自分の健康に気を配り、豊富な情報をもとに様々な健康法を実践している方も多く見受けられます。
その中でも肥満対策でいろいろと実践している方が多いようですが、中にはあまりお薦めは出来ないダイエット方法もありますので、正しい情報を得ることが大切です。
さて、せっかくいろいろ試していても、「ついつい食べすぎてしまう」という方も少なくないのではないでしょうか。
そこで、今回は少し視点を変えて、本年1月10日に「ScientificReport」というオンラインの論文に掲載された「睡眠時間と食欲の関係」(早稲田大学スポーツ科学未来研究所と花王株式会社ヘルスケア食品研究所との共同研究)の結果をもとに、ホットな話題をお伝えします。
これまでの疫学研究では、慢性的な睡眠不足が肥満をもたらすことはわかっていましたが、睡眠時間がヒトのエネルギー代謝にどういった影響を及ぼすのかという詳細な機序は明らかにされていませんでした。
この度の報告では、大幅に睡眠時間を抑制すると食欲抑制にはたらくホルモンが減少し、空腹感が増すなどの食欲に影響をおよぼす結果、肥満リスクが増加するというものです。
研究では、健康な男性9名を対象に実施し、睡眠時間を7時間から半分に制限すると、夜間のエネルギー消費量が増加した一方で、1日のエネルギー消費量には変化見られず、食欲抑制作用を持つペプチドホルモンであるペプチドYY(PYY)の分泌が有意に低下し、空腹感が増して食欲に影響を及ぼすことが明らかになりました。
慢性的な睡眠不足は、身体の免疫力の低下や高血圧などの生活習慣病、自律神経のバランスの崩れ、記憶力の低下、意欲の低下などにも影響を及ぼすことがわかっていますので、肥満を気にされている方の生活習慣として、睡眠時間の確保を取り入れてみることも良いかも知れませんね。