AHCCは30年以上前から医療現場で特にがん患者さんに対する補完代替医療分野の健康食品として使用されている実績があり、現在も世界100以上の国や地域で医療機関や大学などの研究機関との共同研究が継続されています。
今までの研究成果から免疫力を高める作用の詳細も徐々に明らかになる中で、抗がん剤副作用軽減効果などのエビデンスが蓄積されています。
この度は、大阪公立大学大学院医学研究科機能細胞形態学の宇留島隼人准教授らとの共同研究において、AHCCが肝星細胞の活性化を抑制することで肝線維化の進行を抑える可能性が示唆されましたのでお伝えさせて頂きます。
この研究内容は、国際学術誌「American Journal of Physiology Gastrointestinal and Liver Physiology」のオンラインに掲載されています。(https://doi.org/10.1152/ajpgi.00134.2024)
肝臓に長期間炎症が続くと肝線維化が引き起こされ、最終的には致死的な肝硬変に進行していきますが、現時点で肝硬変に対する有効な薬剤はありません。
また、世界の3~4人に一人が肝線維化の前段階である脂肪肝であることが報告されていますので、肝線維化の進行を抑えることは意義深いことと言えます。
今までにもAHCCの肝保護作用は知られていましたが、肝線維化進行に対する作用はよくわかっていませんでしたので、宇留島隼人准教授らは、モデルマウスを用いてAHCCの作用を検討したところ、AHCCが肝星細胞の活性化を抑え、肝線維化の進行を抑制していることが確認されました。
宇留島隼人准教授は、「肝臓は沈黙の臓器で病態がかなり進行して初めて症状が出る場合が多いです。積極的に健康診断を受診し、肝線維化を早期発見して生活習慣の改善に取り組むことが重要です。今後はより信頼度の高い科学的エビデンスの構築のために、肝線維化患者に対するAHCCの効果を確認する臨床試験実施を目指してまいります。」とコメントしています。