花粉症は、植物の花粉を抗原として発症し、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどを主症状とする季節性のアレルギー疾患です。
原因となる花粉は、スギ・ヒノキ・イネ科植物・ブタクサなどがありますが、日本で最も多いのはスギ花粉症で2月~4月が花粉の飛散が多い時期となります。
2008年の調査では、何と4人に1人がスギ花粉症を発症しているという報告もあり、現在では有病率のさらなる上昇も指摘されている中、2017年に東京都が公表した花粉症調査報告書で、2人に1人という推定有病率を報告しています。もはや花粉症は「国民病」ともいえる疾患となっています。
それでは、この花粉症をどのように防いだら良いのでしょうか?
ご存知の方が多いかも知れませんが、花粉症対策として一般的に知られていることを、まずは整理しておきましょう。
(1)花粉症の症状が出る時期には、可能な限り外出を控える。
(2)外出するときは、マスクや防護眼鏡を着用する。
(3)表面が毛羽立ったコートを着て外出しないようにする。
(4)帰宅時は衣服をよく払ってから入室し、すぐに洗顔とうがいを行う。可能ならシャワーを浴びる。
(5)玄関には、空気清浄器を設置しておく。
(6)布団や洗濯物は室内で干す。
(7)清掃をまめにする。床などは濡れ雑巾を使用する。
・・・等々があります。要は、可能な限り原因となる花粉を避けることです。
これらを実行しつつ、お薬の使用も避けられません。
花粉症のお薬の代表格は、抗ヒスタミン剤と言われるお薬ですが、このお薬の一番の弱点は、「眠気」で、これに代表される様々な副作用が出やすいことです。
しかし、これらの従来のお薬の副作用を軽減した「第二世代抗ヒスタミン薬」というお薬があります。
最近、テレビのCMでもよく見かける「フェキソフェナジン(商品名;アレグラ)」もこの仲間に入ります。その他にも、「ロラタジン(商品名;クラリチンなど)」、「ビラスチン(商品名;ビラノア)」、「デスロラタジン(商品名;デザレックス)」や、貼り薬のアレサガテープなどがあります。
これらのお薬は、比較的速効性があって持続時間も長く、眠気などの副作用が少ないのが特徴です。
その他、症状に応じて、点鼻薬や点眼薬を併用します。
また、最近では免疫寛容状態の誘導を目的としたアレルゲン免疫療法も注目されています。
いまや国民病と言われている花粉症ですが、昨シーズンまで何ともなかったのに、今年になって突然症状が現れるということもあります。もはや花粉症は他人事ではありません。
つらいこの時期を工夫しながら、何とか乗り切っていきたいものですね。