寒くなってくると、「体を温めたい!」と思って、つい熱めのお風呂に入りたくなりますが、急激な温度変化など、冬の入浴方法には注意が必要です!
毎年のように、入浴時の事故のニュースも流れ、死亡事故につながることもあり、せっかくのリラックスタイムが暗転してしまうこともあります。
今回は、寒い冬に気をつけていただきたい入浴時の注意ポイントをご紹介します。
(1)脱衣所・浴室はなるべく暖かく!
冬の入浴時に最も気をつけなければならないのが、急激な温度の変化です。
普段過ごしている部屋には暖房器具があり、暖かくなっていることが多いと思いますが、脱衣所や浴室は寒いと感じることが多いのではないでしょうか。
浴槽のお湯の温度と浴室や脱衣所の温度差が大きいと、お湯に浸かった時に血圧が急激に変化し、血管や心臓に負担がかかることになります。
予め脱衣所に暖房器具を置いて暖めておいたり、お風呂が沸いたら浴槽の蓋を取って、浴室内を暖めておくのも良い方法です。
(2)お湯の温度は40度くらいにして短めの入浴を!
なるべく熱いお湯に浸かったほうが体を温めるには良さそうですが、前述のとおり、急激な温度変化は体に負担がかかります。
少しぬるめの温度だと、温度の変化が小さくなり、血圧が急激には上がりにくくなります。
さらに、ぬるめの湯は、副交感神経が働いてリラックスし、筋肉をほぐす他、快眠にもつながります。
しかし、どうしても熱めのお風呂が良い!という場合は、最初はぬるめの温度にして浴槽から出る少し前に温度を高くしてください。
これなら、急激な変化ではないので、体に大きな負担がかかるのを防ぐことができます。
また、入浴は軽い運動くらいのエネルギーを消費します。脈拍も多くなり、心臓の負担も増えますので、長時間の入浴は避けたほうが良いでしょう。
お湯につかる時間は、5分程度を目安にすると良いでしょう。
(3)入浴前後に、コップ1杯の水を飲んで水分補給を!
特に高齢者の場合、筋肉量や基礎代謝の低下などによって、体内に水分を保持しにくくなります。
そのため、高齢者は脱水症状を起こしやすく、入浴中の発汗によって脱水症状を引き起こし、入浴後に意識を失い転倒する事故も毎年多く発生しています。
それを防ぐためには、入浴前の水分補給が大切です。
また、汗をかくことで体の水分が少なくなり、血液の粘度が高くなってしまうと、血液の流れが悪くなり、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすきっかけにもなりかねません。
入浴中は、思った以上に汗をかいていることがありますので、血栓形成を防ぐためにも、年齢にかかわらず、入浴後はなるべく水分補給をするようにしましょう。
寒い冬の入浴は、「身体を早くしっかり温めたい」と思って、熱い温度のお湯に長時間入浴しがちです。
しかし、そういった入浴は身体への負担が大きくなり、時には死亡の恐れもある事故につながることがあります。上記の注意事項をよく守って、入浴タイムで心身の疲れを取り除いてください。