パーキンソン病といえば、ほとんどの方が聞いたことがあると答えるぐらいの一般的な病気です。
高齢者に発症することが多く、脳内の神経伝達物質「ドパミン」という物質が減ってくるため、身体の震えや筋肉のこわばりなどにより転びやすくなる症状を特徴とする病気です。
その治療の基本は、薬物治療が中心ですが、脳内でドパミンに変換する「レボドパ」をはじめとして、脳内の細胞で不足したドパミンを補うことにより症状を緩和することを期待します。
ここで気づく方も多いと思いますが、治療で使われる薬は「症状を緩和する」のであって、「治す」ための薬ではないということです。
実はパーキンソン病の根本的な原因がまだ明らかにされておらず、パーキンソン病の根本的な治療薬はまだありません。これだけ科学が進んでいる世の中であっても原因不明の病気もまだまだたくさんありますが、パーキンソン病もそのうちのひとつです。
現在知られているパーキンソン病発症の主なメカニズムについては、「酸化ストレス説」「ミトコンドリア説」「α-シヌクレイン説」「カルシウム調節異常説」などが知られています。おそらくどれか一つの原因で発症するのではなくて、いくつかの要因が複雑に絡み合って、結果として脳内神経伝達物質「ドパミン」が不足することにより発症するものと考えられます。
「酸化ストレス説」の考え方は、ドパミンの代謝過程で悪玉酸素と言われる活性酸素を発生することがわかっており、その活性酸素が脳細胞に悪影響を及ぼしているのではないかというものです。
「ミトコンドリア説」は、ミトコンドリアはそもそも独立した別の生命体だったものが、私たちの体に入り込んで共生していると考えられており、今まではエネルギーを産生するために大切な細胞内小器官だと考えられていました。しかし、今ではミトコンドリアの研究が進歩し、それだけでなくその他にも様々な重要な働きをしていることがわかってきました。
そこで、パーキンソン病だけでなく私たちの健康維持にはミトコンドリアの機能の低下を防ぐことが重要であると同時に、活発なミトコンドリアの量を保つことが大切と考えられます。
「α-シヌクレイン説」は、α-シヌクレインの塊(凝集体)が、ミトコンドリア機能を低下させ、細胞を死滅させることもわかっています。最近では、「細胞内のゴミ」という表現をされることも多くなってきました。
全くの余談になり恐縮ですが、α-シヌクレインは虫垂に蓄積することが多いと言われ、虫垂を切除している人はパーキンソン病になりにくいという報告もあります。
さて、パーキンソン病発症について様々な説を紹介しましたが、これらの説に対して理論的に有用であると思われる健康成分が「PQQ」です。
最近の「PQQ」の研究の中で、強力な抗酸化作用やミトコンドリア新生・活性作用、α-シヌクレイン凝集抑制作用などが報告されています。
もちろん、これらの研究報告だけでPQQがパーキンソン病を予防・治療できる成分だと言えるものではございませんが、少なくとも私たちの健康維持に有用な成分であることは間違いないものだと思われます。