かなり以前になりますが、「くすりの話」で「大豆は偉い」、「乳酸菌は偉い」、「魚は偉い」と「偉い」シリーズとして皆様にご紹介し、大豆と乳酸菌については「やっぱり偉かった」シリーズとしてご紹介しています。
この度は「やっぱり偉かった」シリーズに「魚」も仲間入りしましたのでご紹介させていただきます。
まずは、以前にご紹介している「魚は偉い!」について少しおさらいしておきます。
魚の何が偉いのか?
それはタンパク質などの栄養成分の他に、魚の油に含まれている「DHA」や「EPA」が身体によい作用が報告されているからです。
これらは血液サラサラ効果や中性脂肪低下作用、心血管系疾患の罹患率や死亡率の低下、不整脈の抑制、インスリン分泌増強およびインスリン感受性増強作用、抗ストレス作用などの他、認知機能改善作用、抗ウイルス作用などを有する報告があることをお伝えいたしました。
中でも中性脂肪低下作用については医薬品として医師が処方している実績もありますし、認知機能予防・改善作用についても研究が重ねられています。
さてこの度、DHAやEPAに代表されるω3(オメガスリー)脂肪酸が、肺機能低下や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予防に役立つ可能性が報告されました。
肺機能低下や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発症には炎症が関与していることはすでに知られており、ω3脂肪酸は抗炎症作用を有することも知られています。
そこで、そこで米国コーネル大学の研究グループがω3脂肪酸の血中濃度と肺機能、気流閉塞との関連性を調べ、その研究成果が論文に掲載されました。
研究結果では、血中ω3濃度が高いと肺機能低下が抑制され、その効果はDHAが最も大きいこと、脂肪酸摂取量に占めるDHAの割合が増加すると肺機能低下が抑制され、気流閉塞の発生率が低下することがわかりました。
このように魚に含まれる栄養素の摂取により、様々な疾患に対して良い作用をもたらす可能性が次々と報告されていますので、魚もめでたく「やっぱり偉かった」シリーズの仲間入りに認定したいと思います。