日本国内のコンビニエンスストアの数は、昨年の3月時点で約5万6000店舗と言われています。
皆さんがお住いの近くでもいくつかのコンビニが思い浮かぶかも知れません。
一方、国内の薬局の数はどのくらいあるかと言えば、令和5年度末の厚生労働省統計によれば、なんとコンビニより多い約6万2000店舗となっています。
都市部では、だいたいの医療機関の近くに薬局があるというイメージかも知れません。
さて、多すぎる薬局をこれ以上増やさないようにするため、本年の4月に予定されている調剤報酬改定で、厚生労働省はついに「新しい薬局を増やしにくい」対策を固めました。
具体的な詳細内容はまだ発表されていませんが、1月23日に行われた「中央社会保険医療協議会」で議論された内容から徐々に明らかになってまいりました。
新たに薬局を開設しようとする場合、周囲50m以内に複数の薬局がある場合や、水平距離500m以内に他の薬局がある場合などの条件が当てはまる場合は、保険請求点数が減算される仕組みを作り、経営が安定しにくいようにして、新規薬局が増えにくい環境を整備しようとしています。
それでも大手薬局チェーンは、問題なく出展していくと予想しますが…。
地域に密着した薬局を守る立場から、もっと早くから様々な必要な対策をとるべき事案だったと感じますが、2月8日に衆議院選挙があったことでふと感じたことは、国会議員が物事を決めるにあたって、だいたいにおいて大企業のトップの方々の意見を参考にしていることです。
従業員2~3名の町工場の方々の意見は全くといってよいほど聞いていないことが多いのではないかと思います。
しかし、実は日本の経済を支えているのは大手企業だけではなく、小さな会社ががんばっているからです。だから小さな企業(個人を含む)の経営が安定できるような対策が必要と感じます。
薬局にしても、個人で経営する小さな薬局より、全国チェーン展開している大手企業を守る仕組みも多々見受けられ、その影響が大きいように感じますが、大企業だけが安定するのではなく、小さな薬局が地域医療に貢献できる社会づくりが大切だと思います。
国の医療費削減対策は大切な課題ですが、大企業の意見を取り入れて大企業が利益を確保して、小さな薬局の保険請求点数を削減して経営を圧迫していくよりも、小さな企業が元気になっていくことの方がこれからの日本を支えていくうえで大切なことではないかと思いますので、医療費削減の中にも地域医療に貢献している薬局にもっと恩恵が与えられるようになればいいのにと感じる今日この頃です。
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多すぎる薬局!
お馴染みの解熱鎮痛剤にも配合されている成分が海外では違法薬物に指定!?
テレビのコマーシャルなどでお馴染みの、誰もが知っている一般市販薬の解熱鎮痛剤の中にも含まれているアリルイソプロピルアセチル尿素という成分が、韓国では2025年4月から「違法薬物」として指定され、韓国への持ち込みが禁止になりました。
アリルイソプロピルアセチル尿素は、鎮痛作用を助ける働きの他、鎮静催眠成分としてもよく知られており、服用すると眠気が生じやすく、習慣性を有する成分で、お薬の乱用にもつながることもあると言われている成分です。
そうは言っても、解熱鎮痛薬の成分として厚生労働省から認可を受けているものですので、適正に国内で使用するのであれば何ら問題になる
ことはありません。
一方で、「頭痛の診療ガイドライン2021」では、一般市販薬の不適切使用として「薬剤の使用過多による頭痛」が問題視されています。
「薬剤の使用過多による頭痛」とは、「頭痛があるからお薬を飲む」ということを繰り返しているうちに、また頭痛が出てくるのではないかという不安感にかられるようになったり、頭痛が生じていなくてもその不安感から予防的に服用するようになり、それが続いてまた頭痛薬を服用するといった悪循環を生じる「頭痛」のことです。
