肝炎や肝硬変といったC型慢性肝疾患の患者で毎日1杯以上のドリップコーヒーを飲む人は、肝臓の機能が改善するとの研究結果を大阪市立大のチームがまとめ、11日付の米オンライン科学誌プロスワンに発表した。肝硬変への移行を減らし、肝がんの発生を予防する効果も期待できる。
大阪市立大病院を受診した20~80代の患者376人で、肝細胞が壊れると上昇する「アラニン・アミノトランスフェラーゼ(ALT)」という酵素量の変化と、コーヒーを飲む頻度を比較。ドリップコーヒーを1杯以上飲んでいた人は、飲んでいない人に比べ、1年後のALT値が正常値を維持していたり、低下したりした人が多かった。量を飲めば飲むほど、効果が上がっていた。理由は不明だが、缶コーヒーや、インスタント、カフェインが入っていないコーヒーを飲んでいた人では、効果があまりなかった。
研究チームの佐々木八千代准教授は「肝炎は10~20年で肝硬変に移行するとされており、さらに長期的な調査をしたい」と話した。これまでに同じチームの大藤さとこ講師がコーヒーに肝がんの発生を抑える効果があるとの研究成果を発表していた。
(2013年12月12日 産経新聞)