。
AHCCの基礎研究報告はもちろんのこと、臨床報告の積み重ねの中、今では特定臨床研究も行われています。
特定臨床研究とは、2018年に施行された「臨床研究法」に基づき、厚生労働省が認定した倫理委員会で審査が行われ、当局が管轄する臨床研究データベース(jRCT)に登録され、公表されているものです。
「jRCT」のページでAHCCを検索すれば、例えば、関西医科大学附属病院の「切除不能膵癌に対するAHCC投与第Ⅱ相比較試験」や、北海道大学大学院医学研究院(北海道大学病院)の「AHCCの尿路上皮癌における化学療法の骨髄抑制軽減効果を検討する臨床研究」、「AHCCによるレンバチニブ療法の副作用軽減効果の検討」、「AHCC摂取によるヒトパピローマウイルス消失効果を検証する研究」などが公表されています。
この度、これらの特定臨床研究についての詳細や、その他AHCCの研究についての概略などを北海道FM放送(FMアップル「香るパラダイス(2024年5月13日放送)」の中で紹介されています。ぜひ、ご覧いただければと思います。
(YouTube(https://www.youtube.com/watch?v=dIozqob_vM&t=156s)参照)
医療機関向けAHCCは、このように厳しい基準にそって質の高い臨床研究が行われている健康食品であることから、先生方も自信をもって患者様に推奨して頂けるもののひとつと思います。
ビタミンDのがん免疫を促進する意外なメカニズム
7月の代替医療健康食品通信で、「脳-腸相関」についての研究が本格的にすすみはじめ腸内細菌のかかわりについても少しずつ明らかになりつつあることをお伝えしました。
今月号は、それにも関連した話題にはなりますが、「ビタミンDのがん免疫を促進する意外なメカニズム」についてお伝えします。
ビタミンDは、骨代謝にかかわるビタミンとしてよく知られていますが、日光を浴びることにより体内で合成することもできるビタミンであることから、あまり注目されていませんでした。
しかし、まだまだエビデンスに乏しいものもありますが、パーキンソン病やアルツハイマー型認知症の予防改善の可能性の他、免疫力を高める作用が知られています。
免疫力を高める作用については、核内受容体に結合して様々な分子の転写を促進することによるという考えもありましたが、腸内上皮細胞に作用しBacterioides fragilisという細菌が腸内で増える結果、がん免疫が増強されることがわかり、科学雑誌「Science」(4月26日号)で報告されました。
ビタミンDで上皮が刺激されることでおこる腸内細菌叢の変化を調べたところ、Bacterioides fragilis のみが増加しており、Bacterioides fragilisを正常マウスに移植するとがん抑制が誘導され、この効果はビタミンD欠損食で消失することを確認しています。
人間のデータベースからビタミンD受容体の感受性が高い患者さんはがんの生存率が高いことや、ビタミンD濃度の低い患者さんはがん発生率が高いなどが知られていますが、Bacterioides fragilisの関与についてはまだ明らかにされていません。
ビタミンDの作用については、最近、東京慈恵会医科大学の研究で、ビタミンDサプリメントの摂取と癌死亡率低下の可能性についても発表されています。
統合医療を実践する医師の中でも、免疫力を高めることが期待できる健康食品とともに、ビタミンDなどを含む総合ビタミンの摂取を推奨しているグループもあります。
ビタミンCの抗酸化作用などを含めていままでにもよく知られている作用に加えて、いままで知られていなかったビタミンの様々な作用が発見されています。
例えば、ビタミンB2は、ミトコンドリア活性作用が知られるようになりました。
ミトコンドリア活性作用で期待できる作用として、認知症やパーキンソン病の予防・改善作用、がん細胞のアポトーシス誘導作用などの他、実に様々な作用が期待できます。
がん補完代替医療を実践されている方は、コスト的にも負担が少ないことから可能であれば総合ビタミンサプリメント、または総合ビタミン配合の医薬部外品の摂取も併せて考慮しても良いかも知れません。
腸内細菌と病気の予防と治療の関係~ 今後の研究の進展に期待! ~
脳と腸は常に情報を交換しあってお互い影響を及ぼすことが徐々に解明され、やっと最近になって「脳-腸相関」についての研究が本格的にすすみ始めています。
その中で、腸内細菌のかかわりについても少しずつ明らかになりつつあり、どの腸内細菌がどのような疾患にかかわっているかというところまでわかりはじめてまいりました。
しかし、まだまだわかっていないことの方が多いというのが現況です。
乳酸菌が免疫力を高める作用が期待できることはすでによく知られていますが、それ以外にも、睡眠や抗アレルギー作用に乳酸菌入り飲料やヨーグルトが発売されていることからもわかるように腸内細菌は様々な疾患とかかわりをもっています。
そもそも脳腸相関における腸内細菌のかかわりが世界でも注目されるようになったのは、腸内細菌を持たない無菌マウスを用いた研究報告が発表されてからです。
無菌マウスは腸内細菌を持つ通常マウスに比べ、ストレスに対して過敏であること、脳の神経系を成長させるための因子が少ないことなどが分かり、無菌マウスに通常の腸内細菌を移植すると多動や不安行動が正常化するという報告などから、腸内細菌はストレスの感じ方や脳の神経系の発達・成長、そして行動に関わる存在であることが示唆されています。
さらに最近の研究で、がん免疫治療薬(オプジーボなど)と腸内細菌とのかかわりについても知られてきました。
がん免疫療法は、手術・放射線・抗がん剤治療に続く「第4のがん治療法」と言われており、抗がん剤や分子標的薬などと比べても、がん免疫治療薬の効果が出て3年間生きられると、5年、10年と再発が抑えられる可能性が高いと言われています。
その中で、腸内細菌叢の環境を整えることでがん免疫治療薬の効果を高める可能性について昭和大学医学部で研究が進められています。
昭和大学医学部で研究されるようになったきっかけは、「腸内細菌の違いによって、がん免疫治療薬の効果が左右される」というマウスを使った研究報告でした。
同じ種類と同じ週齢のマウスであるのに、飼育先の会社によってがん免疫治療薬の効果が違うことに気づいた海外の研究チームがその原因を探ったところ、餌などの飼育環境の違いによって治療薬の効果を左右していることや、無菌マウスにがん免疫治療薬を与えても治療効果が現れないことがわかりました。
これをきかっけにヒトでも検証を重ねた結果、がん免疫治療薬の治療効果のなかった患者の腸内細菌に比べて、治療効果のあった患者の腸内細菌は多様性に富んでいることや、治療前に抗生物質を服用している方はがん免疫治療薬の効果が現れにくいことなどがわかりました。
さらに、昭和大学の研究チームデータ分析から、オプジーボの効果があった患者さんの腸内にビフィズス菌が多いことや、腸内細菌の多様性があったこともわかっています。
まだまだ腸内細菌と病気についての解明は研究途上にありますが、今後ますます解明されていくことを期待します。
腸内細菌と病気についての詳細がまだ明らかになっていない現時点では、日常的に乳酸菌やビフィズス菌入りの飲料やヨーグルトの積極的な摂取、およびオリゴ糖や食物繊維の積極的な摂取などの他、例えばエンテロコッカス・フェカリス菌配合サプリメントの積極的な摂取なども補完代替医療の立場から有用かも知れません。
サルコペニア肥満は総死亡リスクを高める?
