冬本番のこの季節、皆さんは風邪をひくことなく元気でお過ごしでしょうか。
さて、冬は「コタツでみかん」という方も多いと思いますが、今回はみかんのスゴいパワーについてご紹介いたします。
みかん(温洲みかん)は、和歌山県の有田みかんや愛媛みかんなどが有名ですが、果物の中でも消費量が日本一といわれています。
歴史を遡りますと、温洲みかんは遣唐使が持ち帰った原種が突然変異を起こして生まれたもので、明治時代の初めに栽培が急速に広がり、私たちの身近な果物になりました。
「温洲」の名前は、みかんの産地で有名な中国の温洲府が由来だそうです。
みかん(カンキツ類)には、免疫力を強くしたりストレスを和らげるビタミンCが豊富に含まれています。
特に温洲みかんには風邪予防によいシネフィリンという成分が含まれていて、これは他のカンキツ類には無い成分です。
そして、もう一つ注目されている成分が、βクリプトキサンチンです。
βクリプトキサンチンは、みかんの黄色成分であるカロテノイド(にんじんなどに含まれるβカロテンやトマトなどに含まれるリコピンと同じ仲間)で、抗酸化作用が強く美容やガン予防に効果的です。
独立行政法人農業技術研究気機構の果樹研究所カンキツ研究部が行った試験管内試験や動物試験による研究では、βクリプトキサンチンはβカロテンに比べてはるかに強い発ガン抑制効果が報告されており、とくに大腸ガンの予防に役立つと考えられています。
また、「骨粗しょう症」にも良いと言われており、骨形成を促す成分としてはビタミンK2よりはるかに強力とも言われています。
さらに、βクリプトキサンチンの特徴として、通常は1日でその作用が消えてしまう他の食品成分と違い2ヶ月以上も影響が続くと言われ、冬に食べたみかんのお陰で春まで体を守ってくれるそうです。
みかんに含まれる主な成分と期待できる主な作用は、以下のとおりです。
- 風邪予防 ビタミンA・C、シネフィリン、ヘスペリジン
- 整腸作用 ペクチン、セルロース
- 美肌作用 ビタミンC、クエン酸、ペクチン
- 脳卒中予防 ヘスペリジン
- 高血圧予防 カリウム
みかんの皮を干した「陳皮(チンピ)」は、生薬としてもよく知られており、七味唐辛子にも入っています。お風呂に入れると、体を温め、肌をすべすべにしてくれる作用がありますので、みかんの実を食べた後も、有効に活用したいものですね!