健康を支える3大要素は、「食事」、「運動」、「睡眠」と言われています。
その中でも、特に最近では、睡眠と健康の関係について注目されています。すなわち、ストレス社会と言われる今日において、「睡眠の質の低下」と「免疫力の低下」や「認知症」との関係などもわかってきました。
最近気になるのは、若い世代の方でも睡眠薬を服用しているというお声を聞く機会が増えているように感じます。
また、超高齢化社会を迎える中で、大きな課題となっているのが「認知症」への取り組みです。今のところ、認知症の根本的な治療法はなく、その周辺症状の対応が大きなカギを握っています。
認知症の周辺症状は、「被害妄想」、「自閉」、「幻覚」、「抑うつ」など様々ですが、その中でも、昼夜逆転や夜間徘徊などの睡眠の問題への対処が最も大切と考えられています。
なぜなら、日中に眠気が強くなることで生じる記憶力の低下をはじめ、睡眠の問題は他の周辺症状を悪化させる要因にもなります。
認知症の方が夜間覚醒を促す原因は、実は「睡眠時こむらがえり」、「むずむず脚症候群」、「睡眠時無呼吸症候群」などの他、「日中の運動不足」や「お薬による副作用(抗アレルギー剤など)による日中の眠気」など様々ありますが、それらが原因の夜間覚醒が単なる不眠症と誤診されてしまうことや、家族から「夜間徘徊の訴え」があれば睡眠薬や向精神薬を投与されることも珍しくありません。
しかし、これらのお薬を服用することにより、ますます認知症の症状が悪化することもありますので、不眠を訴える根本的な原因は何なのかをしっかりと見極める必要があります。
そのためには、やはり専門の医師の診断が重要になりますので、認知症治療を行う場合は、介護するご家族等と専門医との密接なコミュニケーションが大切になるのではないでしょうか。