グランヒル大阪の健康スマイル通信
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Posts in category くすりの話

睡眠障害も「生活習慣病」のひとつ!~質の良い睡眠が健康を保つ~

3月04
2023
Written by admin
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厚生労働省の「生活習慣病予防のための健康情報サイト」e-ヘルスネットによれば、日本人、特に子どもたちや就労者の睡眠時間は世界で最も短いことが示されています。
とりわけ、働く女性が増加していることに加えて、家事や育児などにより男性よりも女性の方が寝不足状態にあるようです。
慢性的な睡眠不足は、日中の眠気や意欲低下、記憶力減退を引き起こすだけでなく、ホルモンの分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼすことがわかっています。
例えば、健康な方であってもたった二日間寝不足が続くだけで食欲を抑えるホルモンである「レプチン」の分泌が減少し、食欲を高めるホルモンである「グレリン」の分泌が亢進することがわかっており、食べ過ぎによる肥満を引き起こす可能性が高くなります。
実際に慢性的な寝不足状態にある方は、糖尿病や冠動脈疾患などの生活習慣病に罹りやすいことが明らかになっています。
また、交代勤務に従事している方は、体内時計と生活時計のずれにより脂肪を蓄積して分解を抑えるたんぱく質が発現し、肥満を誘発することも知られています。
交代勤務の他、何らかの要因で、習慣的に「質の悪い睡眠」が続いている方は、肥満だけでなく、様々な生活習慣病罹患のリスクが上がり、さらにうつ病などの精神疾患や認知症発症リスクを高め、かつ症状を悪化させる可能性がありますので、健康維持のために日常から生活習慣病予防のためにもしっかりと質の良い睡眠をとることが大切です。
なお、睡眠障害を放置すると健康を害する様々な状態を誘発しやすくなりますので、睡眠について気になる方は、早めに睡眠専門医師に相談されますことをお勧めいたします。

コーヒーは偉い!

2月04
2023
Written by admin
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過去の「くすりの話」で、「大豆は偉い」、「乳酸菌は偉い」、「魚は偉い」、「緑茶は偉い」など「偉いシリーズ」として数々の話題を紹介してきました。
今回は、「偉いシリーズ」の仲間入りとして、さらに「コーヒーは偉い」をご紹介させて いただきます。
コーヒーと言えば、身近過ぎて「今さら・・・」と思われる方もいるかも知れませんが、ところがどっこい、これがまた最近注目されています。
但し、ご存知のとおりコーヒーにはカフェインが含まれているため、飲みすぎには注意しなければなりません。
多くても1日5杯までとして、食後の1杯を目安として1日3杯程度が適量と考えられています。
さて、コーヒーの健康効果として、まずはカフェインの「覚醒効果」によって頭をスッキリさせる効果や、「利尿作用」による老廃物排出効果、自律神経の働きを高める効果はよく知られていますが、その他にはなんと言っても香りによる「リラックス効果」、「ストレス解消効果」は言うまでもございません。
コーヒーに含まれる成分でカフェイン以外に最近注目を集めているのが「クロロゲン酸」というポリフェノールです。ポリフェノールと言えば、抗酸化作用が強く、活性酸素が引き金となる生活習慣病予防にも大いに役立つことが知られています。
例えばフランス人は油の多い食事を摂っているにもかかわらず心疾患での死亡率が低いのは、ポリフェノールが豊富に含まれている赤ワインを多く飲んでいるからであるという報告が話題となったことがあります。
また、赤ワインに含まれているポリフェノールの一種「レスベラトロール」が長寿遺伝子を活性化することについてNHKのテレビ番組でも紹介されたこともあり、一時は「レスベラトロール」含有のサプリメントが入手しにくいという時期もありました。
このようにポリフェノール類は健康に良いことは知られていますが、実は、コーヒーにも赤ワインに負けないぐらいポリフェノールを豊富に含んでいて、そのポリフェノールの名称が「クロロゲン酸」です。
ここで、「クロロゲン酸」の健康効果をいくつかご紹介します。
習慣的にコーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて心臓病、脳卒中、呼吸器疾患による死亡リスクが低下するという国立がん研究センター予防研究グループの報告の他、クロロゲン酸は体内で代謝されてフェルラ酸という成分に変化しますが、フェルラ酸は、認知症予防・改善効果についてもよく知られています。
また、お茶で有名な伊藤園では、名古屋市立大学大学院医学研究科との共同研究で、マウスを用いた実験で、クロロゲン酸が記憶を司る脳の海馬に働きかけて、認知機能の低下を抑制するホルモンのひとつ「インスリン様成長因子-1」の産生を促進することにより、認知機能を改善することを報告しています。
その他、大腸がんや肝臓がんの予防、内臓脂肪蓄積抑制効果、肥満防止効果や、腸内細菌叢のバランスを改善するという報告などもされています。
このように身近なコーヒーにも健康増進効果が期待できそうですので、朝の目覚めのコーヒー1杯は、健康に良い習慣と言えるかも知れません。

