~ヒートショックプロテイン増強効果に伴う話題~
アスパラガス抽出物は、ストレス応答たんぱく質であるヒートショックプロテイン(HSP)、とりわけHSP70を体内で特異的に誘導することがわかっており、その作用により抗ストレス効果、睡眠の質を高める効果、認知機能予防・改善効果など様々な有用性が期待される健康食品素材として話題を集めています。
ヒートショックプロテイン(HSP)と言えば、岡山理科大学の研究グループがうつ病に関わるタンパク質として世界で初めて報告されて話題になりました。
アスパラガス抽出物の機能性研究が継続的に実施されている中で、この度発表された新たな研究成果の一部を2点ご紹介させて頂きます。
さて、アルツハイマー型認知症の原因物質としてアミロイドβが知られていますが、アミロイド前駆体たんぱく質を過剰に発現させるモデルマウスを用いたモリス水迷路による認知機能の評価を行った実験で、アスパラガス抽出物を投与する事により記憶力が回復する事が確認されました。
このモデルマウスでは、アミロイドβ、タウタンパク質などの上昇に伴って認知機能が低下することが確認されており、アスパラガス抽出物投与群ではヒートショックプロテイン(HSP)が増加し、アミロイドβ、タウタンパク質などのレベルを低下させ、神経保護作用を有することが確認されました。
さらに海馬においてはアスパラガス抽出物投与によりHSP70遺伝子の発現が有意に増加したことも報告されました。
次に、9月13日にScientificReports誌オンライン版に掲載された、北海道大学大学院農学研究院の高橋昌志教授らによる報告をご紹介いたします。
アスパラガス抽出物は熱ショック非依存的にヒートショックプロテインを誘導することが知られていますが、ヒートショックプロテインは同時に細胞内酸化ストレスを低下させ、卵巣内の黄体から分泌される生殖ホルモンのプロゲステロンの産生を増加させることがはじめてわかりました。
暑熱ストレスは、細胞内酸化ストレスを増加させ、哺乳類の生殖機能を低下させることはすでに知られています。
一方で、通常暑熱ストレスによって上昇するヒートショックプロテイン(HSP70)の活性を阻害することでも細胞内酸化ストレスが増加します。
興味深いことは、暑熱ストレス(熱ショック)とアスパラガス抽出物を同時に与えると、暑熱ストレス(熱ショック)時に見られた活性酸素の増加に伴った核DNA損傷などの細胞障害が顕著に低下し、同時に酸化ストレスを減少させることがわかりました。
従って、暑熱ストレス下においては哺乳類の生殖機能を低下させるが、アスパラガス抽出物を投与することによって生殖機能の低下を防げる可能性が示唆されました。
アスパラガス抽出物の生殖細胞に対する研究成果の報告は今回が初めてですが、この報告をきっかけにして、今後は妊活に焦点をあてた研究が進んでいくかも知れません。
妊活といえば、最近ではミトコンドリア活性・新生作用におる「PQQ」が注目されており、一部の医師も患者さんに使用されているという記事を拝見したことがありますが、当社では、「アスパラガス抽出物」と「PQQ」を配合した「思いやりのPQQ」の取り扱いを行っています。