「偉い」シリーズも、「大豆は偉い」、「魚は偉い」、「乳酸菌は偉い」等、いろいろな食材を
ご紹介してきましたが、今回は「緑茶は偉い」をご紹介します。
お茶と言えば、今までは日本茶を思い浮かべる方が多かったと思いますが、最近では緑茶以外にも、ジャスミンティー・ウーロン茶・プーアル茶・紅茶・コーヒー・・・などいろいろなお茶の種類が出回っており、むしろ
日本人の緑茶離れも見受けられているようです。
そこで今回は、お茶の中でも緑茶、いわゆる日本茶の有用性について、改めて見直したいという意味で
「緑茶は偉い」を伝えします。
さて、前置きが長くなりましたが、皆様が緑茶の有用成分としてまず第一に思い浮かぶのは「緑茶カテキン」ではないでしょうか。
最近では、緑茶カテキンの抗菌作用を利用した「抗菌フィルター」や「抗菌マスク」などの
グッズ商品や、ダイエット目的に特保として認可されたお茶など、様々なカテキン製品を
見かけるようになりました。
緑茶カテキンは、ポリフェノールの一種で、お茶の苦味成分でもあります。
緑茶カテキンと一言で言っても、「エピカテキン」、「エピガロカテキン」、「エピカテキンガレート」、「エピガロカテキンガレート」などがありますが、その中でも、特に健康に対して研究されているのが「エピガロカテキンガレート」です。
その主な効果は下記の通りです。
【エピガロカテキンガレートの主な効果】
(1)抗ピロリ菌作用
(2)抗菌作用
(3)腸内細菌叢改善作用
(4)排便消臭作用
(5)歯周病改善作用
(6)生体内抗酸化作用
(7)がん予防効果
(8)体重抑制作用
しかし、緑茶の有用成分は「カテキン」だけでは
ありません。
最近注目されている成分のひとつに「テアニン」が
あります。
「カテキン」が緑茶の苦味成分であるのに対して「テアニン」は緑茶のうまみ成分となっています。
「テアニン」の作用でよく知られているものに「抗ストレス作用」があります。お茶を飲むとホッとするというのも「テアニン」の作用によるものです。「テアニン」は、脳細胞を保護し、脳をリラックスさせる作用や睡眠を改善する作用、高血圧緩和作用などが知られています。これらの作用は、テアニンを摂取することにより脳内で抗ストレス作用としてよく知られているGABA(γアミノ酪酸)やグリシンなどの神経伝達物質が増えることによるものと考えられます。
このように緑茶に含まれる「苦味成分」、「うまみ成分」のいずれにも健康に良い効果が期待できる成分が含まれていますので、やはり「緑茶は偉い」と言えるのではないでしょうか。
2015年に「緑茶を飲む習慣が死亡リスクを減らし、長寿につながる」という
研究結果が国立がん研究センターから発表されています。この研究で死因別に
調べたところ「心疾患」、「脳血管疾患」、「呼吸器疾患」では、緑茶を摂取する量が
多くなるほど危険度が有意に低下したということです。
海外でも緑茶のがん予防効果をはじめ、様々な詳細な研究が進んでいますが、
どうも日本人は身近なお茶であるがゆえに、その良さを忘れかけているように
思われます。
この度、「偉い」シリーズに、「大豆」、「魚」に加えて「緑茶」が仲間入りいたしました。
次の「偉い」シリーズには何が仲間入りするでしょうか?
今回は、「日本茶を見直そう」というサブタイトルでしたが、そのうちにも「和食を見直そう」ということに
つながってきそうな予感がいたします。