ご存知の通り、高齢者の方は若い方に比べてインフルエンザワクチン接種してもインフルエンザに対する免疫ができにくく、ワクチンを接種していてもインフルエンザウィルスに感染することがあり、感染すれば重症化することも多くみられます。
そこで、ワクチンを接種した方が、インフルエンザウィルスに感染するリスクを少なくするために、インフルエンザウィルスに対する抗体価を高めることが重要です。
米国ミシガン州立大学で実施されたヒト臨床試験では、ワクチン接種の直後からAHCCを摂取することで免疫応答を高めることが分かり、特に60歳以上の被験者では60歳以下の被験者に比べて免疫細胞である2種類のリンパ球(CD8+T細胞、NKT細胞)の数が2倍になりました。これは、加齢の影響により免疫応答が低下しているシニア層では、ワクチンとAHCCの併用で免疫応答が良くなったと考えられます。
AHCCのメーカー(株式会社アミノアップ化学)の学術開発室長の高成準氏によると、
「AHCCを摂取している人では、IL-12やIFN-γといった細胞性免疫の働きを好転化するサイトカインが盛んに産生されることが分っており、米国ミシガン州立大学での臨床試験の結果は、こうした作用メカニズムが関係していると考えられます。近年では、免疫細胞の1つであるマクロファージの増殖促進とその機能の好転化、白血球の増殖促進と腫瘍攻撃力増強、NK細胞の機能の好転化といった作用があることも基礎研究レベルでは分っています。」と解説しています。
その他、インフルエンザワクチン接種後の高齢者に対するインフルエンザウィルスに対する抗体価を高めるサプリメントとして、昨年11月号でご紹介したメカブフコイダンの試験結果も知られています。
特別養護老人ホームの入所者67名を無作為に2群に分けて、インフルエンザワクチン接種後にメカブフコイダン摂取した方と、外見が類似した食物繊維を摂取した方で、ワクチン接種1ヵ月後のインフルエンザ抗体量を測定したところ、メカブフコイダン摂取群は、対照群と比較して全員上昇していることがわかりました。
しかも、対照食を摂取していた方が欧州医薬品庁が定めるインフルエンザワクチンの有効性を充たす基準の抗体量が産生されていなかった株に対しても、メカブフコイダンを摂取していた方は全員基準を充たしていました。
この事は、「インフルエンザワクチンを接種したにも関わらずインフルエンザに感染するというリスクを低減する」ことを示唆しています。
AHCCやフコイダンなどのサプリメントが、インフルエンザ感染リスクや感染後の重症化リスクの低減に役立つことを期待いたします。