2年に1回実施される診療報酬(医療機関でのお支払い額)と調剤報酬(薬局でのお支払い額)に関する改定が、本年4月に実施されます。
この度の改定では、厚生労働省は保険薬局に対して、「かかりつけ薬局」・「ジェネリック医薬品の使用」・「お薬手帳の活用」・「在宅業務」の推進などに注力しています。
毎年のことながら、現場を把握していないお役人の方々が決めた内容と考えざるを得ない事も、多々含まれています。
例えば、「かかりつけ薬局」であれば理解もできるのですが、「かかりつけ薬剤師」という個人指名の推進があります。いわゆる患者さんの「薬剤師のご指名」です。
「かかりつけ薬剤師」とは、患者さんに「かかりつけ薬剤師」になることに対して同意書を頂き、その薬剤師が一括してその患者さんのお薬の管理(飲み残しの有無や飲み合わせの確認など)を行うことによって、指導料が加算されるというものです。
かかりつけ薬剤師以外の薬剤師がお薬をお渡しした場合は、その加算は算定されませんから、その場合は一部負担金が安くなります。
しかし、考えてみてください。医療機関で待たされた後に、薬局で「かかりつけ薬剤師」にお薬をもらおうとしても、薬局内に患者さんがたくさんいた場合、「かかりつけ薬剤師」の手が空くまで待たなければならないようになります。「かかりつけ薬剤師」以外の薬剤師であっても、お薬手帳などを活用すれば、飲み合わせのチェックは可能ですし、残薬確認も「かかりつけ薬剤師」でなくても確認できます。
待たされたあげくのはてに、一部負担金が高くなるのであれば、待たずに他の薬剤師に薬をもらって安くなった方が良いと思うのは、私だけでしょうか?
ところで、厚生労働省では「お薬手帳の活用」の推進にも注力していますが、「お薬手帳の活用」については私も大切なことだと思います。
しかし、この度の改定で特にご注意していただきたいことは、定期的にお薬をもらっている患者さんは、「お薬手帳」のご持参を忘れないようにしていただきたいと思います。
本年4月以降にお薬が出された方が、その後6ヶ月以内に再度お薬をもらう場合、「お薬手帳」を忘れてしまったり、お薬手帳を持つことを希望されていない方に対して、若干一部負担金が高くなるように改定されています。つまり、厚生労働省の考えは、お薬手帳を持参しなかったら負担金割合が高くなるように設定して、お薬手帳を持ってくるように推進しようという考え方がうかがえます。
これらの考え方に賛否両論はあるにしても、国が決めたことですから、何はともあれ、定期的にお薬をもらわれている方は「お薬手帳」の持参を忘れないようにご注意してください!