通常のビタミンEと比較して40~60倍とされる高い抗酸化作用を持つ「トコトリエノール」は、トコフェロールの同属体でありながらトコフェロールにない作用を持つ事から、別名「スーパービタミンE」とも呼ばれ、これまでにもコレステロールの低下作用、血小板凝集、心臓疾患、脳疾患予防、がん予防などの多岐にわたる研究成果が発表されています。
さらに、近年では、脳神経変形保護に関する研究成果が国内外で発表されています。
これは、米国オハイオ州立大学医療センター分子医学研究所が行った脳卒中および他の神経変性疾患に関する防衛作用の研究がきっかけとなっています。
この研究は、ラットのニューロンを検体として行われた結果、トコトリエノールのみにナノレベルでもニューロン保護や損傷後の保護作用があることが確認されました。
さらに、神経系内の病理学的細胞死の主要原因物質の一つであるグルタミン酸毒性からの保護能力も、通常のビタミンEと比較して1,000倍程度強力であることが考察されています。
国内では、平成23年10月に行われた第8回日本トコトリエノール研究会の特別講演でマレーシア科学大学教授のYuen Kahhay博士が、ヒト臨床で行った研究成果を発表しています。
この研究は、脳白質層の病変のあるボラティア120例以上を登録し、トコトリエノール400㎎投与群とプラセボ群の2群で、1年後および2年後にMRIを測定するなど行われました。その結果、トコトリエノールが、ヒトにおいても神経保護作用を示す脳白質層病変の進行抑制や改善効果などのエビデンスが得られたことを発表されています。
また、平成24年11月の第9回日本トコトリエノール研究会の特別講演会では、芝浦工業大学ライフサポートテクノロジー研究センターの浦野四郎氏は、トコトリエノールは、血管内皮にある血液脳関門を通過しないという通説を覆して、老齢ラットや酸化ストレスを負荷した若齢ラットでは通過できることを明らかにし、通過後の神経保護作用についても一部明らかにしたことを発表されています。
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