「歯周病」と言えば30歳以上の約70~80%の方がかかっていると言われている誰もが知っている身近な疾患で、口腔内の細菌の感染によって引き起こされ、歯茎の腫れや痛み、歯茎の出血、口臭など様々な症状が現れる炎症性疾患です。
特に、人から口臭を指摘されると気になって歯磨きをしっかりされることも多いようですが、口臭予防は、歯周病予防歯磨きを使ってゴシゴシと歯磨きしたところで、それだけでは根本的な改善には至りません。
それどころか、かえって歯茎に傷をつけるきっかけとなり、歯茎から出血を起こすなどの悪循環に陥ることもあります。
それでは歯周病を予防・改善させるためにはどのようにすればよいのしょうか。
もちろん薬用歯磨きなどを使用して歯磨きすることは大切であることは言うまでもありませんが、歯茎を傷つけないように優しく磨く事やデンタルフロスなどで歯垢を確実に取り除く事、歯茎のマッサージなども忘れてはなりません。
また、それらに加えて、腸内環境を整えることが大切です。
「えっ!腸内細菌?」と思われる方もいるかも知れませんが、口腔内の細菌の数は実に、500~1,000種類もいると言われており、お互いにネットワークをもち、免疫力が低下したときに一気にたたみかけてくると言われています。
厄介なことに、いわゆる歯周病菌は細い血管から侵入して全身に回り、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、肺炎、骨粗しょう症などの様々な病気を引き起こす原因にもなります。
これらの病気は、一見歯周病菌と関係ないと思われがちですが、実は密接な関係がありますので、体内での歯周病菌の活動を抑える工夫のひとつの方法として、乳酸菌生成エキスの摂取が良いと言われています。
新潟大学大学院で行われたマウスを用いた研究では、マウスに乳酸菌生成エキスを摂取させることにより、腸内のNKT細胞(免疫細胞のひとつ)が小腸で2倍、大腸で4倍も上昇し、確かに腸管免疫を高めている結果が得られています。
歯周病を予防・改善することは、口腔内ケアと腸内環境を整えることの両面からのアプローチが大切と考えられています。