ヒトの網膜の細胞と血管の細胞を培養し、栄養が足りない状況にすることで、失明の恐れがある 滲出 型加齢黄斑変性につながる状態を再現できたとする研究結果を東北大学の研究チームがまとめた。
新薬開発への応用が期待される。
滲出型加齢黄斑変性は、視力をつかさどる「黄斑部」に異常な血管が伸びて傷つけられる病気で、国内の推定患者数は約70万人。
同大学准教授の梶弘和さん(バイオデバイス工学)らのグループは、細かい穴の開いたシリコーンゴム製のチップで、ヒトの網膜の細胞と血管の細胞を培養。細胞が成長したところで、栄養となる血糖や酸素が足りない状態にした。すると、チップを境にして網膜の細胞と分かれていた血管の細胞が反対側に入り込み、網膜の細胞を破壊する様子が確認できた。
(2017年6月22日 読売新聞)