手足の震えや体のこわばりなどの症状が出る難病パーキンソン病の新薬候補を、大阪大学などのチームが見つけた。病気の症状が出るマウスの脳内に入れると、手足の動きが改善したという。
パーキンソン病の約1割は遺伝性で、「αシヌクレイン」というたんぱく質をつくる遺伝子の数が他の人より多い。αシヌクレインが脳内に過剰にたまると病気を引き起こすと考えられており、たんぱく質の増殖を抑える研究が進んでいる。
阪大の望月秀樹教授(神経内科)らは、たんぱく質が作られる途中にできる「リボ核酸(RNA)」に注目。RNAとくっつき、たんぱく質の合成を抑える「核酸医薬」の候補となる物質を発見した。
この物質をαシヌクレインが脳内にたまった状態のマウスの脳に入れると、入れなかったマウスと比べ、歩行や手先の動作などの行動障害が、およそ4~5割改善したという。
(2019年7月17日 朝日新聞)