10月に入ると、いよいよ秋本番となり、様々な旬の味覚を楽しめる季節です。
そんな秋に旬を迎える果物の一つが柿です。昔から、柿は非常に栄養価が高い果物として食べられてきました。
柿が実ると病院に行く人が減ることを表す「柿が赤くなれば、医者が青くなる」ということわざがあるほどです。
今回は、秋の味覚の中でも昔から親しまれていて、栄養価も高いと言われる果物、柿の健康成分についてご紹介します。
★柿といえば、渋み成分のタンニン
タンニンは柿渋ポリフェノールと呼ばれる成分の一つで、抗菌・消臭作用などがある成分として、化粧品などにも使われていますが、その他にも様々な健康作用が期待できる成分です。
<血中コレステロール低下と血流改善に!>
血中の悪玉コレステロールそのものを減らすように働いて、高脂血症を防ぎます。そのため、動脈硬化を予防し、血圧を下げることが期待できます。さらに、活性酸素が血中の脂質を酸化させるのを防ぎ、毛細血管を丈夫にする作用もあるため、血流の改善にも役立ちます。
<脂肪の酸化防止に!>
脂肪の酸化を防止する働きがあります。そのため、血中の脂質である「コレステロール・中性脂肪」などと活性酸素が結びついて悪玉過酸化脂質を作らせないようにします。そして、身体の老化のスピードをゆるめ、シワ・白髪が増えるのを抑えたり、内臓の機能が衰えたりするのを抑える作用が期待できます。
<二日酔いの防止・緩和に!>
タンニンは、二日酔いの原因とされるアセトアルデヒドと非常に結びつきが強く、体内に残留するアセトアルデヒドを除去し、二日酔い対策に良い成分としても知られています。
★意外?!柿にはビタミンCがたっぷり!
ビタミンCといえば酸味のある柑橘類に含まれる成分としてよく知られているため、柿にビタミンCが多く含まれているイメージはないかもしれませんが、柿100gあたりに含まれるビタミンCは70mgで、いちご62mg、レモン50mg、みかん35mgと、ビタミンCが多く含まれていると言われる代表的な果物と比べても柿がビタミンCを多く含んでいることが分かります。
ご存知の通り、ビタミンCといえば、抗酸化作用や免疫力アップ、抗菌作用、粘膜の保護、疲労回復作用などが期待できますので、これから寒くなって風邪が気になる季節には摂っておきたい成分です。
ビタミンCは肌のシミ・シワ対策や老化防止作用も期待でき、美肌や美容にも良い成分です。
寒さと乾燥が気になるこれからの季節は、健康と美容のためにも、柿でたっぷりとビタミンCを摂るのも良いのではないでしょうか。
★柿は生活習慣病予防にも良い果物?!
その他にも柿には、ペクチン、カリウム、ビタミンB1・B2、ビタミンK、βカロテンなど様々な健康に役立つ成分が豊富に含まれています。
ペクチンは食物繊維の一つで、腸内環境改善が期待できます。カリウムは体内の塩分を排出する作用があり血圧低下につながるだけでなく、神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節などの働きをしています。
その他のビタミン類などと合わせて、日ごろの健康維持や生活習慣病予防にも摂っておきたい成分が、柿には
多く含まれています。昔から栄養価が高いと言われているのも頷けますね。
柿に含まれる健康成分をご紹介してきましたが、柿はあまり消化が良くなく、身体を冷やすと言われている食材ですので、胃腸の弱い方や病後の方は、特に食べ過ぎにご注意ください。また、タンニンは鉄分の吸収を阻害してしまう場合もありますので、鉄分を必要とされる人や貧血気味の人は、食べ過ぎないようにご注意ください。
適度に美味しく旬の柿を食べて、健康に良い成分をたっぷり摂りましょう。