30歳代の糖尿病男性が心筋梗塞や重症狭心症を発症するリスクは、血糖値が正常な同年代の男性の18倍との研究結果を、新潟大学のチームが欧州の医学会誌に発表した。50歳代男性に相当するリスクだという。
研究では、2008年から5年間に健康診断を受けた31~60歳の男性約11万人の診療報酬請求と健診のデータを突き合わせ、手術やカテーテル治療を要した心筋梗塞や重症狭心症の発症ケースを抽出し、分析した。
その結果、約4年の追跡期間中に436人が心筋梗塞などを発症した。糖尿病男性での発症リスクは、血糖値が正常な男性に比べ、40、50歳代では2.5倍前後だったが、30歳代では18倍と特に差が大きかった。
研究を行った藤原和哉・同大特任准教授(血液・内分泌・代謝内科)は「心疾患は女性より男性に起きやすいが、30歳代男性の糖尿病の悪影響は、20年分の加齢に相当することがわかった。若いから大丈夫と油断せず、早めに生活習慣改善や治療に取り組む必要がある」と話している。
(2016年11月23日 読売新聞)