生活習慣の乱れが認知症を引き起こす!

1月07
2023
Written by admin
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生活習慣と一言でいってもいろいろ考えられますが、ここでは認知症予防の立場から考えてみたいと思います。
認知症のなかでも最も多いタイプは、「アルツハイマー型認知症」です。
この「アルツハイマー型認知症」は、脳内に「アミロイドβ」と呼ばれるたんぱく質が蓄積することが主な原因のひとつと考えられています。
実は、この「アミロイドβ」の脳内への蓄積は、なんと20年以上もかけて徐々に蓄積していき、「アルツハイマー型認知症」の発症につながると考えられています。
従って、何も症状のない若い世代のときから脳内への「アミロイドβ」の蓄積を防ぐ生活習慣を心がける積み重ねが、将来的な「アルツハイマー型認知症」発症の予防になると考えられます。
そこで脳内への「アミロイドβ」の蓄積を防ぐ生活習慣について、最近の話題も含めてご紹介します。
まずは「睡眠」です。
睡眠不足でも寝すぎでもなく、適切な睡眠時間が良いようです。
ある研究によれば、認知症発症リスクは、7時間の睡眠に比べて6時間以下の睡眠で1.36倍、8時間以上の睡眠で1.27倍という報告もあります。
また、睡眠は時間だけではなく、中途覚醒をなくすなどの「睡眠の質」を高めることも大切であると言われています。
もう一つは、「糖尿病」を発症しないような生活習慣を心がけることです。
即ち、規則正しくゆっくり噛んで食事をすること、栄養バランスの良い食事をすること、甘い食べ物や飲み物を暴飲・暴食しないこと、適度な運動を心がけることなどを実践しながら日常から血糖値をコントロールすることが大切です。
最近の研究で、糖尿病の方はアミロイドβが蓄積されやすいことがわかってきました。
それは、血糖はインスリンによってコントロールされていますが、役割を果たしたインスリンは、インスリン分解酵素で分解処理されます。実はこのインスリン分解酵素は、アミロイドβも分解する作用があり、血糖値が高い状態が続いてインスリンの分泌量が増えると、インスリン分解酵素はインスリンを分解するのに手いっぱいになってしまってアミロイドβの分解まで手が回らなくなるために、脳内にアミロイドβが蓄積されやすくなってしまうことがわかってきました。
最近では、「糖尿病性認知症」ということもわかりはじめており、注意力が低下し、段取りが悪く、ボーっとする症状が特徴的だと言われています。
以上のように生活習慣とアミロイドβの蓄積は密接な関係がありますので、認知症予防のためにも今一度正しい生活習慣を心がけましょう。

