太っていなくても生活習慣病になりやすい「やせメタボ」の人は、筋肉でインスリンがうまく作用せず、糖を取り込みにくい体質であるとの研究結果を、順天堂大学の田村好史准教授(代謝内分泌内科学)らが米医学誌に発表した。
田村准教授らは肥満でなくても糖尿病といった生活習慣病がアジアで多いことに着目。体の糖分の貯蔵庫である筋肉(骨格筋)と肝臓で、どれくらいインスリンが働いて糖を細胞に取り込むかなどを、日本人114人について精密に測って比較した。
正常な人と比べて、肥満でメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の人は筋肉での糖の取り込みが低く、肥満ではない人(体格指数BMIが23以上25未満)でも、血圧、血糖、脂質に一つでも異常があると、筋肉への糖の取り込みが低いことが分かった。筋肉への糖の取り込みが低かった人では、正常な人に比べて、内臓脂肪が2割多く、体力は2割低下していた。
田村准教授は「歩く量を増やすとともに、軽いジョギングなどで筋肉をほどよく鍛えることが、生活習慣病の予防に重要」と話す。
(2016年8月3日 読売新聞)