アリルイソプロピルアセチル尿素は、習慣性があるため、「薬剤の使用過多による頭痛」を生じやすいと考えらます。
本来、このような場合は自己判断で薬の服用を続けるのではなく「頭痛外来」など専門医師の受診をすることが大切なのですが、ある調査によれば、「薬剤の使用過多による頭痛」の重症度が高い方であっても、そのうちの約2割の方が受診せずに一般市販薬を服用されているようです。
最近は、スイッチOTCと言って、医療機関で処方される同じ成分の市販薬も多く見受けられ、医療機関を受診せずに自己判断で薬を服用されている方が増えてきていますが、自己判断で薬を使用するのではなく、新しい薬を服用する場合や、服用していても症状が続く場合には、薬剤師に相談し、必要に応じて早めに受診されることをお勧めいたします。
くれぐれも症状の悪化や薬物乱用になりませんように願います。
コーヒーは心房細動を予防できるのか
コーヒーは、紅茶や緑茶などと並び、日本人にもなじみのある飲料ですが、今までコーヒーは不整脈に対して避けるべきであると認識されていた歴史があります。しかし、最近になって必ずしもそうは言い切れないという研究報告も発表されています。
そんな中で、米国のカリフォルニア大学、カナダのトロント大学、オーストラリアのアデレード大学などが共同で実施した、コーヒーと
心房細動の再発の関連をみたランダム化比較試験の結果が2025年11月に公表されました。
心房細動とは、心臓の一部である心房が十分な収縮をせず、けいれんするように細かく震える(異常な興奮が持続する)ことで脈が不規則になる不整脈の一つです。このため動悸、息切れあるいは倦怠感などの自覚症状をきたします。
試験では、電気的徐細動術を予定しているコーヒーをよく飲む患者を対象として、1日1杯以上のコーヒーを飲むグループと、コーヒーを6ヵ月間禁止するグループに分けて、心房細動と心房粗動の発生をみました。心房細動と心房粗動は、いずれも不整脈の一つです。
その結果、心房細動と心房粗動の発生は、1日平均1杯のコーヒーを飲むグループでは47%、コーヒーの飲用を禁止したグループでは64%という結果で、コーヒーを飲むことが不整脈の発生を増やすどころか、むしろ予防する可能性がある結果となりました。
これらの結果から、コーヒーを嗜好品としている患者に、不整脈発生予防のためコーヒーを必ずしも禁止する必要がないとも言えます。
一方で、飲用する量には引き続き注意を払うことも大切かも知れません。
コーヒー好きな方に、まったく飲まないように指導することはかえってストレスをためる結果にもなりますし、コーヒーには認知症予防に良いと言われているフェルラ酸などの他、健康に良い抗酸化成分も複数含まれていることから、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」で、不整脈の患者にコーヒーを推奨するということではなく、またコーヒーを嗜好品としている患者には1日1~2杯程度の量なら問題ないと言えるのかも知れません。
以前にも薬の話でお伝えしたこともありますが、コーヒーは「偉い」シリーズの仲間入りをしていて、上記のフェルラ酸の他、クロロゲン酸などのポリフェノールによる健康効果や、香りによるリラックス効果も期待できます。
コーヒー好きな方の適切な摂取量について、今後のさらなる研究に期待したいところです。
マイナ保険証の仕組みへ移行
2025年12月2日に、全ての保険者において発行済みの健康保険証の有効期限が到来し、マイナ保険証(健康保険証の利用登録がなされた
マイナンバーカード)を基本とする仕組みへと移行されました。
これにより、医療機関や薬局での受付はカードをかざすだけで完了し、本人確認や資格確認がスムーズに行えるようになります。
さらに、スマートフォンでマイナ保険証の利用登録を行っていれば、スマートフォンをかざして受付を行うこともできます。この仕組みによって診療や薬剤の情報も本人の同意のもとで共有できるため、重複投薬の防止やより正確な診療につながり、安心して医療を受けられる環境が整います。
