突然ですが、「胃薬が認知症の予防になるかも知れない」と聞いたら、先生方はどのように思われますか?
実は、これは「ウソのような本当かも知れない」情報なんです。
超高齢社会へと突入しようとしている日本において認知症の罹患者は今後ますます増加すると考えられますが、ご存知のように認知症のお薬としては症状を抑えるものはありますが、根本的に治療するものではありません。
認知症の中でも代表的なアルツハイマー型認知症は、その原因の一つのアミロイドβというタンパク質が脳内に蓄積することが知られています。
タンパク質は糸が規則的に絡み合うように、規則的な立体構造をとることで多種多様な機能を発揮するようになっています。
タンパク質も糸と同様、意図しない絡まり方をしてしまうことで、変な構造をとってしまうことがあり、異常な絡まり方をしたタンパク質が蓄積されると身体に害を及ぼすこともあります。アルツハイマー型認知症は、まさに「アミロイドβ」という変な絡まり方をしてしまった異常なタンパク質が脳内に蓄積されることで発症すると考えられています。他にも肺繊維症や白内障なども異常な絡まり方をしたタンパク質が原因であると言われています。
これらの疾患は、タンパク質の折りたたみ(フォールディング)がおかしくなって発症することから、近年、「フォールディング病」と呼ばれるようになってきました。
しかし、人間の体はうまく出来ており、仮に変な絡まり方をした異常なタンパク質が発生してもきれいにほどいてくれる「HSP」というタンパク質によってほどいてくれますが、変な絡み方をしたタンパク質が少量であれば良いのですが、大量になってくるとHSPの処理能力を超えてしまい変な構造をもったタンパク質がたまっていき、フォールディング病発症へとつながってしまいます。
ということは、HSPをたくさん生体内で増やすことができる物質を体内に投与すれば、HSPの処理能力が上がり、フォールディング病治療へとつながるということになります。
近年、胃薬のGGA(Geranyl Geranyl Acetone; 商品名セルベックスなど)がHSPを増やす作用があるといういくつかの論文が報告されていることを信頼できるメールマガジンで知りました。
胃薬が認知症治療薬の候補になってくるとは驚きだと思いますが、今後は既存の薬を別の疾患にも応用できるといった研究報告も増えてくるかも知れません。
ところで、酵素処理アスパラガス抽出物含有サプリメントのように、HSPを増加させる作用が期待できるサプリメントが発売されています。
酵素処理アスパラガス抽出物は、HSP増加作用により、認知症の予防・改善や抗ストレス作用、睡眠改善作用などの他、多くの機能性が報告されています。
さらに、酵素処理アスパラガス抽出物の作用を補う成分として、注目されるのがPQQ(ピロロキノリンキノン)です。
PQQは、理化学研究所の研究で、新規ビタミンとして「Nature」に掲載されて世界中で注目された成分ですが、近年ではビタミン様物質として位置づけられています。
PQQは、レビー小体型認知症やパーキンソン病の原因物質のひとつとして知られている「αシヌクレイン」の蓄積を抑制することが報告されている他、強力な抗酸化作用や、記憶障害改善作用、睡眠改善作用、抗ストレス作用などについて、ヒト試験結果が報告され、さらに実験的には加齢とともに減少することで様々な疾患に関与していると考えられている「ミトコンドリア」を増やす作用も確認されています。
酵素処理アスパラガス抽出物とPQQの組み合わせは、ストレス社会と言われる今日、働き盛りの方から認知症予防・改善効果を期待する高齢者の方まで、幅広く利用できる理想的なサプリメントといえます。