筑波大の谷中昭典教授(消化器内科)らの研究チームは、中程度までのスギ花粉症の患者にバナナを食べさせた結果、くしゃみの悪化が和らぐなど自覚症状レベルでの「効果」が見られたとの実験結果を発表した。
実験は今年2?3月、自覚症状が軽度?中度の成人患者52人を対象に実施。バナナを1日2本ずつ8週間食べ続けるグループと、一切食べないグループに分け、くしゃみや目のかゆみなどによる不快度の申告と血液検査の結果を比べた。
その結果、バナナを食べ続けたグループでは、くしゃみが軽いと感じる傾向が強かった。他の症状や血液検査では、目立った差はなかった。
チームによると、マウスを使った同様の実験では、バナナによる花粉症の改善効果が見られた。人間での作用について谷中教授は「バナナには、抑うつ気分を改善させるセロトニンの合成を促すビタミンB6が豊富に含まれており、その影響かもしれない。詳しいメカニズムを調べたい」と話している。
(2013年12月3日 毎日新聞)