利用者が対応すべき点としては、まずマイナンバーカードを取得していない方は申請を行う必要があります。すでにカードを持っている方でも、保険証利用の登録を済ませていない場合は、マイナポータルや医療機関、薬局、セブン銀行ATMなどで、登録を済ませる必要があります。もし登録が難しい場合や未登録のままでも、加入している医療保険者から「資格確認書」が交付されるため、それを提示すれば医療機関を受診することは可能です。
利用者にとっての最大のメリットは、手続きの簡略化です。就職や転職、引越しの際に保険証の切り替えを待つ必要がなく、すぐに医療機関を受診できます。また、高額療養費制度の申請が不要となり、窓口での一時的な高額支払いがなくなるため、経済的な負担も軽減されます。さらに、医療費通知情報をマイナポータルで確認できるので、確定申告の医療費控除も簡単になり、日常生活の利便性が大きく向上します。
マイナ保険証を利用する主な利点
●就職・転職・引越後も保険証の切替不要
●高額療養費制度の申請が不要になり、窓口での一時的な高額支払いが不要
●医療費通知情報をマイナポータルで確認でき、確定申告の医療費控除が簡単
●医師・薬剤師と診療情報を共有でき、より安全で効率的な医療を受けられる
こうした仕組みは、医療の安全性と効率性を高めるだけでなく、利用者自身の負担を減らし、生活をより快適にするものです。従来の健康保険証は2026年3月31日まで暫定措置として利用可能ですが、新規発行は停止されていて、紛失や破損時も再交付はなく、マイナ保険証または資格確認書で対応することになります。
今後の医療機関利用は「マイナ保険証」が基本となるため、早めに移行を進めることが安心につながります。マイナ保険証を使うことで、医療と生活の両面で大きなメリットがあります。
まだ手続きが済んでいない方は早めの対応をご検討されてはいかがでしょうか。
アスパラガス抽出物~ サルコペニア軽減の可能性について ~
この度、「アスパラガス抽出物」に、サルコペニア軽減作用を示唆する研究結果が新たに報告されました。
「アスパラガス抽出物」は、いままでにも細胞内で熱ショックタンパク質(HSP70)を誘導することにより、「抗ストレス作用」、「睡眠の質改善作用」、「認知機能改善作用」などを有することが、ヒトを対象とした「無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験」などを中心にすでに報告されています。
また、老化促進マウス(SAMP8)を用いて記憶障害改善作用およびアミロイドβ減少作用など、「認知機能改善作用」を示唆する結果も報告されている素材です。
この度新たに、老化促進マウス(SAMP8)に「アスパラガス抽出物」を与えた実験から、「サルコペニア軽減作用」を有することを示唆する研究結果が報告され注目を集めています。
サルコペニアは、「主に加齢に伴う筋肉量の減少や、筋力の低下」のことを言いますが、高齢化社会を迎えている現在においては、サルコペニア対策は、避けては通れない課題となります。
「アスパラガス抽出物」を老化促進マウス(SAMP8)に与えた結果、たんぱく質の合成を上昇させ、分解を低下させたことや、握力と筋肉量が増加したことなどが確認されました。
加齢に伴うサルコペニアは、たんぱく質合成低下や分解の増加を特徴とし、ミトコンドリア機能不全や慢性炎症などによって引き起こされると考えられていますが、「アスパラガス抽出物」の摂取により、ミトコンドリアを活性化することがわかってきました。
ミトコンドリア新生・活性化作用については、「思いやりのPQQ」に配合されているBioPQQがその効果を発揮することがすでに知られており、「アスパラガス抽出物」と同様に、「認知機能改善作用」、「抗ストレス作用」、「睡眠の質改善作用」などが報告されています。
1年間で5kg以上の体重増加は要注意!
