冬に食べたくなるあったかい鍋料理にも使われる水菜は、寒い今の季節が旬です。
シャキシャキとした食感で、鍋だけでなくサラダや肉・魚料理など幅広い調理法で親しまれています。
古くから京都で栽培されていた京野菜の一つですが、肥料を使わずに水と土だけで栽培されていたことから、水菜という名前が付けられたと言われています。
今回は、そんな京野菜・水菜の健康成分についてご紹介します。
<ビタミン・ミネラルが豊富!>
水菜に豊富に含まれているのは、βカロチンやビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化作用がある成分です。
抗酸化作用は身体のサビ付きを防ぎ、アンチエイジング・生活習慣病・がんの予防に役立つと言われています。
また、ビタミンCはコラーゲンの生成を促して、しみやそばかすを防いで美肌づくりにも良い効果があります。
さらに、βカロチンとともに粘膜や免疫力を強化し、風邪予防やストレス解消にも効果を発揮しますので、寒い時期には意識的に摂取したい成分です。
水菜には、ビタミンだけでなく、ミネラルも豊富に含まれています。
体内の余分な塩分や水分を排出するカリウム、骨や歯の生成に欠かせないカルシウム、貧血予防に役立つ鉄分などが含まれています。
鉄分は、ビタミンBやビタミンCと一緒に摂ると吸収が良くなりますので、豚肉やレモンなどの柑橘類などと合わせて食べるのをおすすめします。
不溶性の食物繊維も豊富で、腸の動きを活発にして便秘改善や整腸作用も期待できます。食物繊維はコレステロール値の低下や血糖値の上昇抑制なども期待できますので、生活習慣病予防にも嬉しい成分です。
<水菜に辛味成分がある!?>
水菜を食べるとほんのりと辛さを感じることはありませんか?その辛さの正体はアリルイソチオシアネートです。
アリルイソチオシアネートは、わさびやからし、大根などの辛味成分として知られる成分で、抗菌作用や抗がん作用、血栓予防作用などがあります。
中でも特に抗菌作用は強いと言われており、あの毒性の強い腸管出血性大腸菌O-157やカビなどに対しても抗菌効果があるとされています。
消臭作用もあるので、肉や魚と一緒に料理をすると生臭さが消えて食べやすくなります。
<クロロフィル&水菜ポリフェノール>
そして、水菜に含まれる成分で特徴的なもののとして、クロロフィル(葉緑素)と水菜ポリフェノールがあります。
クロロフィルは、抗酸化作用だけでなく、血中のコレステロールが血管に付着するのを防ぎ、体外への排出を促す作用があり、コレステロール値を下げる効果が期待できます。
水菜ポリフェノールは、紫外線などで傷ついた皮膚細胞に直接はたらきかけ、破壊された細胞を素早く修復してくれます。そのため、肌の新陳代謝が促進され、正常な肌に素早く戻すことができるとされており、特に30代以降の肌に効果があると言われています。
このように、とても健康に良い野菜の一つである水菜ですが、どちらかというと身体を冷やすと言われている野菜ですので、身体に良いからといって極端な食べすぎにはご注意ください。
江戸時代の頃から京都で栽培され、京野菜の一つでもある水菜は、非常に栄養価の高い野菜です。
それほどクセもなく、食感が良くて食べやすい野菜ですので、生食でも鍋料理でも様々な調理法でぜひ積極的に食べてみてはいかがでしょうか。