解熱鎮痛剤として使用されているアスピリンに、大腸がんの発症や、がんになる可能性の高い大腸ポリープの再発を予防する効果があるかを確かめる臨床研究を、国立がん研究センターや京都府立医大などのチームが30日までに始めた。
日本人約300人を対象にした臨床研究で、ポリープの再発率が4割減少したとする研究が昨年2月に発表されており、今回は7千人で効果を詳しく調べる。
研究は、大腸がんになる恐れのあるポリープを切除した40~69歳が対象。アスピリンの一種で医師が処方する錠剤「バイアスピリン」(バイエル薬品)を4年間、毎日1錠(100ミリグラム)飲んでもらい、同薬を飲んでいなかった3千人のデータと、がん発症やポリープ再発率を比べる。
使用するアスピリンは血栓を作りにくくする薬で市販薬とは有効成分が異なる。副作用の恐れもあり、研究代表者の石川秀樹京都府立医大特任教授は「自己判断で飲むのは絶対に避けてほしい」と話した。
(2015年11月30日 産経新聞)