7月9日~10日の日程で札幌市のホテルロイトン札幌において、過去最多となる世界31カ国から医師や研究者が集まり、「第24回統合医療機能性食品国際会議」が開催されました。
今度の「統合医療機能性食品国際会議」の座長は、大阪大学大学院医学系研究科特任教授の伊藤壽記先生、北海道情報大学医療情報学部教授の西平順先生、立命館大学生命科学部教授の西澤幹雄先生、京都大学大学院農学研究科教授の佐藤健司先生が務められました。
今回の基調講演では、メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター統合医療科医長のゲイリー・デン博士により「がん治療における栄養学とサプリメント:米国の現状」という演題で講演があり、がん治療における栄養学の考え方の重要性についてお話を頂きました。
その他、主に免疫活性素材「AHCC(シイタケ菌糸体抽出物)」の研究発表が多数ありましたが、特に関西医科大学外科の柳本泰明先生が発表された「膵癌化学療法におけるAHCCの副作用軽減効果についての検討」については、切除不能膵癌患者に化学療法を行った患者のうち、AHCCを摂取した群と摂取していない群で比較検討したところ、AHCC摂取群の患者は味覚障害の発生率の低下やCRP上昇の抑制などが確認され、切除不能膵癌患者の化学療法の副作用を低減する可能性が示唆されたとのことで、今後は二重盲検法による検討が行われる予定であるとのことに興味を持ちました。
また、「ETAS(アスパラガス抽出物)はグルタミン酸刺激による海馬由来HT22細胞の細胞障害を抑制する」という演題で講演がありましたが、今後の高齢化社会における認知症対策に明るい話題であると興味深く感じました。
ETAS(酵素処理アスパラガス抽出物)は、「HSP(ヒートショックプロテイン)」というタンパク質を体内で産生し、認知症をはじめ不眠やストレスに対しても有用であると考えられており、いま注目されているサプリメントのひとつです。