いよいよ夏本番の季節を迎え、ナスやきゅうりなどといった夏野菜が美味しい季節になりました。
定番の夏野菜に比べると少し目立たない印象ですが、「ネバネバーっ」としていて、さっぱりとした
味わいで楽しめる「オクラ」も夏野菜の一つです。
今では年中食べることのできるオクラですが、本来の旬は、6~8月と暑い時期の夏野菜です。
今回は、食欲が落ちる夏の健康管理にも役立つ成分が含まれているオクラの健康成分についてご紹介します。
★オクラってどんな野菜?
オクラは2000年前にはエジプトで栽培されていたとも言われている、歴史の長い野菜です。
日本には江戸時代末期から明治時代に入ってきたといわれていますが、最初は観賞用やオクラの完熟種子をコーヒーの代用品として使われていました。
オクラが食用として広まったのは1970年代で、生野菜を食べるサラダや健康志向による食習慣の変化の中で、一般家庭でも食べられるようになってきました。
ところで、「オクラ」と聞くと日本語のような響きの言葉ですが、実は英語のOkraをそのまま読んだものです。
日本で古来から親しまれているというよりは、最近広まった野菜というのも、「オクラ」という英語がそのまま使われていることから感じられる気がしますね。
★オクラといえばあの「ネバネバ」
オクラの特徴といえば、あのネバネバではないでしょうか。
ネバネバの正体は、ペクチンという食物繊維や、ムチンという成分です。
ペクチンは、水溶性の食物繊維で、整腸作用や、コレステロールを低下させたり血糖値の上昇を抑えるといった作用がありますので、お腹の調子が良くない時や、生活習慣病の予防に役立つ成分です。
長芋に含まれる成分としてもよく知られているムチンは、人の粘膜にも含まれている成分でもあり、胃の粘膜を保護してタンパク質の吸収を促すなど、胃を守る作用があります。
暑さや冷たいものを食べ過ぎて弱った胃には、ぜひ摂りたい成分です。
★ビタミン・ミネラルも豊富な「優等生野菜」です!
オクラにはβカロテンが豊富に含まれています。
βカロテンは強い抗酸化作用があるだけでなく、体内に入るとビタミンAに変換され、粘膜や皮膚の保護、免疫機能の強化や視力の維持などにも役立つ成分です。
他にも、ビタミンB1、ビタミンC、カルシウム、鉄など、ビタミンやミネラルもバランスよく含んでいるので、疲労の回復やミネラル補給にも役立ちます。
そして、夏野菜の特徴でもあるカリウムもしっかり含まれています。
カリウムは体内の塩分を排出し、高血圧の予防や身体を冷やす作用などがあります。
オクラは、夏野菜の中ではカリウムの含有量は少ないほうではありますが、カリウム制限などの食事療法を
されている方や、妊娠中の方、胃腸が弱く身体が冷えがちな方は、食べ過ぎないように注意が必要です。
オクラには体に良い成分が多く含まれており、塩もみで産毛を取ってから生で食べたり、さっと茹でて和え物にするなど簡単な調理で食べられます。
夏は食欲が落ちやすく十分に栄養を摂ることができないことも多い季節です。
さっぱりと食べやすくて栄養価も高いオクラを、積極的に食べてみてはいかがでしょうか。