4月14日から熊本県を中心に発生した熊本地震は、未だに多くの方が避難生活を送られています。
医師や薬剤師、看護師などの医療スタッフも日本全国からボランティア活動に派遣されていますが、現場では聞きなれない言葉=「方言」を理解するのに苦労する場面もあるようです。
そこで今月の薬の話は、少し目先を変えて実際に医師が方言を理解できずに困ったことについて、日経メディカルが医師にオンラインアンケートを実施した結果報告の一部をご紹介します。
●茨城県土浦市で救急外来を受け持っていた医師より
「こわいんだよ」という患者がいたので、「怖くないですよ」となだめてもダメ。
後に、地元スタッフから「苦しい」という意味だったことがわかった。
●静岡県のある地域で勤務していた整形外科医より
「座薬をおしりに入れてね」といったら、味噌汁に入れて飲んでいた。
この地域では味噌汁のことを「おっしい」と言うらしく、間違って理解したようです。
●50歳代医師より
岐阜県西濃地方では、「嘔吐すること」を「紙を使う」というそうです。
「紙を使って何をするの」と戸惑った。
上記のように、ウソのようなホントの話もたくさんあるようです。
そのような中、60歳代の医師から和歌山県で「もじける」という言葉が分からなかった。「喉がはしかい」は未だに意味が分からないという回答もありました。
しかし、私は和歌山県出身ですので、「何故分からないのか?」と、こちらが不思議に思ってしまいました。「もじける」は、「壊れる」という意味ですが、標準語ではなかったんですね(笑)
「喉がはしかい」というのは、「喉がいがらっぽい」という表現になります。
このように地元の人にとっては何でもない言葉でも、地域が違う方にとっては意味が分からないという問題もあることが改めてわかりました。
緊急災害へのボランティア活動には、例えば医療支援活動の場合でも、医療支援だけのことを考えるのではなく、地元スタッフの協力も必要であることが改めて認識いたしました。
ちなみに、この度の熊本地震では、知っておきたい方言をまとめた「熊本支援方言プロジェクト」を立ち上げ、ウェブサイトで公開しているそうです。