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Posts in category くすりの話

魚を食べると頭が良くなるってホント?

9月02
2023
Written by admin
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皆さんは、「おさかな天国」という歌を聞いたことがありますでしょうか?
「さかな、さかな、さかな~、さかな~を食べーると~、あたま、あたま、あたま~、あたまーが良くなる~」という歌ですが、聞けば「あ~、知っている」という方が多いと思います。
歌にもなっているぐらいですから、さぞかし魚を食べると頭が良くなるのかと思われる方もいるかも知れませんが、残念ながら魚を食べるだけで頭が良くなることはございません。
それではなぜ、このような歌があるのかといえば、魚には頭に良い成分の「DHA」や「EPA」などが多く含まれているからです。
特に青魚と呼ばれる「イワシ、アジ、サンマ、サバなど)に多く含まれています。
これらは、多価不飽和脂肪酸の中でもω3(オメガスリー)脂肪酸に分類されている成分で、DHAは脳の発達にも欠かせない成分であることがわかっており、DHAと学力についての研究成果も多数報告されています。
また最近注目されている注意欠陥多動性障害(ADHD)の子供のω3脂肪酸の血中濃度は低いこともわかっていますので、ADHDのお子様にもDHAなどの摂取が有用かも知れません。 さらに、加齢に伴う脳機能障害やアルツハイマー病、うつ病などはDHAの摂取で予防や改善が期待できることもわかってきました。
実は、コレステロールや中性脂肪を下げる脂質異常症のお薬として、DHA・EPAを含むお薬も処方されているんです。
ご高齢者で脂質異常症の方は、この薬を服用することで認知症を予防する意味でも有用かも知れません。

このように実力派のDHA・EPAですから、子どもへの食育という観点から、魚に含まれるその他の成分、例えばカルシウムやビタミンD、たんぱく質なども摂取できますので、特にお子さまには「魚を食べると頭が良くなる」ということで、魚好きになってもらうことは、良いことかも知れませんね。

「唾液力」を高めよう!

8月05
2023
Written by admin
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今回の薬のはなしは、「唾液」の話をさせていただきます。
唾液、すなわち「つば」の事ですが、小学校の理科の授業では、「アミラーゼという酵素がデンプンを分解する働きがあるため、よく噛んで食事をすることが大切です」と教えられた記憶があります。
また、小さいころには、ちょっとしたケガのときには「つばでもつけておいたら治る」と言われたことがありますが、実は唾液には細胞を活性化させる「グロースファクター(成長因子)」が含まれており、粘膜や皮膚の表層細胞を活性化させて傷を治しやすくする作用がありますので、ちょっとしたケガのときに「つばでもつけておいたら治る」は、単なる気休めだけのことではなく、的外れなことではないという側面もあります。
最近、「唾液力」という言葉も出てきたくらいに「唾液」について見直されてきています。
そこで、知っていそうで知らない唾液についての話題を今回のテーマに選びました。
最近の研究によって、唾液の質と量が感染症や生活習慣病を予防と深くかかわっていることがわかっており、神奈川歯科大学の槻木教授によれば、唾液中のわずか1%の中に健康に役立つ成分が100種類以上も含まれており、中でも免疫グロブリンA(IgA)という成分が感染症から身体を守ってくれているのだと言います。
即ち、唾液はインフルエンザや細菌の感染から身体を守ってくれているのです。
さらに、最近の研究では、同じ唾液でも唾液の質も注目されており、インフルエンザに感染しやすい人と感染しにくい人を比べると、感染しにくい人の唾液には「結合型シアル酸」という成分が多いことがわかってきました。
さらには、唾液は、認知症やうつ病の予防にも役立つことや、HSP-70(ヒートショックプロテイン-70)という、抗ストレス作用を有するタンパク質によって上気道感染抑制にも役立っている可能性が報告されています。
ところが、高齢になるにつれて唾液の分泌量がどんどん減少し、うまく食事を呑み込めなくなることで誤嚥性肺炎の原因になることも指摘されています。
そこで日常生活の中で唾液の量の低下を防ぐための工夫をしていくことが大切です。
唾液の量の低下を防ぐ工夫として、よく噛んでゆっくり食事することや、ビタミンCやポリフェノール、CoQ10などの抗酸化食品の摂取が良いと言われています。
さらに、唾液の量を増やすだけでなく唾液に含まれるIgAの量も増やすことも大切です。
「腸-脳相関」という言葉が広く知られるようになっていますが、それに加えて「腸-唾液腺相関」という言葉も知られるようになってきましたが、腸内環境を整えることによって唾液中のIgAを増やせることがわかり、例えば食物繊維の豊富な食べ物を摂取することもおすすめです。
食物繊維の摂取により腸管を刺激して、唾液腺にIgAの分泌シグナルが送られて、唾液中にIgAを増やしていくと言われています。
また、食物繊維と発酵食品を同時に摂取することで、腸内で乳酸菌が食物繊維をエサとして増えていくことで、腸内環境を整えて唾液力を高めると言われています。
日常生活の中で、食事の工夫をはじめとして、様々な「唾液力」を高める工夫を重ねながら健康を維持してまいりましょう。

