2019年10月に行われた「米国消化器病学会」において、コーヒーを摂取すると腸内細菌叢のバランスが改善する可能性があることをベイラー医科大学消化器内科准教授らによって発表されました。
近年、カフェイン摂取により2型糖尿病やがん、パーキンソン病などの発症リスクの軽減や、腸内細菌叢の組成を変える可能性があることが報告されていることを受けて、この度、コーヒー摂取と腸内細菌叢の変化について研究が行われました。
この度の研究の特徴は、「便サンプル」の分析ではなく、「大腸内視鏡による組織の採取」により、直接的に腸内細菌叢の組成を分析したところにあります。
その結果、コーヒーを1日2杯以上飲んだ人は、それ以下の人に比べて腸内細菌叢のバランスが優れていることが分かり、腸内細菌叢は抗炎症的で肥満と関連する細菌の存在の可能性も低かったとのことです。
ただ、なぜコーヒーが腸内細菌叢に良い影響を及ぼしているのかという詳細は分かっておらず、この度の発表ではコーヒーに含まれる「カフェイン」に注目しているものの、コーヒーには、カフェイン以外に、例えばクロロゲン酸などのポリフェノールが豊富に含まれていますので、それらの成分による影響かも知れません。あるいは、コーヒーに含まれる様々な成分との相互作用による効果かも知れません。
まだまだ分かっていないことも多いですので、コーヒーが良いからと言って、飲みすぎるのも考えものです。
コーヒーの飲み過ぎは、かえって胃の具合を悪くしたり、眠りにくくなったりと様々な悪影響を及ぼすことも考えられます。
いつもお話している通り、「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」で、適量の摂取が良いと思います。
また、今回ご紹介した内容は、学会発表によるものですので、いわゆる「査読付き論文」に掲載された内容ではございませんので、参考としてご理解ください!