『お茶やコーヒーなどに含まれている「カフェイン」が抗がん剤の効果を増強するらしい』
先日、あるテレビ番組を見ていると、抗がん剤とカフェインを併用することで、抗がん作用が増強されるという内容が放映されていました。
金沢大学病院整形外科の土屋先生らのグループが実践されているようです。
インターネットから情報を検索したところ、土屋先生は次のようにコメントしています。
「抗がん剤が効かない状態にも2パターンあります。1つは抗がん剤がまったく歯が立たないケース。もうひとつは、抗がん剤が癌細胞のDNAを傷つけても癌細胞のほうが強力で生き延びてしまうケースです。後者の場合に、カフェインを併用すればもっと効果が強くなります。
カフェイン併用化学療法に使用するカフェインは、50~60kgの成人で1日1.5gを持続点滴で投与します。これはコーヒーに換算すると約20杯程度に相当する量です。
これだけ大量のカフェインを投与しますから、カフェインによる副作用にも注意が必要ですが、きちんと血中カフェイン濃度を測定しながら治療を進めているそうです。
この治療方法は、保険適応外の先進医療ですが、カフェイン自体は安価ですので1クールで9,500円と、そんなに経済的な負担が重くなるわけではありません。
今までの臨床例では、転移していない骨肉腫の場合は、約9割の患者さんに効果があり、そのうち約8割の患者さんのがん細胞が全滅するという成績を残しています。
しかしながら、今の医学では治療法に対する科学的エビデンスが必要になりますので、今のところ十分な症例数が揃っていないのが現状です。
ただ、カフェイン併用療法は、整形外科領域にとどまらず、肺がんや乳がんなどの固形がんにも応用できる可能性はあるのではないかと考えています。」
とのことです。
今後、もっと広い専門分野の医師がカフェイン併用療法について検証を重ねられ、医学的に認められる治療法として確立されるようになれば、もっと多くの患者さんが救われる可能性が高くなるのではないかと思われます。
今後の研究に期待と希望を持ちたいところです。