市販薬、侮るなかれ! 薬は正しく服用しましょう!

7月08
2023
Written by admin
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OTCと呼ばれている一般市販薬は、有効成分の安全性が確立されている上に、医療用医薬品と比べても有効成分の含有量が少なめに設定されているため、安心して服用できるというイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。
もちろん、適切に使用されている範囲であれば安全性が高く、基本的には心配するようなことは少ないのですが、決められている服用量よりも自分勝手に多く服用すると、中毒症状が現れることがあります。
今でこそ、販売数量が規制され、一人1個(本)までの購入しか認められていない「咳止め薬」がありますが、そこに含まれている「ジヒドロコデイン」や「メチルエフェドリン」などの成分は、中枢神経興奮作用を有し、高揚感や多幸感をもたらす副作用があります。その副作用による高揚感や多幸感を得たいために、一度に何個(本)も購入し、中毒症状を起こす事例が問題視される時期もありました。
これらの医薬品は決して安価でないことや、規制がかかったこともあり咳止め薬による中毒症状発生事例は激減しました。
一方で、販売に規制がかかっていない上記の成分の入った風邪薬で代用しようと試みる方も少数ながら未だに存在しているようです。
風邪薬を大量に服用すると、上記の成分の他に、当然ながら他の成分も大量に服用することになります。
例えば、風邪薬の中には、コロナワクチン接種時の副反応を抑えることで話題になった成分の「アセトアミノフェン」という解熱鎮痛剤を含有していることがあります。
「アセトアミノフェン」を大量に服用すると、これがまた厄介な中毒症状を引き起こし、救急外来に搬送される事例も報告されています。
アセトアミノフェンは、肝臓で代謝されグルタチオンで解毒されるのですが、アセトアミノフェンを大量に服用するとグルタチオンが足りなくなって解毒できなくなるため、急性肝不全を引き起こすことがあります。
急性肝不全を引き起こした3週間後の死亡率は非常に高率であることが報告されています。
いくら安全な薬と言っても、大量に服用すれば命の危険にもさらされることがありますので、くれぐれも薬は正しい服用方法を守り、薬の飲みすぎにより身体に何らかの異変を感じたら、正直に服用した量を医師や薬剤師に伝えて、早めに適切な治療を行うことが大切です。

睡眠時の明るさと健康との関係

6月10
2023
Written by admin
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今回は、「睡眠時の明るさと健康との関係」について面白い記事をみつけましたのでお伝えさせていただきます。
奈良県立医科大学疫学・予防医学講座の大林賢史氏らの研究グループが、約3,000人の一般住民を対象に、睡眠中の寝室の明るさと健康指標との関連を検討した研究(平城京スタディ)から、明るい寝室で寝ている人には、肥満、脂質異常、全身性炎症、うつ症状、睡眠障害が多いという結果を「Environmental Research」(2019年9月21日掲載)で発表しました。
今回の研究は、奈良県に居住する40歳以上の一般成人3,012人を対象とする大規模な疫学研究であり、解析対象は、照度計の設置位置が適当でないと判断された対象者などを除く2,947人(平均年齢69.3±7.8歳、女性60.6%)で、照度計を用いて2日間にわたり0.2ルクス未満・0.2~1.0ルクス・1.0~4.0ルクス・4.0ルクス以上に分けて調査したものです。

