いよいよ11月となり、寒い日も増えてきました。そろそろ、鍋料理が食べたくなる時期ではないでしょうか。
鍋料理に入れる定番野菜の一つが白菜です。年中食べられますが、特に冬には大活躍する野菜ですね。
今回は、調理方法も多彩で美味しくいただける白菜についてご紹介します。
★白菜は昔からの日本の食材?
白菜と言えば、鍋料理はもちろん、漬物や炒め物など、日本では定番の野菜として多くの人が食べたことがあるのではないでしょうか。そのため、昔から日本にある食材だという印象がありますが、実は地中海地方が原産で、中国を経て明治時代に日本に入ってきた海外の野菜です。その後、日清戦争や日露戦争で大陸に従軍した兵士たちが持ち帰ったのがきっかけで、大正時代ごろから日本国内で広く食べられるようになりました。意外かもしれませんが、比較的、日本での歴史は浅い野菜だと言えます。
現在、日本で収穫量が多いのは茨城県と長野県で、2つの県で全国の収穫量の半分以上を占めています。
★低カロリーでビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富
白菜は成分の多くが水分で糖質が少なく、カロリーも低い食材です。また、食物繊維が多く、整腸作用や便通改善の作用も期待できますので、ダイエット食としてもよく用いられる野菜です。
その他にも、体の抵抗力を高めて風邪予防に役立つビタミンCや、止血したり骨を丈夫にするビタミンK、ナトリウムの排出を促進して高血圧を防ぐ働きをするカリウム、胎児の正常な発育に不可欠なビタミンである葉酸などが豊富に含まれており、いろいろな栄養素をまんべんなく含んでいる野菜だといえます。
★辛くないのに、白菜に辛み成分?
白菜に辛み成分と言われても別に辛くない、と思われるかもしれませんが、白菜はアブラナ科の野菜なのでブロッコリー、だいこん、わさびなどのアブラナ科の野菜に共通している辛みや苦みの成分が含まれています。しかし現在は品種改良などによって辛みは抑えられているため、色々な料理に合わせやすい野菜になっています。
この辛み成分であるイソチオシアネートは、肝臓や腸管などの臓器に解毒酵素を誘導し、がんの発症リスクを低減させるといわれています。日本の国立がん研究センターによる疫学調査では、白菜などをたくさん食べるグループは胃がんのリスクが若干低下すると報告されています。
さらに、イソチオシアネートは胃の消化を促進する作用があると言われています。
白菜は煮込むと柔らかくなり消化も良いので、胃腸の弱い方にはピッタリの野菜ではないでしょうか。
★白菜の斑点、食べても大丈夫?
ところで、白菜に黒い斑点のようなものがついているのを見たことがありませんか?
見た目はちょっと良くないかもしれませんが、斑点の正体はポリフェノール類の塊ですので、食べても問題ありません。
また、時々、白菜が苦いと感じることはありませんか?
実は品種改良されてきた白菜でも、突然原種に近い状態で苦みの強いものができてしまうことがあるそうです。
しかし苦み成分であるイソチオシアネートが増えてしまっている状態ですので、食べるのには問題はありませんが、気になる場合は、煮込んだり塩もみすれば気になりにくくなります。
また、白菜がカットされてから時間が経つと苦みが増えてしまうことがあります。色味が悪くなっていたりしなければ問題ありませんが、カットしたら早めに食べるようにした方が良いですね。
一度に食べきれない量であれば、ざく切りにして硬めに茹でてから、保存袋などに入れて冷凍すれば1か月ほどは保存できます。
冬に大活躍の白菜は、体に良い成分も含まれています。ぜひ積極的に食べてみてはいかがでしょうか。