今年も早いもので12月となり、年末年始の準備などで慌しい時期になりました。
1年の締めくくりに食べるものといえば、年越し蕎麦ではないでしょうか。年越し蕎麦は江戸時代からの風習と言われていて、蕎麦は他の麺類と比べて切れやすいことから今年一年の厄を断ち切る、という意味があると言われています。また、蕎麦は体の毒素を取り払ってくれると考えられていたため、新しい年を健康に迎えるという意味があったとも言われています。
今回は、そんな蕎麦の健康成分についてご紹介します。
■ポリフェノールが豊富
蕎麦には、ルチンというポリフェノールの一種が含まれています。ルチンは抗酸化作用だけでなく、脳細胞の活性化や疲労回復、毛細血管の強化、高血圧の緩和など生活習慣病の予防につながる作用が期待できます。
1日に必要とされるルチンの量は20~30mgですが、蕎麦の場合、100gあたり10~20mgほど含まれています。一般的なざる蕎麦では一人前の蕎麦の量が130g前後ですので、1日に必要とされるルチンの量に近い量を摂ることができます。
同じくポリフェノールの一種であるカテキンも含まれています。緑茶に含まれることで知られるカテキンは抗菌作用があるので、インフルエンザなどのウイルス対策にも有効だと言われている成分ですので、インフルエンザが流行する冬には積極的に摂っておきたい成分です。
■肝臓や記憶力に良いコリン
蕎麦にはコリンという成分も含まれています。コリンは肝臓を保護して働きを活性化させるため、肝硬変や脂肪肝の予防に役立つと言われています。アルコールを飲む際に肝臓に脂肪がたまるのを防ぐ働きがあるので、お酒を飲む機会が増えるこの時期には嬉しい成分です。
さらに、副交感神経の刺激に不可欠で自律神経の故障に効果的なアセチルコリンを作る原料にもなるので、自律神経失調症の予防にもつながるほか、記憶力の改善にも効果が期待されています。
■女性にも嬉しいたっぷりの食物繊維
腸内の善玉菌を活性化させ腸の働きを改善し、便秘の予防・改善などが期待できる食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維の1日の必要摂取量は20~25gとされていますが、ざる蕎麦一人前で、約4~5gほど摂ることができます。
少ないように感じますが、1回の食事で摂れる量としては、他の食品に比べてかなり多い量だと言われています。
食物繊維を多く摂ると、血中コレステロール値の減少、腸内菌の改善、便秘予防、肥満予防、糖尿病予防、動脈硬化予防、毒性物質の排出促進などの効果が期待できます。
さらに蕎麦は「低GI食品」と言われる、血糖値の上昇が穏やかな食品のため、食物繊維の作用と合わせてダイエットにも効果的な食品だと言えます。
■ビタミン・ミネラルたっぷり!
さらに、蕎麦には、ビタミン・ミネラルなどもたっぷり含まれています。
余分な塩分を体内に排出するカリウムや代謝を促進する亜鉛などのミネラル、疲労回復に良いとされるビタミンB1やビタミンB2などのビタミン、血管を強化する働きのあるナイアシン、免疫力向上や炎症を和らげると言われるパントテン酸など、日ごろの生活習慣が気になる方には特に必要な成分が数多く含まれています。
蕎麦は手軽に食べることのできる非常に健康維持に役立つ食品だと言えます。
年越し蕎麦だけでなく、日ごろの食事でも健康維持のために積極的に蕎麦を食べてみてはいかがでしょうか!