これら4群の健康指標を比較すると、
(1) 睡眠中の寝室照度が明るいほど、BMI、腹囲長、中性脂肪が有意に高値であり、HDL(善玉)コレステロールは有意に低値だった。
(2) 睡眠障害(ピッツバーグ睡眠スコア6点以上)やうつ症状(老年期うつ尺度スコア6点以上)の割合が有意に高かった。
(3) さらに、10ルクスをカットオフ値として二群に分けて比較すると、寝室の明るさが明るい群は白血球数が高値(P=0.041)で全身性炎症の亢進が示唆され、また、うつ症状を有するオッズ比が有意に高かった(P=0.047)ことを報告しています。

研究グループでは、「寝室の明るさと白血球数の関連を示した研究は、本研究が初めて。このメカニズムは、夜間の光曝露による睡眠障害やメラトニン分泌の減少が白血球数を増加させたのではないか」と考察しています。
健康維持のためには、体内時計を正常に保つことが大切と言われていることから、睡眠時は部屋の明るさを暗くしておき、朝日で目覚める習慣をつけることが良いのではないでしょうか。

身心の健康維持にバランスのとれた食生活を!~「うつ病」予防の話題を中心に~

5月06
2023
Written by admin
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「うつ病」は、潜在患者を含めると20人にひとりはいるとも言われているほど私たちにとって身近な存在になりつつある病気です。
うつ病になった場合は、治療をしていても再発する可能性が高いため、予防対策を心がけることが大切と言えます。
予防対策としては、生活習慣の見直しから考えることが大切です。
その中でも特に、
(1)適度な運動を心がけること
(2)食生活を見直すこと
(3)睡眠をしっかりとること
…などがあります。
今回は、その中でも食事に関することから、ホットな話題も含めてお伝えします。
うつ病患者さんに不足している栄養素を調べるために、血液検査を行っている医療機関もあるほどで、鉄分・葉酸・ビタミン・アミノ酸(たんぱく質)・脂肪酸・ミネラルが不足している方が多いと言われています。要は、バランスのとれた食事をしっかりとることが大切だと言えます。

ところで、日本のコホート研究(疾病の要因と発症の関連を調べる観察的な研究)において、野菜、果物、フラボノイドの豊富な果物(リンゴ、梨、柑橘類、ブドウ、イチゴなど)の摂取が、うつ病のリスク低下と関連するかどうかを国立精神・神経医療研究センターの成田 瑞氏らの研究グループにより調査した結果、果物およびフラボノイドの豊富な果物の摂取量が多いほど、うつ病の発症率が低かったことがわかり、2022年9月26日付のTranslational Psychiatry誌で報告しています。
調査は、1990年時点で長野県南佐久郡8町村に在住の40~59歳の1万2,219人のうち、1995年と2000年に行った2回の食事調査アンケートに回答があり、かつ2014~15年にかけて実施した「こころの検診」に参加した1,204例(男性500例、女性704例)を対象としています。
その結果、果物全体とフラボノイドが豊富な果物の両方について、最も多く摂取したグループは、最も少ないグループと比較してうつ病発症のリスクが低かったそうです。
「このことは果物が持つ抗酸化作用などの生物学的作用がうつ病の発症に対して予防的に働いた可能性が考えられる」と考察しています。
抗酸化作用が期待できる食べものを日常から積極的に摂取することも健康維持に欠かせない生活習慣のひとつと言えるのかも知れません。

特に最近の若い世代の方は、和食よりもファーストフードや肉食が中心になっている傾向があることを考えると、うつ病だけでなく、メタボリックシンドローム予防などを含めて、偏りのない食生活を心がけることも心身の健康維持に大切だと思われます。

