蓮根は1年を通して流通していますが、その旬は9月~10月でそこから冬場に多く食べられます。
蓮根には、夏の暑さで弱った胃に優しい成分もありこの時期にお勧めの食材です。
今日は、その旬の栄養価の高い蓮根についてご紹介します。
◆蓮根の名前の由来とおせち料理で食べる訳は?
蓮根とは、蓮の根の地下茎が肥大した部分を指します。見た目は、根のようなので「蓮の根=蓮根」と
いわれるようになりました。9月~旬の蓮根が冬場に多く食べられるわけは、おせち料理が関係します。
蓮根をおせち料理で食べる理由は、蓮根の形状が関係しています。輪切りにした時、真ん中に1つとその回りに8~9個ほど穴が並んでいて、向こうがよく見えることから「先(将来)が見える、先(将来)が見通せる」という縁起を担いで食べられます。
◆蓮根に含まれる栄養素について
蓮根には、レモン汁1個分(50mg/100g)とほぼ同じ量のビタミンC (48㎎/可食部100g当) が含まれています。
水溶性で熱に弱く調理の過程で失われやすいビタミンCですが、蓮根はデンプンが多いため残存率が高く比較的壊れずに摂取できます。また、カリウム、銅、鉄、亜鉛などのミネラルを多く含み、特にカリウムには利尿作用もあるので、暑くて水分を取り過ぎ、むくんでしまった身体にも効果的です。
◆蓮根がなぜ胃に優しい・・・?
蓮根は、胃の粘膜を保護するムチンや腸を整える食物繊維が多く含まれます。
*ムチンとは…
納豆やオクラ・山芋やなめこなどに含まれるヌルヌル成分で、
多糖類のガラクタンやマンナンなどがたんぱく質と結合した
糖たんぱく質(粘液糖たんぱく質)です。
胃粘膜の保護・修復や、たんぱく質や脂肪の消化を促進する働きがあり、他には右記のような効果も期待されます。
夏バテで疲れた身体や、暑さで食が細くなり弱った胃に優しいので、積極的に摂取していきたい食材ですね。
しかし、ムチンは熱に弱い性質ですので、出来るだけ短時間の加熱の方がよいとされています。
おすすめの食べ方としては、ムチンにはたんぱく質を効果的に吸収する効果もありますので、さっと湯通しした蓮根と大豆のサラダや、もしくは、溶け出した栄養素を汁ごと食べられるポトフなどがオススメです。
◆蓮根の調理時の注意点とおすすめ!
蓮根には、ポリフェノールの一種のタンニンが含まれます。そのため、切ってしばらく置くと切り口が青くなり見栄えが悪くなります。この変色を防ぐ為には、水や酢水に10分ほど浸け空気と遮断すると防げます。
また、蓮根の茹でた後の食感を良くする為に、お酢を入れてお湯をアルカリ性にすることで食物繊維の流出を防ぎシャリシャリとした食感を残すことが出来ます。
私達の胃腸は、生のデンプンを消化出来ないため生で蓮根を食べるとお腹を壊してしまうことがあります。
調理に気をつけて、旬の美味しくて身体に優しい蓮根をぜひ召し上がってみてください。