先日、何気なくインターネットを見ていると「ストレスが高く睡眠時間が短い人は太りやすい」という記事を見つけました。
この記事は、官公庁・自治体の多くが提携している、企業で働く人の健康管理を専門に受託している株式会社ドクタートラストが発信していました。
2023年にストレスチェックサービスを利用した方のうち、1年間の体重変化について回答のあった128896人のデータをもとに解析したものです。
その結果によれば、1年間で5kg以上体重が増えたグループの4人に1人が高いストレスを感じていることがわかりました。
また高ストレス者率が最も高い「1年間で体重が5kg以上増えた」グループと、高ストレス者率が最も低い「1年間で体重変化が2kg未満(変わらない)」グループにおいて、回答に大きな差があった設問は、「だるさ」「不安感」「気分が晴れない」「イライラしている」の5項目だったとのことです。
さらに、平均睡眠時間が「5時間未満」の割合が最も高かったのは「1年間で体重が5kg以上増えた」グループだったそうです。
これらの結果から、体重の増加は心身のストレスや睡眠時間と密接に関連していることが示唆されます。
睡眠時間を十分に確保できない状態が続くと、認知症発症にも影響を及ぼすことが知られています。
また、体重の増加は高血圧症や糖尿病、脂質異常症、脂肪肝などにも影響しますので、様々な工夫により日常生活の中からストレスを軽減することや睡眠時間を十分に確保することなどを含めて体重管理を行うことも健康維持に大切なことかも知れません。
一言でいえば、生活習慣の改善により生活習慣病を予防することが大切ということになりますが、最近ではストレス軽減、睡眠の質向上などが期待できるサプリメント、例えば「思いやりのPQQ」なども販売されていますので、このようなサプリメントを利用することで健康維持を目指していくことも良いかも知れません。
日光浴の健康効果!~ミトコンドリアの機能を高め、糖尿病リスクを低下!~
春か秋の気温のちょうど良い晴れた日に「太陽の光を思いっきり浴びて深呼吸をする!」と、想像しただけで気分がスッキリしますが、太陽の光を浴びる「日光浴」は、健康を維持するために良い効果をもたらします。
もちろん過度な日光浴はよくありませんが、適度な日光浴は体内でビタミンD合成にも役立ち、高齢者の骨粗しょう症の予防やがん予防などの効果が期待できると考えられています。
その他にもビタミンDは、免疫力向上作用、パーキンソン病やアルツハイマー型認知症の予防改善の可能性や、サルコペニア(加齢による筋肉量の減少)リスク低減作用なども期待されていますので、適度な日光浴は体に良い健康効果をもたらすと考えられます。
さらに最近、日光浴により食後血糖値が高くなる血糖値スパイクを抑える作用がある事がわかってきました。
これ研究はイギリスのロンドン大学が発表したもので、太陽光に含まれる波長670nmの赤色光を15分浴びると、血糖値が低下し血糖値スパイクを抑えると報告しています。
同大学の研究によれば、波長670nmの赤色光を15分浴びることでミトコンドリアによるエネルギー生成が刺激され、血中のブドウ糖の取り込みが増加することを確認しています。
今までにも昼間に日光を浴びることで2型糖尿病の治療や予防に役立つ可能性について報告されていましたが、この度の研究ではさらに波長670nmの赤色光を15分浴びることでミトコンドリアの機能を高め、血糖値を低下させることがわかりました。
糖尿病の治療のひとつに運動療法がありますが、同じ運動を行うのであれば室内ではなく、日光を浴びながら軽い運動を行うことが良いのかも知れません。
また、オーストラリアのモナシュ大学による別の研究では、昼間に日光を浴びることはメンタルヘルスにも良い影響を与え、うつ病リスク低減や、睡眠の質の向上に役立つことを報告しています。
最近のうつ病や睡眠障害の増加は、日中はほとんど日光浴をしないまま薄暗い屋内で過ごし、運動はほとんどせずに夜は強い照明をつけた室内で過ごす方が増えていることも原因のひとつかも知れません。
日中は可能な範囲で日光浴を心がけ、軽い運動も行い、睡眠時には部屋を暗くして眠るなどの工夫により体内時計を整え、睡眠の質の向上をはかることで、健康維持に努める習慣を身につけることも大切と言えるのではないでしょうか。
漢方薬のイロハ!