薬には副作用の「おまけ」がつきものです!~市販薬にも要注意!~

4月08
2023
Written by admin
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人生100年時代といわれている中、健康な心身を保ちながら長生きることが理想と言えるのではないでしょうか。
そこで例えば、風邪で熱があるときや、頭が痛いときには「解熱鎮痛剤」、体の痛みがあれば「鎮痛剤」、咳が続けば「鎮咳薬」…など、その症状を取り除くために市販薬を買い求めて症状を軽くし、少しでも早く快適に生活しようと思うこともあります。
ところが、健康を維持するために服用しているはずの薬が、かえって体に悪さをすることもあります。それは、言うまでもなく「副作用」です。
副作用といえば、誰もが認識していることで驚くような事でもありませんが、「最近、物忘れが増えた」「同じことを何度も聞いてしまう」などの、これって認知症?!と思われるような症状が、手軽に買える市販薬によって引き起こされることがあるかも知れないと聞くと少し驚きませんか?

今年は花粉の飛散量が多いと言われていますが、花粉症をはじめとした抗アレルギー薬を漠然と服用していると、頭がぼんやりしたり、物の名前を思い出せなかったりするなど、認知機能低下に近い症状が現れることもあり、本人は副作用だと気づかないうちにやる気が減退して、仕事に支障をきたすこともあります。最近では眠気の副作用が少ないという薬も市販されていますが、それでも集中力や判断力、作業能率が低下することはあります。
これらの症状は、抗アレルギー剤の「抗ヒスタミン作用」や「抗コリン作用」による影響ですが、「抗コリン作用」により、目のかすみや視力低下といった症状を引き起こすこともあります。
緑内障の初期では自覚症状がほとんどないため、自分が緑内障であると気づいていない方が抗コリン作用を有する薬を飲んだ場合に眼圧が上がってしまうことも考えらます。
抗アレルギー薬の服用後に、「目が重い、目や頭に痛みを感じる」などの症状が現れた場合は、眼圧が上がっている可能性もありますので眼科で受診されることをお勧めします。
最近では、スイッチOTCという医療機関で処方されている薬と同成分の薬も数多く市販されている中で、自分自身で体調を管理するセルフメディケーションという考え方から、自分で薬を選択することも増えていますが、市販薬と言っても注意しなければなりません。
市販薬を選ばれるときには、かかりつけの薬局の薬剤師に薬の飲み合わせを含めて相談されてから選ばれることをお勧めします。

睡眠障害も「生活習慣病」のひとつ!~質の良い睡眠が健康を保つ~

3月04
2023
Written by admin
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厚生労働省の「生活習慣病予防のための健康情報サイト」e-ヘルスネットによれば、日本人、特に子どもたちや就労者の睡眠時間は世界で最も短いことが示されています。
とりわけ、働く女性が増加していることに加えて、家事や育児などにより男性よりも女性の方が寝不足状態にあるようです。
慢性的な睡眠不足は、日中の眠気や意欲低下、記憶力減退を引き起こすだけでなく、ホルモンの分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼすことがわかっています。
例えば、健康な方であってもたった二日間寝不足が続くだけで食欲を抑えるホルモンである「レプチン」の分泌が減少し、食欲を高めるホルモンである「グレリン」の分泌が亢進することがわかっており、食べ過ぎによる肥満を引き起こす可能性が高くなります。
実際に慢性的な寝不足状態にある方は、糖尿病や冠動脈疾患などの生活習慣病に罹りやすいことが明らかになっています。
また、交代勤務に従事している方は、体内時計と生活時計のずれにより脂肪を蓄積して分解を抑えるたんぱく質が発現し、肥満を誘発することも知られています。
交代勤務の他、何らかの要因で、習慣的に「質の悪い睡眠」が続いている方は、肥満だけでなく、様々な生活習慣病罹患のリスクが上がり、さらにうつ病などの精神疾患や認知症発症リスクを高め、かつ症状を悪化させる可能性がありますので、健康維持のために日常から生活習慣病予防のためにもしっかりと質の良い睡眠をとることが大切です。
なお、睡眠障害を放置すると健康を害する様々な状態を誘発しやすくなりますので、睡眠について気になる方は、早めに睡眠専門医師に相談されますことをお勧めいたします。

コーヒーは偉い!