お薬やサプリメント 「過ぎたるは猶及ばざるが如し」

12月03
2022
Written by admin
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サプリメントを利用している方なら「大豆イソフラボン」、「リコペン」、「緑茶カテキン」、「DHA・EPA」、「ルテイン」、「ゼアキサンチン」などの名前を聞けば、ほとんどの方はご存知ではないでしょうか。
これらの成分は「ファイトケミカル」と呼ばれ、身体の老化や生活習慣病と密接な関係のある抗酸化作用を有しているものが多く、その他にも様々な機能性を有していることから植物由来の第7の栄養素として注目されています。
このように植物由来の成分が有用作用を有するのには、それなりの理由があります。
植物は動物と違って動きがとれませんので、例えば日差しが強くなった季節でも日陰に移動することができません。
そこで、自分の身を護るために紫外線による細胞の損傷を防ぐために抗酸化物質を作り出したり、昆虫や微生物の侵入に対抗するために抗菌活性作用を有する物質を作り出したりする必要があり、植物自身が生き延びるために環境ストレスに対抗する物質を作り出しているということです。
日常の食事でも動物性食品だけでなく、野菜や果物など幅広く取り入れることが大切なのは、三大栄養素をはじめとする栄養素の補給だけでなく、抗酸化成分などの補給も大切だからです。
しかし、ここで注意しなければならないのは、いくら身体によい成分だと言ってもたくさんとれば良いのかといえばそうでもないということです。
例えば、最近わかってきたこととして緑茶ポリフェノールは、高用量を毎日摂取し続けると肝臓や腎臓に障害を起こす可能性があることがマウスの実験で明らかにされています。
ファイトケミカルのように、少量(適量)で健康に良い効果を顕すことを「ホルミシス効果」と呼ばれていますが、ホルミシス効果として皆さまの身近で知られているものは「放射線」かと思います。
放射線は、ご存知のとおり大量に浴び続けると癌が発生することはよく知られている一方で、ごく低用量の放射線であれば免疫力が高まりむしろ身体によい効果をもたらします。
放射線のホルミシス効果を利用した癌治療の湯治として玉川温泉などが有名です。
お薬も異物ですが、ファイトケミカルも身体にとっては異物です。
お薬は服用量が少なくても効果は表れませんが、大量に服用すれば副作用が現れることは誰もが知っている事実です。適量を服用した時に適切な効果が現れて症状が改善します。
以上のことから、身体によいという成分であってもむやみに大量に飲用すれば良いというものではないということが言えます。
例えば、免疫力を高めるサプリメントもたくさん販売されていますが、このような健康食品でもある程度の量までは増量は有用と思われますが、一定量以上を服用するのであれば他の食品との組み合わせなどを視野に入れて使用するのが良いと思います。
即ち、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ということを常に心にとめておくことも大切かもしれません。

アンチエイジング(抗加齢)で注目される「NMN」~免疫力の低下を防ぐために日常生活を見直そう!~

11月05
2022
Written by admin
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食生活で最も重要なことは、生命を維持するために必要な栄養素である「糖質・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラル」を摂取することです。
飽食の時代と言われる今日において、これらの栄養素は十分に足りていると思われがちですが、特に若い世代ではファストフードやインスタント食品などを食べることが多くなり、栄養のバランスが崩れがちになっていることに気づいていない方も多いようです。
厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準に対して、性別や年齢を問わずに必要量に達しているのは糖質・脂質・たんぱく質の三大栄養素と言われるものですが、男女ともに年齢を問わず不足傾向にあるのがビタミンとミネラルです。
多くの方は、ビタミンやミネラルが不足しているという認識はないように思いますが、ビタミンやミネラルの中でも、ビタミンA・C・D・E、亜鉛などは特に免疫機能をサポートする栄養素として重要で、野菜やフルーツ、魚類を食べる習慣がない方は、これらの成分が不足がちになりやすいと考えられます。
また、野菜を食べるにしても、ただ食べれば良いというものではございません。
野菜の細胞を取り囲んでいる細胞壁は食物繊維でできているため、吸収をよくするためにはよく噛んで食べることが大切です。
厚生労働省では、野菜は1日350g以上(目安として緑黄色野菜を120g、淡色野菜を230g)食べるように推奨していますが、しっかり噛んでこの量を毎日食べるのは、やはりハードルが高くなりそうですね。
そこで、日常の食生活を見直すことを心がけながら、それを補う形で「マルチビタミン&ミネラル」のようなサプリメントを上手に取り入れることも有用かも知れません。
その他には、最近ではコンビニでも主菜や副菜として1人分ずつ適切な量のものが販売されるようにもなっていますので、これらを利用することも良いでしょう。
ここで注意が必要なことは、このようにいくら食事に気をつけていても、ストレスや睡眠不足などが継続すると免疫機能はダメージを受けることになります。
時間に追われている日常生活の中で、食生活に気配りする以外にも、ゆっくりとお風呂に入ってリラックスすることや、好きな音楽を聴く事、面白い番組を見ること、適度な運動を行うことなどを取り入れて、自分がリラックスできる時間を作る工夫も大切です。
さらにはストレスの軽減や睡眠の質を高めることなどを応援するサプリ、例えば「思いやりのPQQ」を摂取することも有用かも知れませんね。
免疫力の低下を防ぎ、健康維持していくために、食生活をはじめとした日常生活の習慣を見直していくことが、今の時代に大切なことだと思われます。

アスパラガスに秘められた健康長寿効果!