サルコペニアは、加齢による筋肉量の減少および筋力の低下により発症し、歩いたり立ち上がったりする日常生活に影響を及ぼし、介護が必要になったり、転倒するリスクが高まるなどの他、各種疾患の重症化や生存期間にも影響することから注目されている疾患です。
この度、フランスCentre de Recherche en Nutrition HumaineのElizabeth Benz氏らは、オランダのRotterdam Studyを利用して、サルコペニアとサルコペニア肥満(SO)に該当する高齢者を同定し、サルコペニアではない高齢者と総死亡リスクを比較するコホート研究を行い、サルコペニアやSOの人は死亡リスクが高かったことを、2024年3月25日のJAMA Network Open誌電子版にて報告しています。
著者らは、サルコペニアとSOは高齢者に少なからず存在し、総死亡リスクの増加と関連が見られたと結論づけ、サルコペニアの初期に認められる筋力の低下を指標にすれば、生活改善を中心とする介入で、死亡リスクを減らせる可能性が示唆されたと述べています。
ところで、サルコペニアを発症するひとつの原因として、骨格筋に豊富に存在するミトコンドリア数の減少や機能異常がよく知られています。
その他にも、ミトコンドリアの減少と疾患との関係は良く知られていることから、健康を維持していく上で、細胞内のミトコンドリアを増やすことや、活性化させることが有用であると考えられます。
最近、細胞内のミトコンドリア新生作用として注目されているNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)が注目されていますが、NMNよりも三菱ガス化学が製造する「BioPQQ」の方がはるかに効果が高いことがin vitroで確認され(約1000倍)、ミトコンドリア新生作用と活性化作用が期待されるサプリメント成分として「BioPQQ」がにわかに注目を集めています。
「BioPQQ」を用いた研究では、その他にも「睡眠の質改善作用」、「健康な中高齢者に対する注意力やワーキングメモリーの維持作用」、「ストレス改善作用」など多数の研究報告がされています。
万病のもと「慢性炎症」~ミトコンドリア機能低下との関係~
ご存知のとおり、「慢性炎症」は、最近では様々な生活習慣病や、がんなどの引き金となる「万病のもと」として注目されています。
急性炎症は、生体防御反応のひとつで、身体にとって大切な反応ですが、サイレントキラーとも言われる「慢性炎症」は、組織の破壊や臓器の機能低下などが、気づかないうちに進行し、様々な病気の原因に係わる厄介者です。
慢性炎症は、内臓脂肪型肥満や加齢などが原因で起こることがわかっていますが、その他にもミトコンドリアの機能低下により、炎症性物質(インターフェロンなど)が増加し、慢性炎症を発生させることもわかっています。
ミトコンドリアは、加齢とともに細胞内の数量が減少すると同時に、その機能が低下することがわかっていますので、慢性炎症の予防・改善の鍵は「ミトコンドリアの新生・活性化」を促すところにあると言えそうです。
広島大学大学院医系科学研究科の森岡徳光教授らの研究によれば、長期的にストレスを与えて、うつ病や不安障害を呈するモデルマウスの脳内で、ミトコンドリアの障害が発生し、炎症性物質のインターフェロンが増加していることが確認されました。そして、インターフェロンの中和抗体を投与することで症状が改善することを報告しています。
森岡徳光教授らによれば、うつ病や不安障害といった気分障害と称される「こころの病」の患者さんは増加傾向にあり、これらの治療は長期間にわたり患者のQOLの低下を招き、医薬品が効かない患者さんも多いことから、インターフェロン中和抗体などの医薬品の開発は新たなターゲットとして期待されるとコメントしています。
一方、ミトコンドリアの活性化により、炎症性物質の増加を抑えることが期待できることが考えられる中で、最近注目されているサプリメント素材「BioPQQ」の機能性のひとつとして「ミトコンドリアの新生・活性化作用」が知られていますので、「BioPQQ」は、うつ病や不安障害といった気分障害をはじめ、万病のもとと言われる「慢性炎症」を抑えることが期待できそうです。今後の研究成果の報告を待つばかりですが、ますます「BioPQQ」の期待は高まってくるかも知れません。