国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)は、脳梗塞の再発予防薬が「軽度認知障害」の進行を食い止める効果を確かめる臨床試験(治験)を始めた。
国内の11施設以上が参加する。
同センターの猪原匡史医師らは昨年2月、脳梗塞再発予防薬の「シロスタゾール」が、アルツハイマー病の進行を抑える可能性を示した論文を米科学誌に発表した。シロスタゾールには脳血管を広げて血流を促す働きがあり、病気を引き起こす有害なたんぱく質を脳の外に排出するとみられる。
軽度認知障害は、日常生活に支障はないが、記憶力が低下し、認知症になる危険性がある。治験では、軽度認知障害の200人(55~84歳)をシロスタゾールを飲む群と飲まない群に分け、記憶力低下など病状の進行度を比較する。
(2015年8月13日 読売新聞)