なんだか過激で誤解を招きかねないタイトルですが、がん治療において補完代替医療の一環でサプリメントを
使用している方の気持ちを、改めて理解させていただいた出来事がありましたので、私見として記載しました。
お薬はもちろんのことですが、いわゆる健康食品(サプリメント)においても、補完代替医療という分野が
広まるにつれて、エビデンス(科学的根拠)の重要性について語られる医師や研究者が増えています。
これは、病気の方の治療を目的として使用することを考えると、当然のことと言えます。何も間違ったことではないということは言うまでもありません。
何の効果も期待出来ないものを使うこと、いや、効果がないだけならまだしも、健康被害を及ぼすようなものを使うわけにはいかないというのは、当然のことです。
そういう意味では、エビデンスが「あるのか、ないのか」という事は非常に大切な意味を持ちます。
そんな中で、「エビデンスなんて、くそ食らえ!」とは、一体どういうことか?
実は、私の父は、誤嚥性肺炎が原因で緊急入院して、約1ヶ月半の期間の入院生活の後に他界しました。
その間、色々と自分でも治療について調べ、あるいは自分の持っている知識の中から、治療方法を医師に提案
しました。
しかし、治る可能性はあっても、エビデンスがないからその薬は使いませんとのこと。
私がはじめに提案したのは、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)という薬です。
確かにしっかりとしたエビデンスはありませんが、父のように症状が悪化した初期の段階では、使用する医師もあり、効果が期待できる可能性もあると判断した薬です。
しかし、その後ずるずると1ヶ月ほど経過し、もうステロイドを使えるタイミングを逃してしまいました。
その後、肺が線維化して不可逆的に固まってきているので、もう回復の見込みがないといわれました。
そこで次に、もう回復の見込みがないというのなら、ヒートショックプロテイン(HSP)というタンパク質を体内で増やすことが期待できる「テプレノン(一般名)」という胃薬を使って欲しいと提案しました。
HSPは、簡単に言えば細胞を修復する作用などが期待できる物質です。
「テプレノン」は、HSPを増やす物質として既によく知られており、うつ病や認知症治療の分野では研究が
進んでいます。(健康スマイル 2015年3月号、2017年9月号参照)
胃薬として一般薬としても入手できる薬ですので、患者やその家族の責任のもとで使おうと思えば、使うことも出来るものですが、医師からは使用することを許されませんでした。
医師に内緒で使えるなら使いたかったのですが、父は人工呼吸器をつけたままだったため、鼻腔チューブから
入れなければならなかったので、内緒で使うことが叶いませんでした。
そして結局、父は他界しました。
当社ではHSPを増やすことが期待できるアスパラガス抽出物を配合したサプリメントを販売しているため、
HSPの勉強のために書籍を買い求めていました。そこには、HSPが肺線維症を改善させる可能性について
研究が進んでいることが記載されていました。即ち、肺が線維化してしまうと現時点では治療方法はないと
言われていますが、「テプレノン」によって線維化したコラーゲンを分解できる可能性について書かれて
いましたので、当たらずとも遠からずと感じました。
「テプレノン」を使っても結果は同じだったかも知れませんが、もしかすると少しでも改善できたかも知れま
せん。まだ誰も臨床で試したこともないので、現時点でエビデンスがないのは当然のことです。
医師が何も治療ができないというのなら、有害作用がないものは、せめて患者の家族の希望を聞き入れて使って欲しかったと感じました。
今回、私が経験したことと同じようなことを、当社のお客様からもよく耳にすることがあります。
末期のがん患者さんに対して、西洋医学的には治療の施しようがないと言いながら、医師がサプリメントを使用することを許可してくれないという相談です。
それは、医師の責任の問題もあるのかも知れませんが、西洋医学的にどうすることも出来ない患者さんでも、
補完代替医療分野の健康食品を使用(医師が許可した場合や、患者やその家族が内緒で使用したときを含む)
したとき、奇跡的に回復したという事実があることを忘れてはならないと思います。
ですから、「もし主治医が健康食品の使用を認めない場合でも、納得して健康食品を使いたいと思われるのなら、自己責任の中で医師に内緒であっても使用されるのも良いかも知れません」とお伝えしています。
ここで思い出されるのが、末期がんであるにもかかわらず、自らの判断で健康食品の使用だけで見事に回復した故清水妙正先生の言葉です。
「私は末期がんがサプリメントで治りました。ですから私にとっての効果は100%です。エビデンスなんて関係ありません。統計学的な治癒率が何%であれ関係ありません。患者が治りさえすれば、その人にとっては効果が100%なのです。大事なことは、自分に合う治療法を見つけることです。それはサプリメントであっても何でもいいんです。しかし、単なる噂だけの信頼性の低いものは避けるべきです。また副作用は怖いですから、そういう意味も含めて、安全な治療法を選ぶべきです。私はそれをサプリメントに決めたのです。」
この言葉には、自分の経験から発した言葉だからこそ重く私の心に響きました。
皆様も、単なる噂だけの健康食品(こういうものをエビデンスのない健康食品として区別して理解すべきだと
思います)の使用は避けるべきだと思いますが、基礎研究を含めて現時点で安全性が担保され、医師の使用実績があり、効果が期待できると思われるものであるなら、患者さんやそのご家族が使ってみたいと思うときは
使ってみるべきだと思います。そうしないと後悔だけが残るように感じます。
当社では、西洋医学でいうところのエビデンスは揃っていないものであっても、しっかりと前向きに研究が重ねられ、医師が補完代替医療として使用している実績があり、ケーススタディーとして症例が積み重ねられている健康食品の情報を可能な限りお伝えしていきたいと思います。
そして、それらを使用するのか、使用しないのかについては患者さんやそのご家族が自らの責任の中で判断されると良いと思います。
エビデンスは大切です。しかし、こだわりすぎることもないと思われる場合もあると思います。
一人でも多くの方のお役に立つことが出来るように、これからも精一杯の努力を重ねてまいります。