厚生労働省によるインフルエンザ感染症発生動向調査によれば、平成22年11月22日~28日の調査が0.44ポイントだったのに対し、12月第一週調査では0.70となっており、0.26ポイント増加していました。
指標1.0を越えているのは、
1道10県にも達し、中でも北海道は
3.82ポイントとなっています。
この動向を見る限り、今後インフルエンザが全国的に流行してくる可能性が十分に考えられますので、手洗い・うがい・睡眠・お部屋の加湿、そしてフコイダン摂取など対策を十分に
とってまいりましょう。
さて、抗インフルエンザ薬の話題として、平成22年3月にもペラミビル(商品名;ラピアクタ)のお話を致しましたが、今回は長時間作用型ノイラミニダーゼ阻害剤ラニナミビルオクタン酸エステル水和物(商品名;イナビル吸入粉末剤)のお話を致します。
「ラピアクタ」は、点滴薬であるため、人工呼吸をしているような重症患者さんにも投与が可能で、外来で約15分の投与で効果が期待できるという特徴があります。
一方、この度ご紹介する「イナビル吸入粉末剤」は、1日1回の吸入だけで効果が持続します。これは「プロドラッグ」と言って、気管や肺に存在する酵素によって活性体に変換され、気管や肺に長時間貯留するためです。
「ラピアクタ」、「イナビル吸入粉末剤」ともに、
「タミフル」耐性ウィルスに対しても効果が期待できます。
抗インフルエンザ薬として良く知られている「タミフル」や
「リレンザ」などは、5日間連続して使用しなければならないのに
対して、「イナビル吸入粉末剤」は、1回だけの吸入で済みますから
使いやすい薬と言えそうです。