10月08
2022
Written by admin
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仕事などで疲れて家に帰ってからお風呂のお湯に身体を沈めると、思わず「ふ~」と声が出てしまうくらいに、気持ち良くリラックスするものです。
このリラックス感だけでも、自律神経のバランスを整えてくれて、免疫力アップにつながるのですが、お風呂の効果はそれだけではありません。
身体を温めることにより体温が上昇し、体内で「ヒートショックプロテイン(HSP)」というたんぱく質が増えるのですが、このHSPこそが、健康長寿につながる注目の物質です。
ヒートショックプロテイン(HSP)は、細胞が熱や虚血、紫外線、化学物質などのストレスにさらされた時に細胞の修復や保護をするために発現するたんぱく質で、傷ついた細胞を修復する「細胞の修理屋さん」という表現で知られています。
HSPは、その分子量の違いによりHSP60や70、90などに分類されますが、一般的にHSPと言えば、HSP70の事を言います。
さて、体内でたんぱく質が複雑に絡み合って、異常なたんぱく質が蓄積した病気を総称してフォールディング病と言いますが、難病として知られている筋委縮性側索硬化症(ALS)や、アルツハイマー病、パーキンソン病などもフォールディング病と考えられており、HSP70はそれらの疾患により異常なたんぱく質が蓄積するのを防ぐ作用があることが報告されています。
最近の研究では、認知症の原因物質として知られているアミロイドβやαシヌクレインなどの細胞内の蓄積を抑制することも報告されています。
日本人は世界的に健康長寿の国ですが、和食文化(魚類や海藻類、キノコ類などの摂取、緑茶の飲用など)に加えて、お風呂に入る習慣により常にHSPを発現させていることも良い影響を及ぼしていることが原因なのかも知れません。
そのHSPを増やすことが確認された素材のひとつに「アスパラガス抽出物」があります。
「アスパラガス抽出物」の摂取により、より一層健康長寿を目指すのも良い方法かも知れません。

パーキンソン病についての最近の話題!

9月03
2022
Written by admin
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パーキンソン病といえば、ほとんどの方が聞いたことがあると答えるぐらいの一般的な病気です。
高齢者に発症することが多く、脳内の神経伝達物質「ドパミン」という物質が減ってくるため、身体の震えや筋肉のこわばりなどにより転びやすくなる症状を特徴とする病気です。
その治療の基本は、薬物治療が中心ですが、脳内でドパミンに変換する「レボドパ」をはじめとして、脳内の細胞で不足したドパミンを補うことにより症状を緩和することを期待します。
ここで気づく方も多いと思いますが、治療で使われる薬は「症状を緩和する」のであって、「治す」ための薬ではないということです。
実はパーキンソン病の根本的な原因がまだ明らかにされておらず、パーキンソン病の根本的な治療薬はまだありません。これだけ科学が進んでいる世の中であっても原因不明の病気もまだまだたくさんありますが、パーキンソン病もそのうちのひとつです。
現在知られているパーキンソン病発症の主なメカニズムについては、「酸化ストレス説」「ミトコンドリア説」「α-シヌクレイン説」「カルシウム調節異常説」などが知られています。おそらくどれか一つの原因で発症するのではなくて、いくつかの要因が複雑に絡み合って、結果として脳内神経伝達物質「ドパミン」が不足することにより発症するものと考えられます。
「酸化ストレス説」の考え方は、ドパミンの代謝過程で悪玉酸素と言われる活性酸素を発生することがわかっており、その活性酸素が脳細胞に悪影響を及ぼしているのではないかというものです。
「ミトコンドリア説」は、ミトコンドリアはそもそも独立した別の生命体だったものが、私たちの体に入り込んで共生していると考えられており、今まではエネルギーを産生するために大切な細胞内小器官だと考えられていました。しかし、今ではミトコンドリアの研究が進歩し、それだけでなくその他にも様々な重要な働きをしていることがわかってきました。
そこで、パーキンソン病だけでなく私たちの健康維持にはミトコンドリアの機能の低下を防ぐことが重要であると同時に、活発なミトコンドリアの量を保つことが大切と考えられます。
「α-シヌクレイン説」は、α-シヌクレインの塊(凝集体)が、ミトコンドリア機能を低下させ、細胞を死滅させることもわかっています。最近では、「細胞内のゴミ」という表現をされることも多くなってきました。
全くの余談になり恐縮ですが、α-シヌクレインは虫垂に蓄積することが多いと言われ、虫垂を切除している人はパーキンソン病になりにくいという報告もあります。
さて、パーキンソン病発症について様々な説を紹介しましたが、これらの説に対して理論的に有用であると思われる健康成分が「PQQ」です。
最近の「PQQ」の研究の中で、強力な抗酸化作用やミトコンドリア新生・活性作用、α-シヌクレイン凝集抑制作用などが報告されています。
もちろん、これらの研究報告だけでPQQがパーキンソン病を予防・治療できる成分だと言えるものではございませんが、少なくとも私たちの健康維持に有用な成分であることは間違いないものだと思われます。

