最近、「電子処方箋」と言葉を耳にする機会が増えてきました。皆さんはご存知でしょうか?
処方箋と言えば、患者さんが医療機関を受診したときにお薬が出される場合に、薬局に持っていく「紙の処方箋」を思い浮かべる方が多いと思いますが、この紙の処方箋が電子化されることになります。
えっ!どういうこと?
今まで医療機関から発行されていた紙の処方箋の代わりに、番号が記載された用紙が手渡され、それを調剤薬局に持参します。調剤薬局ではその番号をもとに、セキュリティー性の高い場所の中で情報を確認し、その情報をもとに調剤することになります。
これをすることでどんなメリットがあるかと言えば、その患者さんがどの医療機関から何のお薬が処方されているかを正確に把握することができるようになります。
今までは「お薬手帳」や「かかりつけ薬局の薬歴管理」などでお薬の内容を確認していましたが、患者さんによってはお薬手帳を医療機関ごとに持参していたり、そもそも持参しなかったりするなどにより正確に使用薬品を把握できないこともありました。
特に睡眠薬などの特殊なお薬については、ご自身がその薬を処方されていることを申し出さない限りは、かかりつけ医療機関や、かかりつけ薬局であってもわからないこともあり、重複投薬される可能性もありました。
ところが電子処方箋にすることにより、どの医療機関や調剤薬局でもその方の情報が一括して確認できるようになるため、お薬の重複投薬や相互作用などを確認できるため、患者さんの健康管理や医療費の抑制にもつながります。
一方、患者さんにとってみれば、今までいろんな医療機関に受診して薬を手元にためておくことができたものができなくなりますので、多めに薬を手元にもっておくこともできなくなります。また、様々な犯罪にも使用されるお薬の横流しなどを食い止めることにも役立ちます。
これからは健康保険証も発行されなくなり、すべてマイナンバーカードに集約されてきますので、もう「情報漏洩が怖いのでマイナンバーカードを持つのが怖い」などと言っている時代ではなくなってきたようです。
医療機関や調剤薬局で「マイナンバーカードはお持ちですか?」と尋ねられることがあるかも知れませんが、「なぜ、そんなことを聞くのか?」と声を荒げるのではなく、そのような時代になっていることを理解して、持っている場合は素直に機器に通すようにしたいものです。
これからの世の中は、なんでも「電子化」されるようになってきますので、時代に乗り遅れないようについていくしかないと感じる今日この頃です。