機能性ディスペプシアについては、平成18年7月号の健康スマイルにおいて、「胃薬あれこれ ~機能性ディスペプシア・・・何それ?~」でもお伝えしていますが、「胃の痛み」や「胃もたれ」などが慢性的に続いているにもかかわらず、内視鏡検査などを行っても異常が見つからない病気のことです。
実に日本人の4人に一人は機能性ディスペプシアであると言われていますが、専門医師に受診しない限り「慢性胃炎」や「神経性胃炎」と診断されることが多いようです。
機能性ディスペプシアの患者さんに見られる症状として、「すぐにお腹がいっぱいになる」や「食後に胃がもたれる」、「みぞおちの痛み」などがあります。
このような症状に対して、漢方薬の「六君子湯(りっくんしとう)」が使用され、効果を発揮していましたが、最近になって世界初の機能性ディスペプシアに対する医薬品が発売されましたのでご紹介致します。
このお薬は、一般名「アコチアミド塩酸塩水和物」(商品名;アコファイド)というお薬で、消化管運動に重要な役割を果たす神経伝達物質アセチルコリンの分解酵素であるアセチルコリンエステラーゼを阻害することにより、胃運動の低下や食物排出遅延を改善させ、機能性ディスペプシアの症状を緩和させる働きがあります。
このお薬の登場により、機能性ディスペプシアの患者さんの自覚症状の改善やQOLの向上に大いに役立つものと思われます。