今回のくすりの話では、健康と深いかかわりがあることで注目されている「ミトコンドリア」についてお伝えします。
「ミトコンドリア」といえば、「昔、むか~し」に理科の授業で習った記憶があると思います。
細胞の中にあるゾウリムシのような形をした「細胞小器官」です。
このミトコンドリアと健康がどのように結びつくのか?
実は、深~い関係があるのです。これを1ページでお伝えするのはとても困難なことですが、ごくごく簡単にお伝えします。
ミトコンドリアの主な働きは、私たちが生命活動を維持する上で欠かせない「エネルギー」を作ることです。
しかし、エネルギーを作る過程で悪玉酸素と言われる活性酸素が生じます。健康な状態であれば余分な活性酸素を体内の酵素によって取り除くことが出来ますが、加齢に伴って活性酸素を除去する能力が衰え、ミトコンドリアの機能に異変が生じてきますので、その結果様々な病気が発生することになります。
ところで、ひとつの細胞に含まれているミトコンドリアの数はご存知ですか?
何と数百~数千個もあり、全て合わせるとヒト一人あたり約6kgにもなるそうです。
それほどミトコンドリアは、生命活動に必要であるということですが、健康な人と不健康な人の違いは「ミトコンドリアの数」にあることがわかってきました。男性より女性の方が長生きするのはミトコンドリアの数の差にも影響
しているとも言われています。
それならば、ミトコンドリアを増やして機能を回復させる工夫をすれば健康を維持できるのではないかと容易に予想できますが、果たしてそんな方法はあるのでしょうか?
答えは「あります!」です。
それでは、その方法の一例をご紹介しましょう!
1.リラックスした入浴や適度な運動により、体温を上げる
適度な運動により筋肉量が増え、血行がよくなり、結果として体温が上昇し、自律神経のバランスも整い免疫力の上昇にもつながります。
2.寒い場所で運動をする
寒さを感じるとエネルギーが必要と判断してミトコンドリアを増やそうとします。但し、極端に寒い場所はご注意してください。
3.プチ断食をする
食事は腹8分目までが理想です。空腹を感じるとミトコンドリアが活発に働き始めます。逆に食べすぎが続くとミトコンドリアは怠けてきます。
4.筋力を鍛える
筋肉細胞にはミトコンドリアが豊富に含まれていますが、加齢によって筋肉量が減ってきますので、スロースクワットやウォーキングなどで筋力を鍛えることが大切です。
5.抗酸化食材やビタミン類を積極的に摂取する
余分な活性酸素を取り除き、ミトコンドリアの機能を回復させます。
・・・等々
まだまだ、これ以外にも色々な方法があります。
これらの方法を実践して、「健康長寿」を目指しましょう!
余談になりますが、がん患者さんも上記のような方法で、ミトコンドリアを増やして機能を回復させることが重要であることもわかっています。
なぜなら、ミトコンドリアはがん細胞に「アポトーシスを開始せよ」という命令を出す役割をしていますので、ミトコンドリアの機能が低下していたり、数が減っていると指令が十分に行き渡らなくなるからです。
さらには、最近では加齢に伴う筋肉量の減少と病気との関係も研究されていますが、もしかするとミトコンドリアの数が鍵を握っているのかも知れないと予想したくなりました。
