米国の製薬会社バイオジェンは、2020年の承認申請を目指しているアルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ」について、認知機能の低下を約2割抑えられた、という治験(臨床試験)の結果を公表した。米食品医薬品局(FDA)が承認すれば、長期に症状の悪化を抑えられる初めての薬が誕生すると期待される。
認知症全体のうち、6割以上をアルツハイマー病が占める。異常なたんぱく質「アミロイドベータ(Aβ)」が脳内にたまり、神経が傷ついて発症、進行するとみられている。申請を目指す薬は、異常なたんぱく質を取り除く働きを持つという。
バイオジェンは17年10月から、国内の製薬大手エーザイと共同開発している。
バイオジェンは、4~7日に米国で開かれた学会「アルツハイマー病臨床試験会議」で、早期のアルツハイマー病の患者らを対象にした治験の詳しい結果を報告した。薬を使わなかった約550人に比べ、使った約550人では1年半後、認知機能の低下を22%抑えられた。
(2019年12月11日 読売新聞)