ミトコンドリアは、理科の教科書などで目にしたことが多いと思いますが、ゾウリムシのような形をした細胞内小器官のひとつで、我々の生命維持に欠かせないエネルギー(ATP)を産生しています。 ミトコンドリアの数は、生まれてから死ぬまでの間で変化がないと思われている方も多いと思いますが、 ミトコンドリア内では、エネルギーを産生する過程で多量の活性酸素を発生し、加齢とともにミトコンドリアの数が減少していくことやミトコンドリアの機能が失われていくことが知られています。 ミトコンドリアを元気な状態で維持するためには、多量に発生した活性酸素を除去する抗酸化素材を摂取する ことも重要です。 最近、ミトコンドリアが長寿遺伝子を活性化すると長寿に繋がることがNHKでも放映され話題となっています。 さらにミトコンドリアの機能を回復させると、癌細胞のアポトーシスを誘導させる遺伝子が発現して「がん細胞」をアポトーシス(自滅)させることもわかってまいりました。
加齢などの原因で減少したミトコンドリアを増やし、機能を回復させる方法として、
(1)腹七分目~八分目の食事をする
(2)お風呂上りに適度に水シャワーを浴びる
(3)ジョギングなどの運動習慣をつける
(4)緑黄色野菜を積極的に摂取する
(5)必須アミノ酸を積極的に摂取する
(6)背筋を伸ばした姿勢を心がける
(7)ゆっくり、よく噛んで食事をする
・・・などが効果的といわれています。 これらの中から出来る事を実践していく事が大切です。
先に述べたミトコンドリア長寿遺伝子を活性化する素材として、ぶどうポリフェノールの一種、「レスベラトロール」(サプリメント)が話題となっていますが、その他にも「大豆イソフラボンアグリコン」(サプリメント、お味噌にも含有)も知られています。 また、主に免疫力を高める作用を有することで知られているマイタケD-フラクションが、ミトコンドリアの機能を回復させてチトクロムCという物質を放出し、「がん細胞のアポトーシス誘導」を発現させる遺伝子を活性化することがわかり、論文として発表され注目されています。 がん細胞のアポトーシス誘導メカニズムが遺伝子レベルで確認されたことは大変大きな成果と思われます。 このようにミトコンドリアと健康・長寿との関係は深いかかわりがありますので、日常生活の中から、ミトコンドリアの数を増やし、機能を回復させる工夫を行い、健康・長寿を目指したいものです。