本格的に寒い日が続いていますが、寒いときに食べたくなる鍋料理だけでなく、味噌汁や炒め物など様々な料理に使われる定番野菜の一つが、ネギです。
ネギといえば、冬になると風邪予防に良い野菜としてよく紹介されていますが、実はそれだけではない栄養
たっぷりの野菜です。今回は特に今の季節だから食べておきたい、ネギの健康成分についてご紹介します。
★ネギの旬は冬!今が美味しくて栄養価が高くなる時季です
ネギ、と聞くと、どのようなネギを思い浮かべますか?
鍋などに定番として入っている白ネギ(長ネギ)、薬味などで利用されることが多い青ネギ(万能ネギ)、の二つのどちらかを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
一般的に白ネギは太くて下の部分が白、先の方が緑色になっていて、火を通すと甘みが出るため、鍋物や炒め物などによく使われます。
一方で、青ネギ(万能ネギ・小ネギ・細ネギ)は細くて緑の部分が多く、香りが良いため薬味によく使われます。
今では季節を問わず食べることができますが、本来の旬は11月から2月にかけての冬になります。
★ネギといえば独特の香り成分「アリシン」
ネギはもともと中国が原産で、昔からその薬効が知られてきました。
ネギを食べると、消化液の分泌を促して食欲を増進させ、体を温める効果があります。
これは、ねぎ独特の香りや辛み成分であるアリシンによるもので、白ねぎに特に多く含まれます。
体を温める効果とともに、年末年始を含めてついつい胃に負担をかけやすい時季には有り難い作用です。
アリシンの作用はそれだけでなく、ビタミンB1、B2の吸収力をアップさせる効果や、免疫力を高める働きもあると言われています。
アリシンは白ネギの方に多く含まれています。アリシンは加熱すると減少されると言われていますので、アリシンをたくさん摂りたい場合は、なるべく生に近い状態で食べるのがお勧めです。また、ネギを切った後に水にさらしておくと、アリシンも流れ出してしまいますので、なるべく短時間にするのがお勧めです。
★ネギにはビタミン・ミネラルもたっぷり
ネギには、カロチン・ビタミンB群・ビタミンCや葉酸などのビタミン類、カルシウム・鉄・カリウムなどのミネラルなども含まれています。
ネギの緑色の部分には活性酸素の働きを抑えるβ-カロテンが含まれています。
β-カロテンからつくられるビタミンAは、強い抗酸化力があり、有害な活性酸素を消去し、老化やがん予防に
役立つといわれています。
ビタミンCは、皮膚や粘膜を保護して疲労回復に役立つだけなく、肌を若々しく保つ美容作用を持っています。
葉酸はビタミンB12と協調して正常な赤血球を作り、成長を促進します。ビタミンB1、B2は、エネルギーの代謝や、脂質代謝、糖質代謝を助けるので、疲労回復や血行促進も期待できます。
ネギには、健康維持だけでなく美容にも役立つビタミン・ミネラルがたくさん含まれていますので、冬には特にお勧めの野菜の一つです。
昔から、風邪をひいたりして喉が痛いとネギを首に巻く、という対処法を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。ネギを首に巻くことで、ネギの表面や切り口などからアリシンが揮発し、様々な効能があると考えられたことによるものだと思われますが、実際には匂いやアリシンの刺激で目や鼻を痛めてしまうこともありますから、喉に巻くよりもしっかりと食べることで、元気に冬を乗り切りましょう!