夏に活躍する”漢方薬”

8月06
2022
Written by admin
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暑いこの時季になると、熱中症での救急搬送については毎日のように報道されるようになってきますが、熱中症予防には特に気をつけたいものです。
なんと言っても熱中症は、致死的疾患で、特に注意しなければならない高齢者は体温の調節がうまくできなかったり、脱水予防のために水分補給をすすめても「のどが渇いていること」がわからない場合もあり、意外にも屋内で熱中症によって倒れるケースも少なくありません。
熱中症を発症してしまった場合は、身体を冷やすことや点滴治療が最優先ですが、予防対策としては、脱水予防効果が期待できる「五苓散(ごれいさん)」という漢方薬も有効と考えられています。
「五苓散」は、脱水予防だけではなく、熱中症から起こる「頭痛」などに対しても効果を発揮すると考えられています。
また、熱中症からの回復期や暑熱障害(いわゆる暑気あたり)による全身倦怠感や食欲の低下、下痢などには「清暑益気湯(せいしょえっきとう)」が良いと言われています。
さらに、暑い夏の夜の睡眠障害も疲労を蓄積してしまう原因にもなりますが、睡眠障害対策には、まずは「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」や「酸棗仁湯(さんそうにんとう)」がお勧めです。
「黄連解毒湯」は、脳が興奮状態にあるときに落ち着かせてくれます。「酸棗仁湯」は、仕事や介護などで疲れて眠れないときに有効です。これらの漢方薬を併用する方法もあります。
これらの漢方薬でも睡眠障害が改善しない場合は、寝る前に「加味帰脾湯(かみきひとう)」を試してみるのも良いかも知れません。加味帰脾湯は、疲れを取り除き、朝の目覚めを良くする効果があると言われています。
このように暑い夏を乗り切るためには、まずは水分・ミネラル成分の補給をしっかり行い、気温が高い日には無理な外出を避け、室内は適度に冷房を入れて、しっかりと睡眠をとることが最も大切なことですが、その上で、熱中症予防対策として漢方薬をうまく取り入れることも良いかも知れません。
暑い夏を乗り切るために、自分にあった方法を、かかりつけ医師と日ごろからよく相談しておくことも大切なことかも知れません。