漢方薬と言えば、伝統的な経験に基づく生薬の組み合わせのお薬で、一般的に副作用はないと思われている方も多いかも知れませんが、やはり「お薬はお薬」、副作用はあります。
それでも一般的なお薬に比べると軽度なものが多く、そんなに心配することはありません。
むしろ漢方薬を複数飲用されることによる同じ生薬の過剰摂取に気をつけなければなりません。
食べ物に食べ合わせがあるように、お薬にも飲み合わせがあり、お互いに影響しあって効きすぎたり、効かなくなったりすることがあり、これを「相互作用」といいます。
漢方薬の併用で注意が必要なのは生薬の重複による相互作用です。
その中でも特に麻黄、甘草、大黄などは漢方薬に含まれていることが多いので、重複に注意が必要です。
麻黄には「エフェドリン」が含まれていますので交感神経の興奮作用により、多汗や動悸など精神興奮作用が現れることがあります。
甘草は、漢方薬全体の約2/3に含まれているため重複しやすい生薬ですが、多量に摂取すると偽アルドステロン症や、高血圧症、むくみなどの症状が現れることがあります。
大黄では下痢などの症状が現れることがあります。
また、漢方薬同士の組み合わせだけでなく、一般のお薬との組み合わせにも注意が必要で、例えば麻黄が含まれる漢方薬と一部の抗うつ薬、テオフィリン製剤などとの組み合わせで不眠、発汗過多、頻脈、動悸などの症状が現れることがあります。
甘草が含まれる漢方薬では、利尿薬などとの併用で尿の量が減ってむくんだり、脱力感などの症状が現れることもあります。
このような重複による副作用を防ぐためには、「お薬手帳」を薬剤師に見せてチェックしてもらうことも大切ですが、最近では、お薬手帳をアプリで管理している方も増えています。
お薬手帳をアプリで管理されている方は、アプリを開いて薬剤師に見せることは漢方薬だけのことではなく、とても大切なことです。
次に漢方薬の保管方法についてですが、漢方薬は湿気に弱いですので、湿気の少ない涼しい場所にチャック付ビニール袋などに入れて保管することが望ましいです。
できれば乾燥剤を入れておくとベストです。
服用時間ごとにホチキスでまとめている方は、薬の包装をホチキスで穴をあけてしまうと、湿気を吸いすぎて漢方薬がかたまってしまうこともありますので注意しましょう。
最後に服用時間についてですが、一般的には食事の影響を防ぐためや、経験論に基づいて 「食前、または食間」の空腹時に服用を指示されることが多いですが、胃腸が弱い方や飲み忘れを防ぐために食後に服用を指示されることもあります。
一番大切なことは飲み忘れないようにすることで、飲み忘れに気づいたら次の服用までに3時間程度ある場合はすぐに服用してください。
次の服用時間までに2時間をきっている場合は1回飛ばして次の服用時間に服用しますが、いっぺんに2回分服用することは避けましょう。
今回は漢方薬についてよく質問されるお話をもとに、漢方薬のイロハとしてお伝えさせていただきました。
少しでも参考になれば幸いです。
私見ですが、「絶対に変だ!日本の法律!」~ この度の「改正薬機法」に思うこと ~
令和7年度通常国会において、改正薬機法が審議・成立しました。
「薬機法」は、正確には「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」のことを言いますが、名称が長すぎるので一般に「薬機法」と表現され、比較的馴染みもあった「薬事法」もここに含まれています。
さてこの度、その「薬機法」の改正が成立し、令和8年度から順次施行されていきますが、日本の法律も本当に変だなと思うところがたくさんあります。
例えば、今までにも薬局内に掲示が義務付けられている掲示物もたくさんありますが、誰が読むのだろうと思うようなものも掲示しなければなりません。
あくまでも私見になりますが、この度の改正薬機法も同様に、明らかに資本力のある大手薬局チェーンが政治家とのつながりで法律を成立させたのではないかと疑ってしまうような内容が含まれています。
例えば、「調剤業務の一部を外部薬局に委託できる」という法律です。一包化と言って複数ある医薬品を一つの袋にまとめる業務を委託するのが主となります。
国の主張のひとつには、「外部に業務委託することで薬剤師本来の仕事に集中できる」というものらしいですが、これには甚だ疑問が残ります。
なぜなら、他の薬局の薬剤師が一包化された場合、それが正しく調剤されているかどうかチェックするのは委託した薬局であり、万一、異物が混入したり、薬を間違えて入れたりして、もし事故が起こった場合の責任は、当然ながら最終的にお薬を渡した薬局になることは言うまでもありません。
チェックするだけでも時間を要しますので、国が簡単に言うほど業務が効率化するものではないことは明白です。