2月04
2023
Written by admin
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過去の「くすりの話」で、「大豆は偉い」、「乳酸菌は偉い」、「魚は偉い」、「緑茶は偉い」など「偉いシリーズ」として数々の話題を紹介してきました。
今回は、「偉いシリーズ」の仲間入りとして、さらに「コーヒーは偉い」をご紹介させて いただきます。
コーヒーと言えば、身近過ぎて「今さら・・・」と思われる方もいるかも知れませんが、ところがどっこい、これがまた最近注目されています。
但し、ご存知のとおりコーヒーにはカフェインが含まれているため、飲みすぎには注意しなければなりません。
多くても1日5杯までとして、食後の1杯を目安として1日3杯程度が適量と考えられています。
さて、コーヒーの健康効果として、まずはカフェインの「覚醒効果」によって頭をスッキリさせる効果や、「利尿作用」による老廃物排出効果、自律神経の働きを高める効果はよく知られていますが、その他にはなんと言っても香りによる「リラックス効果」、「ストレス解消効果」は言うまでもございません。
コーヒーに含まれる成分でカフェイン以外に最近注目を集めているのが「クロロゲン酸」というポリフェノールです。ポリフェノールと言えば、抗酸化作用が強く、活性酸素が引き金となる生活習慣病予防にも大いに役立つことが知られています。
例えばフランス人は油の多い食事を摂っているにもかかわらず心疾患での死亡率が低いのは、ポリフェノールが豊富に含まれている赤ワインを多く飲んでいるからであるという報告が話題となったことがあります。
また、赤ワインに含まれているポリフェノールの一種「レスベラトロール」が長寿遺伝子を活性化することについてNHKのテレビ番組でも紹介されたこともあり、一時は「レスベラトロール」含有のサプリメントが入手しにくいという時期もありました。
このようにポリフェノール類は健康に良いことは知られていますが、実は、コーヒーにも赤ワインに負けないぐらいポリフェノールを豊富に含んでいて、そのポリフェノールの名称が「クロロゲン酸」です。
ここで、「クロロゲン酸」の健康効果をいくつかご紹介します。
習慣的にコーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて心臓病、脳卒中、呼吸器疾患による死亡リスクが低下するという国立がん研究センター予防研究グループの報告の他、クロロゲン酸は体内で代謝されてフェルラ酸という成分に変化しますが、フェルラ酸は、認知症予防・改善効果についてもよく知られています。
また、お茶で有名な伊藤園では、名古屋市立大学大学院医学研究科との共同研究で、マウスを用いた実験で、クロロゲン酸が記憶を司る脳の海馬に働きかけて、認知機能の低下を抑制するホルモンのひとつ「インスリン様成長因子-1」の産生を促進することにより、認知機能を改善することを報告しています。
その他、大腸がんや肝臓がんの予防、内臓脂肪蓄積抑制効果、肥満防止効果や、腸内細菌叢のバランスを改善するという報告などもされています。
このように身近なコーヒーにも健康増進効果が期待できそうですので、朝の目覚めのコーヒー1杯は、健康に良い習慣と言えるかも知れません。

生活習慣の乱れが認知症を引き起こす!

