全身の筋肉が徐々に衰える難病・筋ジストロフィーの中で、最も患者数が多い「筋強直性ジストロフィー」が発症する仕組みを解明したと、大阪大の中森雅之助教(神経内科)らのチームが発表した。
免疫に関わるたんぱく質が異常に分泌され、筋肉を 萎縮 させていた。治療薬の開発につながる可能性があるという。論文は1日付の米科学誌「セル・リポーツ」電子版に掲載された。
筋強直性ジストロフィーは成人後に発症し、患者数は国内で1万人以上とされるが、根本的な治療法はない。患者からは、共通する遺伝子の特徴が見つかっていたが、どうして発症するかは不明だった。
中森助教らは、重症患者10人から採取した筋肉の細胞を詳しく調べた。その結果、インターロイキン6(IL6)というたんぱく質が大量に作られていることがわかった。IL6には激しい免疫反応を引き起こす作用があり、筋肉を維持するバランスを崩しているらしい。IL6の働きを抑える薬は、関節リウマチの治療で広く使われており、応用が期待できるという。
国立精神・神経医療研究センターの木村 円 室長の話「難病のメカニズムを明らかにした重要な研究だ。ただ、一般的に難病については不明な点も多く、治療法の確立には時間がかかるだろう。産官学が協力して取り組むべきだ」
(2017年11月2日 読売新聞)