以前には大手薬局で一包化する際に、自動分包機を使用するときに薬を入れ間違えて大きな事故につながった事例もあります。そのようなことを考えると一般の薬局は、近くの薬局に業務を委託できるはずもありませんし、委託された方も忙しくて請け負っている場合でもございません。
それでもこんな法律が成立したところに見え隠れするのが、大手薬局チェーンと政治家とのつながりです。すなわち、大手薬局チェーンではいろいろな薬局が近くにたくさんあります。一例をあげると訪問業務を主としているA薬局と近くにマンツーマンで開局しているB薬局があったとします。A薬局の薬剤師は猫の手を借りたいぐらいに一包化業務に忙しい状態である一方、B薬局の薬剤師は外来時間以外には比較的ゆっくりできる場合もあります。そんなとき一部だけでもA薬局の業務をB薬局にお願いすることができればグループ内で薬剤師が効率よく業務を進めることができ、A薬局で薬剤師の増員をする必要がなくなりますので経営的にも安定します。
しかし、あくまでも同じグループ内であれば合法的な方法と言えますが、グループ外の薬局同士では実質的に不可能な法律であることは明らかです。
その他にも「リモートで薬剤師の説明を受ける事」などを検討する中で、コンビニで薬剤師がいなくても医薬品販売ができる仕組みを作ろうとしていますが、そうであればそもそもコンビニで販売できるようにする現時点での医薬品の分類を「医薬部外品」に分類すればよいことかも知れませんが、コンビニ運営会社の利益優先の考え方を受け入れた方向で進めているとしか思えません。
今の薬局は、利益第一主義の資本力のある会社が薬局を開局することが認められていますが、病院やクリニックなどの医療機関は医師が開設しなければならないことになっています。
薬局も薬剤師が開局しなければならないというようにすれば薬剤師の社会的地位ももっと上がるのはないかと感じる今日この頃です。
言い出したらきりがない、この度の「改正薬機法」ですが、最後にあとひとつ、若者によるオーバードーズ問題から20歳未満の方には「乱用の恐れのある医薬品」の販売数量に制限をかけるというものです。
ちょっと聞くと、一見よさそうに感じるこの改正案ですが、ここにも抜け穴があります。
いくら店舗ごとで販売数量に制限をかけても、複数の薬局をわたり歩いて購入すれば大量購入が可能になることは誰にでも容易に予想できますので、例えば乱用の恐れのある医薬品の情報をマイナンバーカードに入れることを義務付け、「いつ・何を・いくつ購入したか」がわかる仕組みを作るなど、徹底した対策をとらないと意味がないと感じます。
まだまだ言いたいことはありますが、資本家と政治家の繋がり重視よりも、国民ひとり一人のことを考える国づくりを目指していっていただきたく思います。
コーヒーを飲むなら「モーニングコーヒー」
今回は身近な嗜好品「コーヒー」についてお伝えいたします。
緑茶を飲用する文化の日本人ですが、コーヒーの香りのリラックス効果も相まって、今では一人当たり1日約1杯の消費があると言われています。
特に食後のコーヒーはホッと一息するものです。
コーヒーの健康効果と言えば、コーヒーに含まれるカフェインによる覚醒効果や利尿作用は誰もが知っていますが、その他にもコーヒーに含まれるポリフェノールの一種である「クロロゲン酸」の作用による認知症の予防・改善効果をはじめ、食後血糖値の上昇抑制作用、肝機能改善作用、さらにはアメリカでの40万人以上の健康調査の結果からコーヒーの飲用によって死亡リスクが低下するとの論文が2012年に掲載されたことなどから死亡率改善作用などでも注目されています。
コーヒーの飲用と死亡率の改善については、国内においても岐阜大学大学院の山川路代氏らが高山市で実施した高山スタディにおいてもコーヒーの飲用と全死因死亡および心血管疾患による死亡と逆相関していることを報告しています。
このようにコーヒーには多くの健康効果がありますが、いつ飲用するのが効果的かというコーヒー飲用のタイミングについては明らかにされてきませんでした。
そこでアメリカのテュレーン大学の研究グループでコーヒーを摂取する時間帯と死亡との関連を調べる研究が行われ、朝型摂取群では非摂取群と比較して最も死亡リスクが低下したことを報告されています。
その他にも、コーヒー摂取量と摂取タイミングと糖尿病患者の慢性腎疾患リスクとの関連性を調べた研究では、早朝から午前中の摂取は有意にリスクが低下したという報告や、カフェイン摂取とうつ病リスク低下と関連では、朝の時間帯(5時~8時)にカフェインを摂取した人は、そうでなかった人と比較してうつ病有病率が低いことなども報告されています。
このようなことからも、コーヒーを飲むならモーニングコーヒーが良いと言えそうです。たまにはホッと一息、忙しい毎日にモーニングコーヒーや、食後のコーヒーブレイクも良いかも知れません。