多くの生物が持つ体内時計の仕組みでは、2種類のたんぱく質がそれぞれ時間を速めたり遅くしたりして約24時間の活動周期を決めていることがわかったと、京都大などのチームが発表した。
チームは「時差ぼけをなくしたり、好きな時間に眠れたりする薬などの開発につながるかもしれない」としている。
チームの岡村均・特任教授らは、マウスの細胞を使って、時計遺伝子の働きに関係する「Ck1d」という遺伝子について詳しく調べた。その結果、Ck1dは、ほぼ同じ構造を持つ2種類のたんぱく質を生み出していることを発見。
2種類のたんぱく質がバランスよく働くと、1回の活動周期はほぼ24時間になったが、どちらかの働きだけが強いと活動周期は長くなったり、短くなったりしたという。
今後、睡眠障害の人は、この仕組みがどう変化しているのかを調べるなど、研究が進められる。
(2018年5月22日 読売新聞)