1月07
2023
Written by admin
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生活習慣と一言でいってもいろいろ考えられますが、ここでは認知症予防の立場から考えてみたいと思います。
認知症のなかでも最も多いタイプは、「アルツハイマー型認知症」です。
この「アルツハイマー型認知症」は、脳内に「アミロイドβ」と呼ばれるたんぱく質が蓄積することが主な原因のひとつと考えられています。
実は、この「アミロイドβ」の脳内への蓄積は、なんと20年以上もかけて徐々に蓄積していき、「アルツハイマー型認知症」の発症につながると考えられています。
従って、何も症状のない若い世代のときから脳内への「アミロイドβ」の蓄積を防ぐ生活習慣を心がける積み重ねが、将来的な「アルツハイマー型認知症」発症の予防になると考えられます。
そこで脳内への「アミロイドβ」の蓄積を防ぐ生活習慣について、最近の話題も含めてご紹介します。
まずは「睡眠」です。
睡眠不足でも寝すぎでもなく、適切な睡眠時間が良いようです。
ある研究によれば、認知症発症リスクは、7時間の睡眠に比べて6時間以下の睡眠で1.36倍、8時間以上の睡眠で1.27倍という報告もあります。
また、睡眠は時間だけではなく、中途覚醒をなくすなどの「睡眠の質」を高めることも大切であると言われています。
もう一つは、「糖尿病」を発症しないような生活習慣を心がけることです。
即ち、規則正しくゆっくり噛んで食事をすること、栄養バランスの良い食事をすること、甘い食べ物や飲み物を暴飲・暴食しないこと、適度な運動を心がけることなどを実践しながら日常から血糖値をコントロールすることが大切です。
最近の研究で、糖尿病の方はアミロイドβが蓄積されやすいことがわかってきました。
それは、血糖はインスリンによってコントロールされていますが、役割を果たしたインスリンは、インスリン分解酵素で分解処理されます。実はこのインスリン分解酵素は、アミロイドβも分解する作用があり、血糖値が高い状態が続いてインスリンの分泌量が増えると、インスリン分解酵素はインスリンを分解するのに手いっぱいになってしまってアミロイドβの分解まで手が回らなくなるために、脳内にアミロイドβが蓄積されやすくなってしまうことがわかってきました。
最近では、「糖尿病性認知症」ということもわかりはじめており、注意力が低下し、段取りが悪く、ボーっとする症状が特徴的だと言われています。
以上のように生活習慣とアミロイドβの蓄積は密接な関係がありますので、認知症予防のためにも今一度正しい生活習慣を心がけましょう。

お薬やサプリメント 「過ぎたるは猶及ばざるが如し」

12月03
2022
Written by admin
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サプリメントを利用している方なら「大豆イソフラボン」、「リコペン」、「緑茶カテキン」、「DHA・EPA」、「ルテイン」、「ゼアキサンチン」などの名前を聞けば、ほとんどの方はご存知ではないでしょうか。
これらの成分は「ファイトケミカル」と呼ばれ、身体の老化や生活習慣病と密接な関係のある抗酸化作用を有しているものが多く、その他にも様々な機能性を有していることから植物由来の第7の栄養素として注目されています。
このように植物由来の成分が有用作用を有するのには、それなりの理由があります。
植物は動物と違って動きがとれませんので、例えば日差しが強くなった季節でも日陰に移動することができません。
そこで、自分の身を護るために紫外線による細胞の損傷を防ぐために抗酸化物質を作り出したり、昆虫や微生物の侵入に対抗するために抗菌活性作用を有する物質を作り出したりする必要があり、植物自身が生き延びるために環境ストレスに対抗する物質を作り出しているということです。
日常の食事でも動物性食品だけでなく、野菜や果物など幅広く取り入れることが大切なのは、三大栄養素をはじめとする栄養素の補給だけでなく、抗酸化成分などの補給も大切だからです。
しかし、ここで注意しなければならないのは、いくら身体によい成分だと言ってもたくさんとれば良いのかといえばそうでもないということです。
例えば、最近わかってきたこととして緑茶ポリフェノールは、高用量を毎日摂取し続けると肝臓や腎臓に障害を起こす可能性があることがマウスの実験で明らかにされています。
ファイトケミカルのように、少量(適量)で健康に良い効果を顕すことを「ホルミシス効果」と呼ばれていますが、ホルミシス効果として皆さまの身近で知られているものは「放射線」かと思います。
放射線は、ご存知のとおり大量に浴び続けると癌が発生することはよく知られている一方で、ごく低用量の放射線であれば免疫力が高まりむしろ身体によい効果をもたらします。
放射線のホルミシス効果を利用した癌治療の湯治として玉川温泉などが有名です。
お薬も異物ですが、ファイトケミカルも身体にとっては異物です。
お薬は服用量が少なくても効果は表れませんが、大量に服用すれば副作用が現れることは誰もが知っている事実です。適量を服用した時に適切な効果が現れて症状が改善します。
以上のことから、身体によいという成分であってもむやみに大量に飲用すれば良いというものではないということが言えます。
例えば、免疫力を高めるサプリメントもたくさん販売されていますが、このような健康食品でもある程度の量までは増量は有用と思われますが、一定量以上を服用するのであれば他の食品との組み合わせなどを視野に入れて使用するのが良いと思います。
即ち、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ということを常に心にとめておくことも大切かもしれません。

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