いよいよ6月を迎えますが、実は、6月6日は梅の日というのをご存知でしょうか。
これは、天文14年(1545年)の6月6日(旧暦4月17日)、京都・賀茂神社例祭において神事の際、後奈良天皇に梅を献上したという故事にちなんだものです。
今回は、これから夏にかけて頼りたくなるような健康成分がたっぷり入った梅干しについてご紹介します。
< 梅干しは古くから用いられた健康食材 >
梅は中国から日本に伝わったと言われています。
中国では2000年以上前から薬として使われており、約2000年前に書かれた中国最古の薬物学書「神農本草経」には、すでに「梅」の効用が説かれています。そこには、梅の実をいぶし焼きにした烏梅(うばい)について書かれており、「肺の組織を引き締め、腸の動きを活発にし、
胃を元気づけ、体の中の虫を殺す」効用があると記されています。
中国では今でも、烏梅を漢方薬として下痢や吐き気止め、解熱などに使用しています。
日本では平安時代には塩漬けされた梅が登場し、これが現在の梅干しの原型と言えます。
日本でも薬用で用いられることが多く、平安時代中期に書かれた日本最古の医薬書とされる「医心方(いしんぽう)」には、「味は酸、平、無毒。気を下し、熱と煩懣を除き、心臓を鎮め、四肢身体の痛みや手足の麻痺なども治し、皮膚の荒れ、萎縮を治すのに用いられる。青黒い痣や悪質の病を除き、下痢を止め、口の渇きを止める」と効用が記されています。
< 梅干しの体に良い作用、たっぷりご紹介します! >
●疲労回復
体を長時間動かした場合などに感じる疲労の原因は乳酸です。この乳酸が体内に溜まってくると疲労を感じてきますが、梅干しの酸っぱさの基となっているクエン酸は、乳酸を分解し、エネルギーの基となる物質に変えます。
●血糖値抑制
梅干しに含まれるオレアノール酸という成分がα-グルコシダーゼを抑制することで糖尿病を予防する働きがあります。α-グルコシダーゼを抑制することで、糖質の消化吸収を抑え食後に血糖値が上がることを防ぐことができるのです。
●高血圧や動脈硬化の予防・改善
梅ポリフェノールという成分は不規則な生活や喫煙、ストレスなどにより血液中のアンジオテンシンが増加することを防ぎ、動脈硬化や高血圧を予防してくれます。
●血流を改善する「ムメフラール」
ムメフラールは、赤血球変形能を促進させ、血小板凝集抑制作用を持つことで、血流を改善し、脳梗塞や心筋梗塞の原因にもなる血栓の形成を予防します。
●ピロリ菌抑制
梅干しに含まれるシリンガレシノールという成分は、胃がんの原因ともなるピロリ菌を抑制してくれます。
●ダイエットに良い「バニリン」
梅干しに含まれる「バニリン」という成分は、脂肪細胞を小さくしてくれます。ダイエットにもお勧めの食材です。
その他にも活性酸素を除去する抗酸化作用、抗菌・殺菌作用、整腸作用、解毒作用(二日酔い、乗り物酔い、食中毒の解消)、口臭予防など様々な作用があります。
昔から健康に良い食品として親しまれているだけあって、現在では非常にたくさんの良い作用が分かっています。
1日2~3個の梅干を食べることで十分とされていますので、梅干しを食べる健康生活を実践してみてはいかがでしょうか。