片頭痛急性期治療薬 約20年ぶりに新薬が登場!~ 片頭痛で悩まされている患者に朗報 ~

7月02
2022
Written by admin
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2022年4月、片頭痛急性期治療薬の新薬「ラスミジタン(商品名;レイボー)」が、約20年ぶりに登場しました。
片頭痛の病態は、片側に拍動性の頭痛が繰り返し生じ、頭痛の他にも悪心や嘔吐を伴うことが多く、日常生活のQOLに大きな支障をきたすことがあります。
その原因は、実はまだ解明されていないことも多い中、1980年代に提唱された「三叉神経血管説」が支持されています。
「三叉神経血管説」とは、顔の感覚を脳に伝える神経である「三叉神経」から脳の血管に、CGRPと呼ばれる神経ペプチドなどの神経伝達物質が放出されることにより、脳血管の拡張や血漿タンパク質の漏出が生じて、神経原性炎症を誘発して片頭痛が発生すると言われています。
近年では、片頭痛予防薬としてCGRPに対する抗体医薬品が臨床現場でも使用され、効果を顕していますが、このことからも「三叉神経血管説」が正しい根拠のひとつとなっていると考えられています。
そこで、片頭痛の急性期治療においては、三叉神経からの神経伝達物質の放出抑制、神経原性炎症の抑制、脳血管の収縮などがターゲットとなっており、現在使用されている片頭痛急性期治療薬「トリプタン系薬剤」もセロトニン受容体に作用し、三叉神経からの神経伝達物質の放出を抑制するとともに、脳血管の収縮作用により片頭痛の痛みを軽減しています。
しかし、コントロールされていない高血圧症の患者や脳心血管系の疾患のある患者さんには、安全性の懸念から投与できないことになっている他、トリプタン系薬剤で十分な効果が得られないこともある点が課題でした。
そのような中で、この度なんと約20年ぶりに、血液-脳関門を通過し、トリプタン系薬剤とは異なるセロトニン受容体に作用し、血管収縮作用を有しない比較的安全性の高いお薬「ラスミジタン(商品名;レイボー)」が発売されました。
ラスミジタンは、すでに米国をはじめ世界7か国(2021年12月現在)で承認されている医薬品です。
国内でのラスミジタンの承認により、安全性の面からも一般内科医師も処方しやすい医薬品となることから片頭痛で悩まされている患者さんに朗報となることが期待されます。

新発見! ビタミンB2の新たな機能!

6月04
2022
Written by admin
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ビタミンB2と言えば、もう100年以上前に発見されている誰もが知っている水溶性ビタミンのひとつです。
そんな身近なビタミンB2ですが、この度、神戸大学バイオシグナル総合研究センターの研究グループにより、ビタミンB2がミトコンドリアを活性化することにより細胞老化を抑制するという新たな機能性について報告されて話題になっています。
なぜ、このことが話題になっているかといえば、細胞老化抑制のメカニズムが、「ミトコンドリアを活性化することによる」というところにあります。
ミトコンドリアと言えば、私たちが生きていくうえで、体内で消費するエネルギーの95%以上を作り出している細胞内小器官であることから、エネルギーの生産工場としてよく知られています。
しかし、ミトコンドリアの機能はそれだけでなく、最近の研究の中でミトコンドリアの新たな機能性について次々と明らかにされてきています。
例えば、ミトコンドリアの機能低下と疾患のかかわりについて、パーキンソン病、認知症、心臓病、糖尿病などの他、がんとの関係なども明らかになっています。
がんとの関わりについて焦点をあてると、健康な人でも毎日数千個のがん細胞が発生しています。
例えばNK細胞などの体内に備わっている免疫機能の働きにより排除されることもありますが、がん細胞の自滅を誘導する「アポトーシス」を促進して排除するというメカニズムもあります。
アポトーシス誘導には様々な因子がかかわっていますが、そのひとつにミトコンドリアが関与しています。
即ち、がん細胞という異常な細胞の細胞分裂を妨げようとするために、ミトコンドリアからチトクロムCという物質を放出してアポトーシスを誘導し、がん細胞を消滅させています。
このようにミトコンドリアの活性化は、私たちの健康と切っても切り離せない関係にありますが、ミトコンドリアは加齢とともに減少していくことがわかっており、老化現象とも深い関りがあるため、健康長寿を保っていくためには、体内のミトコンドリアを増やしていくことや活性化してくことが重要になります。
そんな中で、身近なビタミンB2のミトコンドリア機能低下を改善するメカニズムについて、国際学術雑誌に掲載されたことが専門家の間で注目を集めています。
今後も、ミトコンドリアと健康との関わりについての研究がますます盛んに行われ、新たな知見が次々に得られてくることが期待されます。

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